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ゲーム探検倶楽部ソフト会議 #089
ナイトストライカー(プレイステーション)

購入金額:980円

ゲーム内容

アーケードで名作と名高い「ナイトストライカー」をプレイステーションで再現。
超高性能装甲車「インターグレイ・XSI」を操作し、スペースハリアーのように、擬似3Dの高速スクロールの中を、敵弾や誘導ミサイル、障害物をかわしつつ、レーザーで敵を破壊していく。
ダライアスのようなステージ分岐システムを採用し、マルチエンディングになっている。
敵を撃たずにステージクリアするという、パシフィストボーナスも有名になった。

H.Kuwanoの考察・評価

1.「移植」ではない、「再現」である。

 このゲームの裏面を見ると、「このゲームはアーケード版ナイトストライカーを参考に作られており、タイトーより許可を得てビングが製作しているものです。」という旨の小書きがあります。
また、「あの名作がPSで甦る」 とあって「完全移植」とは一言も書かれていません。

つまり、移植度については、余り深く追求したり、重点を置いてはいけないのです。

 僕は、以前このゲームのセガサターン版を持っていました。
ですが、アーケード版とパターンが違うとか、コントロールが違うとかの情報を耳にして、迂闊にも売ってしまいました。
その後アーケード版をプレイし、確かに感覚が違っていましたが、逆にセガサターン版の遊びやすさに好感を感じました。
メガドライブ版も買ってプレイしましたが、確かに感覚はアーケードに似ていても、グラフィックがひどくて雰囲気を味わえませんでした。

アーケード版のファンは、このゲームを移植版と考えてはいけません。
より広く、多くの人にこのゲームの良さを知ってもらいたい、というために、このゲームの存在意義があるのです。
ファンだった人は、アーケードの興奮がそのまま甦るということよりも、このゲームの知名度が上がり、良さが認められることを喜ぶべきです。

 でも、アナログ操作には対応して欲しかったですよね。

 2.ナイトストライカーって、どこがいいの?

 というわけで、ナイトストライカーを知らない人に、簡単な説明しましょう。

ナイトストライカーとは、ゲーム的には一言で言えば、「タイトー版スペースハリアー」です。
「スペースハリアー」とは、セガの3Dシューティングゲームで、スピード固定で画面奥に向かって、ちょっと誘導性能のあるショットを撃ちながら進んでいくゲームです。

これだけだと何の特徴もないように感じられますが、このゲームの大きな特徴は、「舞台が夜の街で統一されている」ということにあります。
スペースハリアーも、そのファンタジックな世界観がヒットの要因が一つになっていますが、このゲームでも、電飾のハデなビルや看板、暗い郊外や謎の工場、黒く深遠な海や赤く照らされる寺院など、夜の雰囲気がバッチリ出ています。
まるで夜の街をスゴイクルマで飛ばしているような感覚を、簡単に体感できます。
また、ダライアス風のステージ分岐で、エンディングもルートによって違います。
まるでウルフファングの簡単ルートのエンディングのように、スーパーマシンを失って悲しみに暮れるものもあれば、博士の娘を助けたと同時に、まるでその任務の成功を祝うかのように、夜空に花火が打ち上げられるというエンディングもあります。
この世界観が、このゲームをひきつける要因の一つになっています。
(僕も、パソコンの壁紙にナイトストライカーの使っています)

 さらに、その世界観にマッチしたサウンドも、その要因の一つになっています。
このゲームの音楽は、「名曲」としてゲームミュージックの歴史に深く刻まれています。
このゲームの作曲者「MAR.」さんは、これまで「ラスタンサーガ」「フルスロットル」などの楽曲を手がけており、ライナーノーツにもあるとおり、ちょっと「変な」音楽ばかりでした。
今回の音楽も一部そういった部分がありますが、逆にテンポの速さがこのゲームのスピード感とマッチし、メロディからもかっこよさや真剣さを感じられます。

