' Who's Who in Wodehouse' by D.H.Garrison 1989
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ジーヴス・シリーズ5冊目。 文章は難しい。「マクベス」のセリフをさりげなく織り込んであったり、英語圏読者には、笑いを誘う表現がばらまかれているのだが、私は筋を追うだけでやっと。こんな文章を一体どんな風に訳しているのか気になり始め、図書館に森村たまき訳『よしきた、ジーヴス』の予約を入れた。(続く)
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P.G.ウッドハウス 森村たまき訳『よしきた、ジーヴス』国書刊行会 皇后のご発言に端を発した「ジーヴス・シリーズ熱」は下火になったのだろうか?図書館に予約した本は待つことなく届いた。原作はあと2章残っていたが、そこを翻訳で読んでみた。日本語だとあっという間に読めてしまった。そして、それほど違和感はなかった。 今日、英人Pさんに会った時、文中のある女性一人だけが、the Bassettとthe が付いているのか尋ねたら、彼は、笑い出して、これがWodehouseのうまいところで、Bassett(姓)の者はたくさんいるが、読者が想像できるある人を指すのだという。私にはそのおかしさが理解できなかった。翻訳でもこのtheは無視されていた。 改めて、読み残しの原文、最後の2章を読んでみると、筋が頭に入って所為か、すらすら読めた。私程度の英語力の者は、翻訳と原文、両方読むと良いのかもしれない。P/G |
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The Code of the Woosters by P.G.Wodehouse 1938 この本を電車で読んでいて、2度乗り過ごしてしまった。次の駅が小さな駅だと向いのホームから引き返せば良いのだが、大きな駅だと階段の上り下りが伴う。! cow-creamarってなんだろ?日本人には馴染みがない。銀製のウシ型のクリーム入れなのだが、これをコレクションの対象としている人がいる。ダイア叔母さんのバーティー・ウースターへ命令はこれを獲得することにある。一方、旧友グージーから、結婚寸前に破綻が来そうだとSOSが来る。ページをめくる毎に、新しい展開があり、いくつかのプロットが絡み合いながら進む。上流社会の、いづれも強烈な個性を持った面々が、繰り広げる椿事。作り話と知りつつドキドキさせられる。最後、込み入った難題を、ジーヴスの知恵で見事大円団に持ち込む手際も見事なもの。 問題は英語が難しい。Jeevesシリーズでは、殆どが主人のバーティー・ウースターの語りによってなされているが、その語り口は、第一次大戦以前の口調だと言われる。大げさな、持って回った言い回し、故事、詩の引用など、その表現自体が、英米の人には面白らしい。ジーブスの馬鹿丁寧な応答、登場人物の言葉遣いそのものが、作品の魅力なのであるが、英語話者でない我々にはわからない。翻訳ではこの面白さは消えるのであるが、森村たまき訳は、逐語的に丁寧に訳されており、訳注も大いに役立つ。例えば、Sidney Cartonという名が出てくるが、これが、[ディケンズの『二都物語』の登場人物。愛する女性のために夫の身代わりとなって処刑される。〕という訳者の注がなければ、会話が理解できない。 このシリーズの面白さの一つは、主人公ウスター・バーティーの人柄にある。金持ちのボンボン、気はいいが、少し抜けたところもある。しかし、なんといっても、友情に厚く、友達、親戚の期待に全身で応えていくところに、得も言えぬ爽やかさがある。ウースター家の掟は"Never let a pal down" |
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