Previous

Back to Contents list

Next

製作記 (3)バルサ材からリブの切り出し

1.切り出し準備
・リブを切り取るために、印刷した設計図
  リブの切り出しに失敗することを考えて設計図には多めのリブを書き込んであります。
この設計図を直接バルサ板の上にのせて切りますので、ナイフで切りやすい紙に印刷するようにします。
   
・カッターナイフ
 一番のお勧めは30度のナイフです。
 凄くよく切れるナイフなのですが、カッターナイフの刃は一番切れる良い状態にしておきます。そうしないと、リブを切り抜くことは無理です。私は100枚のリブを切り抜くときに一本の刃を使い切りました。このナイフに出会うまで、私は1.65倍のピーナッツスケールのリブを切り抜くことすらできませんでした。ある意味、このナイフなしに私のホームページは無かったと思います。高々数百円の品物なんですけど・・・
   
・カッティングマット
 ちから加減を誤るとカッター切れ味がすぐに駄目になります。
カッティングマットを使うときはカッターを持つ手から力をできるだけ抜いて使います。できたら、マットでなく雑誌などの上で切ったほうがナイフの刃の切れ味は長時間持続します。
2.リブの軽量化について
・肉抜き
 肉抜きは軽量化に役立ちそうですが、意外と苦労する割には報われない作業です。と、いうも現時点で既にもうこれ以上無いというくらい軽いバルサを肉抜きするからです。
 リブを全部肉抜きしても1gも軽量化することは難しいです。また、そのために強度がかなり弱くなります。強度を保つために接着剤を使用すると1gの軽量化のために2g増加させてしまうことになりかねません。これでは本末転倒です。そういう時は肉抜きをせずに、ばっさりとリブの数を半分くらいにするのもいいかもしれません。
3.切り出しのコツ
・気長にやる、とにかくよく切れるナイフをつかう

 残りのリブの数を数えながら切り出しをしてはいけません。「今日は3つだけ切り出そう」というようなのんびりした気分が必要です。ナイフを使う前までに気持ちを落ち着けて今日あったいやなことを全部忘れます。そうしてナイフだけに集中します。  
 道具がいいと実力以上にいい結果が出るものです。とにかく、自分にあったナイフを探し、使ってみてください。わたしはペン型のナイフはこのリブ抜きにはあっていないなと思っていますが、人によってはそっちの方がいいという方もいるでしょう。  
・切り出しの順番
 カッターナイフの刃を入れる順番は意外と大切です。
 一度次の順番に切ってみてください。すんなりとリブの肉抜きができると思います。また、この時私はリブに紙を糊で貼り付けません。ただ紙を上から乗せているだけです。
   
・肉抜きが先
 どうしても、一旦、ナイフの刃をいれるとリブをバルサ板から取り出して肉抜き部分のくりぬきなどをしがちですが、ここは我慢して、バルサ板にはまった状態のまま肉抜きを先にやってしまいます。
 可能ならば通材用の溝のくりぬきもそうしたほうがいいです。理由はやってみるとわかりますが、肉抜き部分にナイフが入るとナイフの分だけリブに対して外側へ圧力がかかります。この時、バルサ板が反対側にあると、相殺する力が働きますが、これがないとリブは圧力によって割れます。
4.切り出し完了
・リブの切り出し
  このようにして、時間をかけ切り出しますが、ピッツS2Aはリブが47枚根気よくやるしかありません。
 飛行を重視した場合はリブは間引いてこの半分くらいまでやってもいいと思います。今回は、かなり比重の軽いバルサだったので、切り抜きは大変かと思いましたがほとんどミス無く切り取ることができました。このリブがうまく翼になればかなり軽い機体ができる可能性があります。通常はこのまま翼を接着して組立てていくのですが、今回は胴枠まですべて切り出してからまとめて接着していきます。
 実際にリブを切ってみるとすぐに折れそうで意外と折れないことに気が付くと思います。これが通材によって接着され、和紙を貼られることで非常に強度をもった翼ができます。一つ一つは非常に弱いのですが、木材と紙の特性により弱い部分をお互いに補完しあうことにより、十分な強度を持つ翼になります。
5.通材の切りだし
・通材
 設計図では通材について一切触れていませんがこの時、リブ用の通材も切り出します。
胴枠に対する通材も同じものなので、同様にします。私の場合は必要に応じて切るので何本必要か考えたことがありません。通材のサイズに関しては厚みと同じ位になるように目見当で幅を決めています。この通材を切り出すときは下図のように必ずバルサの途中から途中までナイフで切ります。端から切り出しはしないようにします。そうでないと角材が細すぎるために切っている最中にバルサがナイフの厚みに負けてどんどん反っていくことになり、いい通材を切り出すことができません。そして、必要なだけの通材をきったら「残す」の部分にナイフを入れてばらばらにします。基本的に0.6mm x 0.6mmの角材となりますが、多少強度なども加味して作りますので、ここの角材はリブに比べてしなりのある固めのバルサ(比重が重い)を使います。

Previous

Back to Contents list

Next