Prev Back Next

ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #117
デスクリムゾンOX(ドリームキャスト)

購入金額:980円

ゲーム内容

セガサターンで伝説のクソゲー「デスクリムゾン」の最終作。
今回はなんとアーケードでデビューし、それをドリームキャストに移植。

今回はドリームキャストで発売された「デスクリムゾン2」をベースに、アーケード仕様にチェンジ。
登場人物や舞台は一緒でも、ストーリーやゲームシステムは別物となり、全部がシューティングシーンで構成されている。
追い討ちシステムや経験値システムは一緒だが、マシンガンのアイテムや、ダメージ後の無敵時間、ピンチになると得点にかかる倍率が上がるシステムが追加された。
メーカーロゴのスキップもひそかにできるようになっている。


名言

クリムゾンで皆殺しだ

オープニングやストーリーの随所に見られる残虐極まりないメッセージ。
スタッフのこれまでの苦悩をぶちやぶり、前向きに進んでいこうという意思によるものだろうか。
グラディウスシリーズの「Destroy them all!!」を参考にしたとの噂もあるとか。

H.Kuwanoの考察

1.エコール衝撃のアーケードデビュー!?

本作はもともとアーケードで登場し、ガンシューティングの筐体で登場しました。
(アーケードの「ハウスオブザデッド2」の筐体の流用だったっけ?)
そのため、ゲームシステムもアーケードっぽくなっております。

それよりも、もともとCADのソフトを製作していた会社が、アーケードゲームまで出すようになったというのはオドロキです。
初代「デスクリムゾン」で散々に叩かれたメーカーが、絶望と失意の淵から這い上がってきたのですから、まさに「生きるものの意地に他ならない」(by斑鳩)ですね。

アーケード版といえども、ドリームキャスト互換基盤「NAOMI」によるもので、ドリームキャストへの移植も比較的楽に行えたようです。
ドリームキャストはWindowsCEを搭載しており、PS2などと比べてゲームが作りやすいと言われています。
もちろん、アーケードデビューを飾れたのも、この環境によるものが大きかったんでしょうね。

ハードウェアの性能による表現力の限界がほぼなくなった今、まさにゲームの本質が問われてきています。
中小メーカー、さらには同人ソフトだって、世に広く作品を知らしめるチャンスはあるのです。
まだまだマイナーではありますが、エコールはそれを実現させたのです!!

また、アーケードゲームはパソコンゲームやコンシューマーゲームと違います。
家庭用ゲームはつまんなくたって、「損した気分にならないように」最後までプレイするでしょうが、アーケードゲームはつまらないとだれもお金を入れてもらえない、厳しい世界なのです。
特に「最初でユーザーを引き込む」工夫は家庭用ゲーム機以上に必要です。
アーケードゲームの製作は、きっと「面白いゲームを作っていくために」良い経験となることでしょう。

 

2.ガンシューティングとしてどうか?

本作は「リーサルエンフォーサーズ」「バーチャコップ」「ハウスオブザデッド」とは異なる、連射タイプのガンシューティングゲームです。

このゲームでは、殆どの敵は一発の弾丸では倒せず、さらに数体束になって、しかも出会ったとたんに攻撃の構えに入っています。
そのため、殆どの局面で連射が要求されます。
ただでも腕が疲れるガンシューティングゲームなのに、さらに連射を常に要求されるのは本当辛いところです。

それとは対称的に、「経験値ゲージ」があり、これは敵にヒットさせ続けていると上がり、満タンになるとライフが回復します。
外すと下がってしまいますので、連射してれば良いというわけではありません。
つまり、この敵に○発当てて次、というように、 相手の耐久力を考えないといけないのです。
しかも、敵の耐久力は画面上には出ないので、プレイして覚えないといけません。
これは、弾数に制限がある「バレットモード」では必須になります。

正確な、やはり初心者にも進みやすくするよう、以下の改良を行ったほうが良いと思います。

  • ザコ敵は弾一発で倒せるようにする。
  • 敵の攻撃までの時間をもっとゆっくりにする。

あと、「追い撃ちシステム」や「狂気モード」(ライフや弾数が少ないほど得点に倍率がかかる)など、得点に関するシステムもいろいろあるので、「シルフィード」のときと同様、もっと得点を取ることに動機を与えるようにしたほうが良いと思います。たとえば、

  • 点数によってライフ回復(初代デスクリムゾンでは、シーンクリア後に取った点数でクレジットが上がる)
  • 点数で銃のパワーアップ

 

3.前作「デスクリムゾン2」の使いまわし

やってみると分かりますが、このゲームのグラフィックやサウンドは殆どが前作「デスクリムゾン2」の流用です。
まあ、中小メーカーがあれだけのモデルを作り直すとお金がかかるし、キャラクターもまた作り直すとお金がかかるから仕方ないんでしょう。
せっかくだから、ね。

 

関連情報

デスクリムゾン…前々作にあたる、デスクリムゾンシリーズ第一弾。セガサターンで発売され、「キングオブクソゲー」として悪名高い。
デスクリムゾン2…ドリームキャストで登場した「デスクリムゾン」の続編で、本作の前作にあたる。アドベンチャーシーンを追加し、グラフィックや演出も格段にパワーアップ。
リーサルエンフォーサーズ…コナミが92年に出したガンシューティング。取り回しのきくガンコントローラーと画面外を撃つリロードが斬新で、今日のガンシューティングの元祖的存在。
バーチャコップ…セガが93年に出したガンシューティング。全てポリゴンで再現し、危険を知らせるマーカーやズームアップ、撃つ場所によるモーション・得点の変化など、ポリゴンを活用している。
ハウスオブザデッド…セガが96年に出したガンシューティング。敵はゾンビのホラーチックな雰囲気が特徴。


Prev Back Next