[演習発表用]文献の集め方

http://park18.wakwak.com/~hibi/html/enshu.htm
日比嘉高研究室
Last update 2022.4.16

 このページは、日比の授業などで研究発表を行う学部学生向けに、「まずはこのあたりが調査のスタート!」という趣旨で作られています。より詳細な調べ方については、さらに発展的なページ「近現代文学研究関連の情報収集」もご参照下さい。

探索の手順

Step1. まずは文献目録を探そう

 自分で調べるのは重要ですが、その前にまずは既存の文献目録があればそれを「踏み台」にするのが早道です。近代日本の著名文学者については、研究文献目録が整備されているものも多いので、まずはそうした蓄積を参照しましょう。

 下記の書籍・叢書には文献目録が付されています。

  1. 昭和女子大学近代文学研究室編『近代文学研究叢書』 附属図書館にあります。各作家ごとに経歴から年譜、著作目録、参考文献などが収録され、数人ずつまとめて没年順に刊行されています(ですから新しい作家は未収録)。この叢書には総目次がなく探しにくいのですが、疋田雅昭さんが検索できるデータベースを作ってくれています
  2. 単行本 として出版された各作家の研究書には、文献目録を付したものがあります。下記に説明する各図書館OPACなどで検索し、内容の注記のところに注目すると文献目録の有無を確認できます(できないこともしばしばありますが)。著名作家については、書誌目録だけを集成した単行図書もあります(日外アソシエーツの『人物書誌大系』シリーズなど)
  3. 『日本文学研究資料叢書』(有精堂)
  4. 『日本近代文学大系』(角川書店)、『明治文学全集』(筑摩書房)
  5. 『国文学 解釈と教材の研究』(学燈社)、『国文学 解釈と鑑賞』(至文堂) しばしば作家の特集記事が組まれました。目指す作家や領域の特集があれば、その中にはたいてい文献目録があります。

 その他、次のような事典や資料集があります。また雑誌『昭和文学研究』のものが近年では代表的ですが、その作家や分野の「研究動向」をまとめたレビュー記事も役に立ちます

  1. 長谷川泉編『現代文学研究──情報と資料』(至文堂)
  2. 『明治・大正・昭和作家研究大事典』(桜楓社)
  3. 昭和文学会の機関誌『昭和文学研究』掲載の「研究動向」が代表的ですが、作家やそのテーマについての研究動向を解説したレビュー論文も、役に立ちます。検索でも出てきますが、次のページに一覧があります。「昭和文学研究 研究動向」(疋田雅昭さん作)

Step2. 研究図書を探す

 図書を探す方法はさまざまありますが、少なくとも以下は当たりましょう。ヒットした文献は、ワープロソフトや表計算ソフト、メモソフトなどに貼り付けて、保存・印刷しておきましょう。必要な情報は、図書の場合は、著者名・書籍名・出版社・出版年(月)です。論文集の場合、論文名・編者名・書籍名も必要です。( )内は不要な場合もあります。

  1. 国会図書館サーチ 日本最大の図書館、国立国会図書館が提供する統合型検索サービスです。国会図書館の蔵書だけでなく、公共図書館の蔵書もヒットします。さらには雑誌記事やレファレンス情報、デジタル資料なども同時に検索できます。
  2. CiNii Books 国立情報学研究所のサービスで、全国の大学図書館・研究所などの蔵書を横断検索できます。所蔵先が調べられるところがポイントです。
  3. 次世代デジタルライブラリ 国立国会図書館のサービスです。現在はまだ「実験的」という位置づけですが、十分以上に使えます。2022年3月時点で23万点の図書資料の全文テキストを検索できます。しかも、検索結果ページの右下のボタン「この資料の全文テキストデータ」から、当該書籍の全文がダウンロードできます。
  4. Google Booksこれも本文の中までヒットします。「書籍の著作権が失効しているか、出版社が Google に許可を与えている場合は、書籍のプレビューを見られます。また、書籍によっては全文を読むことができます。公共利用できる書籍であれば、PDF ファイルの無料ダウンロードが可能」

 さらに図書を探す方法は「近現代文学研究関連の情報収集」を。

Step3. 雑誌論文・記事を探す

 以下のリストのうち、1と2のデータベースで、基本的には90%以上の雑誌掲載の研究論文が見つかるはずです。研究論文以外に検索対象を広げたかったり、PDFで直接ダウンロードできる質の高い論文を探したい場合には、3と4も利用します。
書誌として必要な情報は、雑誌論文の場合、著者名・論文名・雑誌名・巻号・出版年(月)・(ページ数)です。( )内は不要なこともあります。

