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ゲーム探検倶楽部ソフト会議 #085
CAL II(PCエンジン SUPER CD-ROM2

購入金額:580円

ゲーム内容

PC-98シリーズなどのパソコンに移植された、同名アダルトゲームを、表現を抑えてPCエンジンに移植。
主人公の「ワタル」は、とある過ちから「時の世界」に閉じ込められてしまった恋人「美加ちゃん」を救うため、美の女神「ヴィーナス」の力(財力)を借りて、「時の世界」を旅する。
「時の世界」はいくつかの世界に分けられており、それぞれの世界で美女に会うというコマンド選択アドベンチャーゲーム。

主人公は何かの「輪廻」の関係により、出会う女の子全てにやさしくしないと、ヴィーナスの怒りに触れてゲームオーバーになってしまう。

PCエンジンの移植にあたり、よりマイルドにし、主人公以外の声をフルボイス化している。

H.Kuwanoの考察・評価

1:家庭用ギャルゲーへの道〜失敗をバネに

このゲームは、元はパソコンのHゲームです。
当時のパソコンで、多分NECのPC9801シリーズだけでなく、富士通のFM-TOWNSやシャープのX68000シリーズでも発売されています。

このゲームを移植しようとしたきっかけは、きっと、こんなことではないでしょうか。

・「このゲームは18禁の要素抜きでも素晴らしい作品なんだ。パソコン版を知らない人や18歳未満の人にも、この良さを分かってもらいたい。」
・「このゲームの女の子はかわいいから、これに声優の声をあててフルボイスにしたら、たまらないだろうな。」

ですが、このゲームには荷が重すぎたと思います。
後者のほうはともかく、前者の目的が達成できず、その策略は失敗に終わったと思われます。
その失敗はこのゲームの中古価格からも分かります。

その後、ギャルゲーの製作者たちは、これらのゲームの反省を活かし、パソコンからの移植にあたっては、全年齢対応やフルボイスはもちろん、オリジナルキャラクターやシナリオの追加、
そして、コンシューマ機オリジナルのギャルゲー製作と発展していきました。
その努力もあって、ギャルゲーは、その存在を多くの人に認められ、家庭用がパソコン版を超えたり、家庭用でも良い作品が生み出されたりもするようになりました。

2: このゲームのテーマは愛、だけれど・・・。

このゲームのテーマは、「」らしいです。
というのも、このゲームは、内容的には「困っていたり絶望していたりする女の子を、ワタルという男のひたむきな想い・愛で救う」というものですが、
あまりにも、一目見ただけで「あなたは前世の恋人だったわ。」とか言って寄られるモテっぷり
ここまで非現実的だと、どうも共感できないですね。
(単なるキャラ萌えの人だったら手っ取り早くていいんでしょうけど)

登場人物の愛らしさとか、守ってやりたい、という気持ちがプレイヤーに伝わるか?
単なるキャラだけのギャルゲーと、一つの作品としてのギャルゲーとの分岐点は、ここにあると思います。

このゲームでもっと作品を良くするため、以下のような工夫があると良かったと思います。

1.一人に付き合う時間をもっと長くする。

なんか次々と女の子を鞍替えしているような気がして、まるでワタルの旅は「女の子食べ歩き」のような状態にも見えます。
容量の問題かもしれませんが、どうも「ぱたっ」と会って「さっ」と帰るみたいです。

たとえば、自分の心境をもうちょっと長く語ったり、別れの記述を僕の冒険の記録みたいに、「そして●●を後にした。」とかじゃなくて、もっと後を引くようにしたりとか、一人一人を印象に残すような工夫をすれば、だいぶ変わると思いますよ。

2.アニメーションや表情の変化をつけ、キャラクターを生き生きとさせる。

IIは確かにグラフィックは良いのですが、瞬きとか口パクとかをする程度で、あまり表情を変えません。
「こんな話泣きながら話すなよ」「この人、いつまでこの顔のまんまなんだろう」と思うこともありました。

