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製作記 (5)主翼パーツの接着

1.通材準備
・リブをつなぎ合わせる木材
  当然軽量化を考えると、これもバルサである必要があります。前回も切り出し方法などを記述しましたが、この角材でリブをつなぎ合わせて形にしていきます。
 本来スリッターのようなもので角材を作り出すのが常套手段ですが、0.5から0.7mmの角材を切り出すのは、スリッターを使った場合、私はうまく切り出せませんでした。この通材もリブと同じくヤスリでサンディングした後水につけて、再サイディングしたものです。翼だけでなく胴体でも使用しますから大量に準備する必要があります。
2.下側の通材とリブの接着
・下翼の接着
 翼の治具を作っているのですが、すぐには使わず、まず最初に設計図に通材を直接置いて、位置合わせをしたのち、両端をセロファンテープでとめて固定します。
この時点は翼の上半角や捻りは無視します。
 私は右利きなので、左からリブを接着していきます。この時、普通ならばサランラップなどを敷くのでしょうが、私の使うボンドはマチ張りにつけて塗るので、実際にサランラップのお世話になることは無いです。仮に紙とくっついても簡単に外れます。
 リブの肉抜きが、この時は非常に有利に働きます。このようにピンセットでリブの縦の部分をつまむことができます。
 そのまま、通材に押し付けると、ニュルっとはさまります。この感覚はなんとも楽しいですね。
下翼のリブを全部接着しました。
・上翼の接着
 下翼と基本は同じですが、上翼はブーメランのように曲がっていますので作成方法が若干違います。
上翼は角度の関係で、右と左を別々に作りました。こうすることで一度に簡単に上翼が作成できます。
上翼のリブをすべて接着しました。
 ちょっと拡大してみましたが、設計図どおりにきれいに収まっています。後は、セロテープで止めている部分をナイフで切断すれば、翼らしい形が出来上がります。この時はまだまだ、リブが折れやすいので注意が必要です。本当に触っただけで折れることがあります。
・この時点での重量
 お決まりの体重測定です。
 上下のリブを下側のみ通材に接着しましたこのときの重量は・・・まだ、0.0gです。この時、リブの肉抜きをしていなかったらいくらぐらいでしょうか?
3.上側の通材とリブの接着
・下翼の接着
 いよいよ治具の登場です。上半角と捻り下げが付いています。
 治具への翼の固定は輪ゴムを使いました。両脇に画鋲をさして、そこに輪ゴムをかけました。丁度ゴムの滑り止めと圧力で翼がきれいに固定されます。また、傷も付きません。
 輪ゴムで固定している中、リブの上側に接着剤をつけていっきに通材をはめていきます。これがまた、きもちいい。ここまでくればちょっとやそっとではリブは折れません。ただし、上から押さえつけられると弱いですが・・・
・上翼の接着
 治具には捻り下げがついています。
上翼は片方ずつ接着しました。ここでもおなじくゴムで固定します。
 片方だけなので下翼ほどすばやく接着する必要はありませんが、てきぱきと通材を接着します。
 同じく、反対側も接着します。気が付いた方もいると思いますが、輪ゴムはこのままでは取り出すことができません。よって、毎回切断しています。ちょっともったいないのですがリブをまたいだ方が翼の固定は安定するようです。
4.前縁と後縁の接着
・前縁と後縁の取り付け
 この作業でリブが固定され、翼にかなりの強度ができます。
 前縁と後縁は治具の上で角度をつけて接着しておき、それをリブの前後に接着していきます。私はこの時、一番端を瞬間接着剤、間を木工ボンドで接着しています。すべてが瞬間だと、きれいに固定しにくいからです。
・この時点での重量
 お決まりの体重測定です。
少しずつハカリのカウントが上がり始めました。ドキドキです。
5.上翼中央の作成
・左側と右側のリブを接着
 上翼の真ん中を接続して一枚の翼にします。
 バルサを半円弧上に切り取り後縁を中心に接着します。これで翼自体が形として出来上がりました。
・バルサのプランク処理
 翼はこの上翼の中心部分の上下のみプランクをします。
 下翼は胴体で固定されますが、上翼はこのプランクによって翼の形状が固定されます。このプランクは可能な限り薄いバルサを使用します。上の板がサンディングした板で、下の板が、1mm厚バルサです。分かりにくいですが、4から5分の1くらいまで削っています。普通に紙のような厚さです。
 プランクした状態でこのようになります。まだ汚いですが後でサンディングして整えます。
   
・この時点での上下翼あわせた重量
 お決まりの体重測定です。
 0.7gです。いよいよ翼らしくなってきました。
6.翼端の接着と仕上げ加工
・翼端の材料
 翼端のバルサを切り出します。このとき、バルサは2mm厚のモノを使いました。
 この翼端は円弧ですので五枚のバルサ板を張り合わせたものから切り出します。そうしないと強度的に問題がありますし、後々の加工も大変になります。
 バルサの上に型紙を貼って剥がせる糊で固定します。十分乾いたら、ナイフで形どおりに切り離します。
・翼端の接着
 翼端を取り付けて、翼を完成させます。
 翼端に接着します。この時、設計図に載っていない細工をちょっとします。翼端をきれいにするためにはこの方法がいいのではないかと思いますが、作られる方は各自で誤魔化して下さい。
   
・この時点での重量
 お決まりの体重測定です。
 さて、ベアボーン状態での翼がほぼ完成しました。0.6gです。両端の不要部分を削除したので少し軽くなりました。バルサでもこの程度の重さで翼は作れるのです。手間はかかりますが・・・サンディングを完了するともう少し軽くなるかもしれませんが、この程度が妥当でしょう。一応首尾翼あわせて1.0gを切れればいいなと思っています。
・翼全体のサンディング
 翼全体を紙ヤスリで整形して翼の形にしていきます。
 さて、ここが一番怖い作業です。紙やすりでゆっくりやっているのはいいのですが、ちょっと手に力が入ってしまうとリブが折れてしまいます。紙貼りをしたらリブが折れることはほとんどなくなるのですが、このあたりはまだまだ危険です。しかし、翼の形になってきて非常に楽しいところでもあります。わたしは、ここでルータを使用することがあります。なぜなら、翼を持つ手に力を入れなくてもいいからです。
7.翼支柱の作成
・支柱の軸を作成
 翼の支柱をバルサを合わせて作成します。
 今までは単純に1.5mmの板を40mm x 3mmに切り出して支柱を作っていましたが、今回は趣向をちょっと変えてみました。1mmの板を40mm x 2mmで二つ切り、その間に3枚の小さな木片を挟んで接着しました。
 その端に支柱の袖になる2mm厚の木片を接着します。
 両側ともに木片を接着したら紙型にあわせてナイフで切って、紙やすりで整形すると右のような支柱になります。
 二機分あるので四本作ってみましたが、ベタな支柱よりもかっこいいでしょう。
・この時点での重量
 お決まりの体重測定です。
 二台分の支柱を乗せてみましたが、重いというほどでは無いようです。意外と強度も十分あるようです。

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