『耽美桐葉舎』 『BRAN NEU ROSES』 合同特別企画 |
夕日vsミドリ 初対談 『 愛を語ろう!』 |
文章&イラスト&企画構成: 辻 桐葉 & たかみ |
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対談の前――――夕日と翠、二人が初顔合わせ。 |
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夕日: あ、いや、そこまでは……。ト、トイレでは一応手でいかされちゃっただけで、最後までちゃんとしたのは、僕もベッドの上だったけど……。その……出会った日に彼のお兄さんのマンションに連れていかれて、それでその……初Hでした。 【イ】悟: (顔色を失ってる)そ、そうだったのか……。 翠: ねえねえ、夕くん? 初めて入れられた時ってどうだったぁ? 僕さぁ、すっごく痛かったんだよー。それにちょっぴり怖くってさ、それで思わず泣いちゃったら、朔弥ったら気持ちが良くって泣いてるんだと勘違いして、勝手に一人で感激してんだよー。そーんな、気持ち良くって泣くわけないじゃないねー? 夕日: ア、アハハハ……アハハ(言葉もなく赤面しつつ笑っている) |
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(一次中断。五分ほど休憩の後、再び三人そろって再開) 【イ】悟: あー、すいません、話止めてしまって。えー、それじゃ次の質問に移りたいと思いますー。次はぁ……(悟くん、質問表を見て絶句の末、硬直) 夕日: どうしたの、悟? なに固まってるのさ? どれどれ? (彼の手から用紙を取って)……うわ、これ話すのォ? ほんとにぃ? 翠: え、なあになあに? んーと……『今までで一番良かったHについて聞かせてください』。やだぁー、そんなの聞かれたって―、いっぱいあるからわかんないよー。ねえ、夕くん? |
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翠: すっごーい! 夕くん、3回もいっちゃったのぉ? すごぉい。僕なんて2回が最高だよー。そんなに気持いいことされちゃったわけ? いったいどんな風にされたの? 教えて教えて! 夕日; いや、どんな風にって……別に特別なことされたわけじゃ……(真っ赤になって動揺する夕日)、ただ座ってしたりとか立ったままで指入れられちゃったりとか……。 悟: ふううぅぅぅぅ……! (悟くん、本日二度目の大出血) 夕日: あ、悟ったら、しっかりして! スミマセーン、誰かテイッシュと冷たいお水くださーい! (バタバタと走りまわるスタッフ一同。辺りは慌ただしい雰囲気に包まれる。必死に看病する夕日。おろおろしてる翠ちゃん、水の入ったコップを持って歩いて、こけて転ぶ。座談会場は一次騒然とした雰囲気に……) |
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――――十分後 とりあえず落ち着きを取り戻したところで、夕日と翠ちゃんのH対談再再開。しかしインタビュアー悟くんはそのままリタイアのため、二人だけで話を進める。 夕日: えーっと、悟がいろいろとお騒がせしました。ごめんなさい。対談を続けたいと思います。――んーと、さっきはどこまで話したんでしたっけ? ……あ、そーか。今度はみどりちゃんのお話を聞く番でしたっけね。というわけで、みどりちゃん、『今までで一番良かったH』はなんですか? 翠: あ、僕? はい、えーとね、えーとえーと……どれもすごく良かったからわかんないですー。 夕日: (ガクっとこける一同)……んー、まあ、そうかもしれないんだけど(苦笑) あえて一番っていうの、ない? 翠: うーん……(考えている翠ちゃん)あ、そーだ。あのねぇ、前にちょっと朔弥と喧嘩しちゃったことがあるんだ。それでいつもはすっごく優しいのに、その時の彼ってなんか怒ってて、いつもよりちょっぴりだけど乱暴にされちゃったの……。僕やだって言ってるのに無理矢理されちゃって、初めて後ろから入れられちゃって……それでー、怖かったけどなんか……感じちゃったの。体ががくがく震えるくらい気持ち良くってぇ、あ、別に後ろからされるのが好きって言ってるんじゃないよ―!(赤くなって言い訳する翠ちゃん)でもねぇ、感じちゃったんだもん。なんていうか、新鮮!