ベタな表現ですが、繊細な心理の描写が文章でないのであれば、表情や動きで見せないと、プレイヤーには伝わらないと思います。
旅にしたって、一人より二人、三人で旅をしたほうが見ているほうも面白いし、何よりもキャラクターに対する愛着も沸くでしょう。

IIIは「チェス」の表情がよく変化し、ワタルとしゃべりあっています。
主人公にも声をつけたのは良いと思いますが、ただ残念ながら他がイマイチです。

3: 比較!CALII VS CALIII

評価項目 CALII CALIII
ストーリー 会っただけですぐに惚れられる主人公には共感できませんでした。
逆にキャラ萌えの人にはインスタントで楽ですね。
どっちにしろ、愛が感じられないストーリーだったので、それならば謎解きや漫才の面白いこちらの方が良いです。
システム マップに点在する小シナリオをクリアしていくような感じ。
クリアだけなら早く終わらせることもできますが、全部行ってもIIIのボリュームには勝てないでしょう。
しかもそれぞれの世界には関連性が薄く、物語としてもバラバラなものです。
セーブが一つだけだったり、音声とメッセージがあっていないところもあり、ちょっと不安になりました。
ゲームオーバーをなくし、よりシナリオに集中できるようにしたのは、個人的には正しい選択だと思います。
さらにマップをなくし、一本道にしたのも、
物語を伝える上では正解だと思います。
セーブ箇所も複数選択できるし、前ほど音声とメッセージが合わないということがなくなりました。
グラフィック まるで少女漫画みたいなパッケージデザイン
ゲーム中のグラフィックも、色数は少なめだけどいい感じ。
キャラのアップも多いので、まさにギャルゲーってところかな。
結構アニメーションやお色気もばっちり。
(殆ど瞬きと口パクだけどね)
ただ、文字の表示部分が真っ黒なのが、ちょっと古臭いところ。
なんかグラフィッカー変わっちゃったのかな。
パッケージもゲーム画面も、よりアニメを意識したようなグラフィックに。
しかもアニメーションは殆どなし。
お色気シーンも少なめです。
音楽

なんなんですかこの歌は!
タイトルのBGMもなんか雰囲気にあっていないし、音楽も抜けているような。

決して良いというほどでもないが、曲数が少ない分印象的で、前作よりはよいと思います。

有名声優が出てくるが、主人公だけ声が入っていないという、ギャルゲースタンダード
感情移入させるためでしょうか?
まあ、しゃべっている内容もそんなに面白いものではないけど。

主人公がしゃべるようになり、ファンにとっては良い悪いがあるでしょうが、僕は旅が楽しくなるという点でよいと思います。
難易度 ちょっとした選択肢の誤りですぐゲームオーバーになってしまいます。
「やってやるぞ」というよりは、「なんだよまた長いことデモを見続けなきゃいけないのかよ」と気が萎えてしまいます。
基本的にゲームーオーバーはないので簡単ですが、最後のクイズはオタッキーで難しいです。
チェス度 はっきり言ってゲームの進行役です。
出会うべき3人を教えてくれたり、重要アイテムを拾ってきたり・・・。
他のキャラも同様ですが、印象は薄いです。
そりゃもう、最初から最後までずっといるんですから。
ワタルとの漫才や、喜怒哀楽、頭の悪さ加減を楽しむことができます。
お色気シーンも見れたり出生の秘密も分かったりして、ネコゲー度高し!
レア度 個人的にはIIIよりは見かけることがありません。
でも値段はIIIと同じぐらい。
IIよりは良く見かけられるでしょう。
PCエンジンのソフトを扱っているお店なら2件見れは一つはあるでしょう。
値段 大体580円ぐらい。
IIIも同じ。
こちらも大体580円ぐらい。
総評 キャラクターや萌えな雰囲気を楽しみたいならこちらでしょう。

ストーリーや旅を楽しむなら、こちらでしょう。


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