Eさんの読書会から | Topへ | |
シェイクスピアを読む会でご一緒のEさんとは帰り路、時々ご一緒になる。電車の中でわずか10数分であるが、Eさんの属している、他の2つの読書会(翻訳グループ?)の話をお聞きするのが楽しみである。そのご縁で読んだ本をここに集めます。 Hhaled Hosseini Susan Hill Muniel Spark Barbara Pym |
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The Kite Runner by Hhaled Hosseini Eさんからある読書会で読んでいると聞いて、一体どんな本だろうと手にしたら、思いもかけぬ良質の小説らしい小説だった。 一口に言って、ある男の成長の物語であり、その間、友情、裏切り、父子関係、出生の秘密、アフガニスタンの政変、ソ連侵攻、タリバン政権、人種問題、アメリカへの移民など、小説技術をうまく織り込んで表現され、感動を呼ぶ。 作者が移民者でありながら、その英語語彙の幅は広く、加えて、時々ペルシャ語が出てくるので、佐藤耕士訳『カイト・ランナー』(アーチストハウスパブリシャーズ 2006)を辞書代わりに使って読んだ。原文より見事な訳が出てきて驚いたりもした。例えば: 私には無縁だったアフガニスタンも少し身近なものとなった。 |
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A Bit Of SINGING AND DANCING by Susan Hill 本好きのEさんが貸してくださって読んでいるのだが、ちょっと変わった味わいの短編集です。 |
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A Bit Of SINGING AND DANCING by Susan Hill (その2) 11篇の短編を収めるこの本には、老弱男女様々な人が登場する。男性では、男の友情を描いた「Ossie」が完成度も高く、女性作家がよくぞここまで書けたものだと感心した。女性も、少女の頃の回想や介護施設の老人を含めると、その幅も広いが、その中で、彼女たちが自由(自立)を自覚するシーンが所々あって、目を引いたので、紹介しておきます。 ちょっとモームに似た味わいのあるこの作品集は十分楽しめた。 上記引用の作品名①In the Conservatory ② How Soon Can I Leave ③ A Bit of Singing and Dancing ④The Peacock (写真はKindleから) |
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The Woman in Black by Susan Hill クリスマス・イブに、暖炉の前で、一家団欒の時、怪談話をするのが慣わしだという。皆がそんな話で打ち興じている中で、私だけが怖い話をすることができない。クリスマスが終わったら、私は書くことによって、悪魔祓いをしなければならないと思う。 先に読んだ短編集A Bit Of SINGING AND DANCINGは彼女29歳の作でその筆力に驚いたが、このThe Woman in Blackは彼女41歳の作。僻地の沼地に立つ館という特殊な環境を、易しい文章を重ねながら、リアルな世界を構築する力はすごい。子犬を登場させて、それも光っていた。 |
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Selected Stories by Muriel Spark これも本好きのEさんが貸してくださったもの。小ぶりのペーパーバックに4編の短編が入っており、各編とも語り口がうまく、楽しめ、ちょっと奇妙な味わいがあった。 邦訳:ミュリエイル・スパーク『バン、バン!はい死んだ』木村政則訳あり、③以外は翻訳で読める。 |
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