  1. CiNii Research 国立情報学研究所が提供している統合型学術情報の横断的検索サービスです。研究論文だけを探すときには、「論文」(場合によっては「博士論文」も)で絞り込みます。なお、以前のCiNii articlesは、このCiNii Rearchへと統合されました。
  2. 国文学論文目録データベース 日本文学研究者にとっての超基本データベースです。日本文学(古典も含む)の研究論文が検索できます。CiNii Researchや国会図書館サーチではヒットしない文献も見つかるため、必ず併用しましょう。
  3. 国会図書館サーチ 既述のとおり国会図書館の検索サービス。CiNii Researchの検索結果も中に含みます。本や記事・論文だけでなく、レファレンス情報やデジタル資料も検索対象となります。[記事・論文]だけで絞り込みを行えば、表示する検索結果を限定できます。
  4. J-Stage 国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォーム。近現代文学研究に関して言えば、『日本近代文学』『日本文学』『昭和文学研究』『比較文学』などといった有力な学会誌掲載の質の高い論文が、すべてPDFで手に入るところが大きいです。ただし新しい号が搭載されるまでに時間がかかります。

 さらに雑誌論文・記事を探す方法は「近現代文学研究関連の情報収集」を。

Step4. 全文テキストから探す

ある作家や作品について考えていると、このテーマ/モノ/場所/…などが他の作品でも出てくるだろうか、と調べたくなってくるでしょう。また作家や作品について言及している文献を、より多く見つけたいということもあるに違いありません。
 近年、文学作品本文の全文データも含む、さまざまな書物の全文データの整備と公開が進んでいます。これらを検索するには、次のような方法があります。

  1. 次世代デジタルライブラリ 国立国会図書館のサービスです。2022年3月時点で23万点の図書資料の全文テキストを検索できます。検索結果ページの右下のボタン「この資料の全文テキストデータ」から、当該書籍の全文ダウンロードも可能
  2. 青空文庫 著作権の切れたものと著作権者の許諾のある文学作品を搭載する電子文学図書館。サイト内検索によって、作品本文の横断的な検索が実現されています。
  3. Googleブックス 著作権が切れているか許諾の得られたものについて、本文テキストを横断検索でき、プレビューまで見られます。
  4. Maruzen eBook Library 丸善雄松堂による、学術書籍の電子書籍配信サービスで、全文テキストの横断検索が可能。2022年4月時点で、100,000タイトルのコンテンツがあり、夏目漱石や永井荷風、近松秋江、幸田文ほかの文学全集も含まれています。ただし利用は個人ではできず、契約している大学図書館等で行います。

Step5. その他の関連資料を探す

 研究図書や研究論文ではないけれど、調査や分析に役立つ関連資料を広く集めることは必要です。「近現代文学研究関連の情報収集」の同セクションで、以下の項目について説明しています。

  1. 事典の記述から探す
  2. 文学年表から探す
  3. 同時代の作品評を探す
  4. 同時代の記事を探す
  5. 現代作家の記事を探す
  6. その他の書目などから探す
 

Step6. 大学内を探す

 既存の文献目録、自分で作成したリストをもとに、片っ端から大学図書館のOPACにかけていきましょう。名古屋大の蔵書は各図書室に分散していますが、億劫がらずに見に行くこと。また日比研究室や日本文化学講座、日本文学講座などの書棚にも研究書(OPACに出てこないものもあり)があります。おたずね下さい。

  1. 附属図書館OPACで調べる
  2. 各研究室や各講座の書棚にも関連文献があります。

Step7. 大学外を探す

 名古屋大学の蔵書ですべてがまかなえるわけではありません。「外」の資料をどう集めるか説明します。

別の図書館を利用

  1. 公立図書館を使う。愛知県内の図書館の横断検索サービス、愛蔵くん(愛知県図書館)で調べてみましょう。
  2. 南山大学中京大学など、近隣の大学図書館を利用させてもらいましょう。大学によっては、紹介状が必要な場合もあります。

附属図書館経由で取り寄せる

 附属図書館に頼んで資料を取り寄せてもらうことができます。名古屋大学の所属学生の場合、提携館と費用相殺で、無料で取り寄せや複写が行えることがあります。

  1. 他大学から文献のコピーもしくは図書を取り寄せる

Step8. さらにマニアックに探す

「近現代文学研究関連の情報収集」というページを用意してあります。ぜひ挑戦してみてください。

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