実はハイスコアラーにとっても、このゲームは非常に有名だったりします。
それは、敵を撃たずに、自分もダメージを受けずに、ステージをクリア(ボスは一定時間過ぎると逃げていきます)すると、「パシフィストボーナス」といって、かなりのスコアが入ります。
(ゲーム用語で「パシフィストプレイ」(=敵を倒さないプレイ)という言葉は、実はこのゲームから来ているのです。)
ハイスコアラーはこぞって、全ての面をパシフィストプレイで進み、そのパターン(いわゆるパシフィストパターン)や最適なルートを選択していました。
「全てパシフィストで行ったら誰も同じスコアになるんじゃないか?」と思われるのですが、
さらには地面を走るとスコアが増えていく「地走ボーナス」があるため、ハイスコアラーは地面のある面を集中的に選択し、ひたすら地面を走って敵弾をかわしたりしていました。

これだけではちょっと分からないかもしれませんが、まずそのスピード感を体感してみてください。
もし飽きてしまっても、音楽CDとして利用できますので、損はしないと思います。

 3.機種別比較 

 まず、音楽はどれも一緒です。
どれもCD-DAで入っており、音楽CDとして利用できるのも同じです。
ただし、メガCD版はアレンジバージョンも入っています。
しかし、音楽の感じがぜんぜん違うということで、ファンには不評です(僕もそう思います)。
よって、音楽目的で買うのであれば、どれを選択しても一緒です。
ズンタタのファンとかなら、メガCD版を買うのがいいでしょう。

次にグラフィックですが、メガCD版はキャラクターのドットが荒いので、良いとは言えません。
やったことない人にとっては、「こんなグチャグチャのキャラクターのどこがかっこいいの?」ということになってしまうでしょう。
PS版とSS版はほとんど同じですので、グラフィック目当てならこちらをお勧めします。
初めてやる人にも、PS版をお勧めします
(本当はアーケード版でやってもらうのがいいんですけど、置いているところも少ないし、安いので)。

次に操作感ですが、やはりメガCD版が一番です。
PS版はアナログ操作できず、俊敏な回避ができません。
メガCD版とSS版はアナログコントローラーに対応しているのですが、
アーケードに近く、俊敏に操作できるのは、やっぱりメガCD版です。

ただし、メガCDのアナログスティックである、電波新聞社の「XE1-AP(通称カブトガニコントローラー)」は、今は入手困難でしょう。
だいたい2000円程度で売られていますが、置いているところが少ないので、秋葉原やハードオフにお世話になることでしょう。
しかも対応しているゲームが少なく、僕の知っているゲームでは「アフターバーナーII」ぐらいしかありません。
セガサターンだったらミッションスティックやマルコンで、すぐに、しかも安く見つけることができます。
「ナイツ」など、他に対応しているゲームもあるので、使いまわしができます。

ちなみに、どの機種でもロード時間や回数はほとんど同じですので、あまり期待してはいけません。

次におまけ要素ですが、メガCD版はアレンジBGMを、PS版はリプレイモードを、SS版ではPS版に加え、オープニングムービーとオリジナルステージを追加しています。
ですが、どのおまけもそんなに良いものではなく、おまけで選ぶことはないと思われます。

最後に、入手しやすさですが、なんと言ってもPS版が値段・数ともにダントツです。
そんなに探し回らなくても、手ごろな値段で買えるでしょう。
中古品なら大体480〜980円で手に入ります。
多分メガCD版も980円程度で手に入りますが、置いてある店はそんなに多くはありません。
一番少なく高いのはSS版で、1980円ぐらいで手に入ればラッキーな方だと思います。

総評として、アーケード版の移植やゲームとしての面白さを望むならメガCD版を、
初めての人や雰囲気を低価格で楽しみたいならPS版を、
さらに雰囲気をアナログ操作で楽しみたい人はSS版を購入するのがいいでしょう。


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