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ゲーム探検倶楽部ソフト会議 #087
ヴォルフィード(メガドライブ)

購入金額:300円(箱説なし)

ゲーム内容

あのクイックスが、よりサイバーに、遊びやすくなって帰ってきた。

アーケードで今でも活躍している陣取りゲームが、メガドライブで登場。

3つのモードを搭載し、よりお買い得だ。  


H.Kuwanoの評価・考察

1.クイックス版アルカノイド

結構ご存知の方も多いかと思われますが、このゲームは1983年に同社がアーケードゲームで発売した「クイックス」のリメイク版です。
「ブロック崩し」のリメイク版として、1985年に「アルカノイド」を発売したわけですが、このゲームはそれを「クイックス」で行ったという訳ですね。
現にアルカノイドはヒットしましたし、このゲームはヒットしました。
さらに、現代でも残っているゲームセンターが多いというのも共通点ですね。

2.なぜ今でもウケているのか?

 そこで、なぜ今でもゲームセンターで見ることができるのか、考えて見ましょう。

まず、「アルカノイド」との共通点のひとつでもあるのですが、
原作よりもさらに遊びやすいアレンジがあげられます。
アルカノイド同様、原作にはなかったアイテムによるパワーアップがあります。
アルカノイドでは、ビームでブロックを破壊したり一時的にキャッチするのですが、ヴォルフィードではスピードアップや、タイムストップ、無敵などがあり、プレイを有利に進めさせてくれます。
また、低速度モードの移動をやめたり、領地の枠を漂う敵(スパークス)をなくしたり、敵がラインに触れても発生したスパークに触れなければミスにならないようになったり、通った道を引き返せるというように、前作の制約を排除し、遊びやすさをアップしたということもあります。

また、原作にもあった「敵から逃げる緊張感と、クリアしたときの達成感」に病み付きになることも考えられます。
敵の去った隙をすばやく囲んだりするこのゲームは、非常に緊張します。
その連続を切り抜け、クリアしたときの達成感は、ほっとため息をついてしまうぐらいです。

さらに、クリアするときの領地の占有率が高ければ高いほど、ボーナス得点は倍増します。
どれだけ高い点数を維持できるか、というハイスコアラーにとっても、挑戦し甲斐のあるゲームになっています。

 意外と持つ(すぐにゲームオーバーにならない)というのも、実は大きなポイントだと思っています。
アーケードゲームをプレイする人には、少ない金額で、時間潰しをしながら楽しみたいという人も多くいます。
このゲームもすぐにやられてしまいそうなゲームですが、慣れれば結構時間つぶしができます。
基本的に自分が行動を起さない間(ラインを引いていないとき)は無敵なので、何もせずにやられたりとか、途中で集中力が切れてやられたりとかはありません。
スパークスをなくしたのも、プレイ時間の延長に一躍かっています。

 3.ところで、クイックスって何?

順番が逆になってしまいましたが、クイックスを知らない人のために説明しましょう。

クイックスとは、早い話が陣取りゲームです。
画面上をうろついている敵に触れないように、自機のラインで囲んで、自分の領土にします。

自機は通常、敵の領土と自分の領土の境界のみを移動できます。
ボタンを押すことで、敵の領土に入り込めるようになります。
そして、もう一度境界に戻ったとき、敵の領土が自分の移動したときの軌跡で二つに分かれているはずです。
ゲームによっても異なりますが、敵がいない方が、自分の領土になります。

そうして自分の領土を広め、規定の割合に達するとクリアとなります。

 自機が敵の領土に居るときに、敵が自機や自機の出した軌跡に触れるとミスになります。


 僕は最初このゲームを知って、非常に斬新で、類を見ないゲームだな、と思いました。
ブロック崩しほどは知られていませんが、それと同じぐらいに斬新だと思います。

 4.クイックスの今後

 クイックスの後、ヴォルフィードが登場し、その後、他社(カネコ)から、脱衣モノのクイックス「ギャルズパニック」が登場しました。
敵の領土を自分のものにすると、その自分の領土の部分だけ、女性の裸が見られるというものです。
このゲームはドイツで賞を取ったらしいです。
人によっては、クイックスよりこちらのほうがピンとくるかもしれません。
 クイックスはある意味、無機質や幾何学的な印象が強かったのですが、このゲームの登場で、「占領した部分をご褒美グラフィックとして見せる」という、新たなアイデアが生まれたのです。

その後、このシリーズは現代でも続いており、他社からも同様のゲームがたくさん発売されています。

 さて、本家の方はというと、90年に任天堂がゲームボーイ版で移植したあと、95年に「ツインクイックス」という続編を発表(しかもデザインが竹本泉)しました。
しかし、ロケテストで終わってしまったらしいです。
やはり、脱衣モノに人気を取られたのでしょうか?それとも竹本泉のデザインがマズかったんでしょうか?

 その後、僕はスーパーライトシリーズのクイックスを見ただけで、それ以降は止まっています。

 5.ところで、メガドラ版はどうなのよ?

かなり前置きが長くなってしまいましたが、メガドライブ版のヴォルフィードはどうだったかというと、やっぱり結構遊べるゲームだと思います。
ゲームモードが微妙に違う3つのモード(A, P, Qモード)もあり、ちょっとお得だった感じもします。
 また、タイトーだけに音楽を期待していたのですが、残念ながらゲーム中はほとんど音楽がなく、オープニングやゲームオーバーの音楽もさして良いものではありませんでした。

 クイックスを家庭に持ってくるには、ちょうど良いゲームだと思います。
クイックスをプレイしたことのある人や、ちまちましたテクニカルなゲームをやってみたい人には、お勧めできます。
ただ、短気な人にはお勧めできません。
ゲーマーを名乗るなら、一度はクイックスをやるべきです。
ジャンクで箱切なしで買っても十分です。このページの説明を見れば、たぶん初心者だってなんとかなるでしょう。 (ギャラガが縦に移動できないだけで放り投げる人もいるぐらいですから)


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