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  カルロ・ロヴェりの「時間は存在しない」「世界は関係で出来ている」など、現代物理学の最新の知見に興味のある人は
「死は存在しない」という下記の本も抵抗なく読めると思う。

田坂広志『死は存在しない
   
最先端量子科学が示す新たな仮説』 2023
 

  

  
   田坂広志『死は存在しない
   
最先端量子科学が示す新たな仮説』 光文社

  タイトルは過激ですが、科学信仰の延長上の話として、順序を追って話しているので、分かり易く、面白く読めた。

  「ゼロ・ポイント・フィールド」という仮説をもとに、これまで不思議とされていた多くのことを解明して行き、死後の世界についても述べていますが、そのカバーする範囲の大きさにに愕きます。
 私はこの著者の本は初めてですが、渾身の力作ではないかとと思います。死を思う人だけではなく、科学者、宗教家にも強く訴えています。

主張のポイント

 「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」とは、一言で述べるならは、この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が「記録」られているという仮説である。 p116

  この仮説によって、科学で解けなかったさまざまの問題が説ける。死後の世界の問題もその一つ。

 ・・・・・  キーワード・メモ  ・・・・・

この世界には「物質」は存在しない。すべてが「波動」である。
波動情報はすべて「ホログラム原理」で保存される。

「現在の波動情報」から「未来の波動情報」が分かる

意識の「五つの階層」
  表面意識、静寂意識、無意識、
  超個的意識、超時空的意識

科学信仰
  唯物論 物質還元主義、要素還元主義

科学の限界
  複雑系
  物質の消滅
  説明できない不思議
    自然定数の奇蹟的整合性
    量子の絡み合いと非局在性
    ダーウィニズムの限界
    生物に帰巣能力の謎
    神経の伝達速度と反射運動の謎

  意識発生の謎

  体験する意識の不思議な現象
    視線感応,以心伝心、予感、予知、占い的中、
    既視感、シンクロニシティ

  ポジティブな想捻、引き寄せ
  死後の世界、前世の記憶、輪廻転生

 超高速の「情報探索」が可能

  臨死体験、幽体離脱、故人との交信、背後霊、転生
  生まれ変わり、

ゼロ・ポイント・フィールドに繋がる方法
  祈禱、祈願、ヨガ、坐禅、瞑想

現実世界(自己)と深層世界(自己)

情報貯蔵庫から宇宙意識へ
 記録から記憶へ

ゼロ・ポイント・フィールドと宗教的英知
  唯識思想・阿頼耶識  「アーカーシャ」の思想

  後半は死後の世界が中心、

 「自我」は消えて行く。
 「私」を忘れ「すべて」を知る。 臨死体験
 「愛一元」 「すべては一つ」
 祈りと故人

 地球意識、 ガイア理論

 複雑系 自己組織化 双発 生命

 宗教との繋がり、

イリア・ブリコジン『混沌からのっ秩序』自己組織化

138億年をかけ、成長し続ける「宇宙意識」

 宇宙意識 個別意識の発生 宮澤賢治の詩

「私」とは「宇宙意識」の夢

 神、仏、天。宇宙意識、真我は一つ

 「世界は、あなたであり、あなたは、世界である」
 三界唯心所現

 一瞬の夢  夢から覚める

 「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」の文献
   アーヴィン・ラズロー『想像する空間』
   リン・マクタガート『フィールド』」

 科学と宗教の梯、

 死を考える人への呼びかけ、

フィールドから「降りてくる」 体験

 (いちいち拾いあげていませんが、宗教、心理学、ニューエイジ、などの言及しているので、色々な立場の方が読んでも面白いと思う。)


  2023・5・13 改

 

〇この本の中心となっているの「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」は、アカシャの記録に極めて近いが、これについては野口さんがとりあげて20年前話し合っている。
アリスとチェシャ猫の対話154

〇今、唯識の勉強をしているので、本書の範囲と重なる所が沢山ある。唯識の識を「波動」または「ゼロ・ポイント・フィールド」と読み替えれば同じことになるのではないか?

〇本書では、「空間真空」「ゼロ・ポイント・フィールド」の科学的(学術的)説明は殆どなされていない。

〇この本を死に関する本と考えない方が良いと思う。死という切り口から、この世界観に入るのが果たして良いか?



〇孔子のに対する態度。

子路が死について問うた時;孔子曰く

「未だ生をしらず、いずくんぞ死をしらん」
  先進第十一、12
 
祈りついては、
  孔子の病がひどい時、子路が祈りたいと言った対し、
 「丘の祈ることひさし」」と
  述而第七 24