って感じ? 夕日: アハハハ、新鮮って……みどりちゃん、倦怠期の夫婦じゃないんだから(笑) 翠: ケンタッキーな夫婦? それって新鮮な方が美味しいの? 夕日: アハハハハハ(爆笑している夕日)あ,ごめん,笑っちゃって。でもなんだかいいなあ、みどりちゃんたちって。僕んところなんて、喧嘩したら本当に険悪な雰囲気になっちゃうもの。みどりちゃんたちみたいに、いつもほのぼのしてるのって羨ましいよ。 翠: ほのぼのぉ? そうかなぁ? 僕は夕くんたちのほうがカッコイイと思うけどなぁ。なんか大人って感じ? 朔弥のほうが篤志くんよりずっと年上なのにねぇ。 夕日: ……ねえ、ちょっと聞いてもいい? みどりちゃん、朔弥くんが初めて? 翠: 初めてってHのこと? うん、そう(ちょっと頬を赤らめ)夕くんは? 夕日: あ、僕もそう。 翠: お互い初めての相手ってことだよねぇ。ウフフフ。 夕日: ウフフフ。 夕日&翠: ウフフフフフフ。 (二人して顔を見合わせて笑っているので、スタッフが横から先を促す。慌てて対談に戻る二人) 夕日: んーと、これが最後の質問ですよね? 『受けについてどう思う? 受けで良かった?』 ええっ? これ、どーいうことですか? 翠: 受けって、入れられる側のことだよねぇ? 夕日: か、かな? どう思うって言われても……どうもこうもないんだけど。み、みどりちゃん、どう思う? 翠: 僕? 僕は朔弥が可愛がってくれるから、今のままですごくいいよぉ。朔弥,とっても優しいし,Hだって上手だから、いっぱい感じちゃうもん。それに受けってあんまり動かなくていいから楽だし。ねえ、夕くん? そう思わない? 夕日: う、うん、まあ。なんか女の子になっちゃったような気分になることもあるけど……。たまーにイニシアチブ取りたいなって思うことはあるかな。 翠: イニシアチブってなあに? 夕日: え? うーんと、つまり主導権って言うか。 翠: ええっ、夕くん、もしかして篤志くんを攻めてみたいとか思ってるのォ? 夕日: へ? えええっ! ま、まさか。そんなこと考えたこともないよ(耳の先まで赤くなる夕日) 翠: あ、そーなの? 僕てっきりリーバイスってやつかと思った。知ってる、リーバイス? 攻めも受けもする人のことなんだって。僕この間朔弥に教えてもらっちゃったの。 夕日: ……みどりちゃん、それを言うならリバーシブルじゃない? リーバイスってジーンズのメーカー……。 翠: あ、あれ? テヘヘヘヘ(赤くなって頭をかいてる翠ちゃん) 夕日: ……でもぉ……本当に「入れる」ってどういう感じだろうねぇ? ちょっと好奇心はあるよ、僕。 翠: んー、僕もどんな感じかなーって思うことはあるけど……でもやっぱり僕、入れられるほうがいいなぁ。だって……(下を向いてもじもじしながら)とっても気持ちいいじゃない? 入れるのってサ、ようは口でやられてるのと同じでしょ? お口より後ろにされたほうが、僕すごく感じちゃうもん。夕くんは? 夕日: え? ……(真っ赤になって)ま、まあ、僕もそれは、そうだけど……。でも一応男と生まれた以上、一度くらいは入れる感覚ってのも知りたいかなぁ、なんちゃって。 翠: じゃあ、篤志くんに頼んでみたら? 一回だけさせてって。 夕日: (目をまん丸にして驚く)ええええっ! で、できないよ、そんなこと! それに篤志になんて……やだ。 翠: じゃあ誰か別の人とする? 夕日: うーん、それもなんだかやだなぁ。うーん……(ちょっと真剣に悩んでる夕日くん。ふと顔をあげ)ねえ、僕みどりちゃんとなら、ちょっといいかな? みどりちゃん、僕とじゃだめ? 入れさせてくれないかなぁ?(真面目な顔でずずいっと迫る夕日) 翠: ええーっ! ちょ、ちょっと待って、夕くん。そんな、僕、突然そんなこと言われたって心の準備ってもんが……。え、え? ど、どーしよう? あ、あのさ、夕くん、し、親戚同士でそういうことしていいの? 法律でだめなんじゃないの? そ、それに僕、朔弥に怒られちゃうし……。それに篤志くんにだって悪いし……。えーと、だけど……夕くんのことは好きだし……あーん、どうしよう……。朔弥ぁ。クスンクスン……。 (果てしなく動揺のすえ、とうとう泣き出してしまった翠ちゃん。夕日、顔色を変えて慌てる) |
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夕日: わ、ごめんごめん! 嘘嘘、冗談だってば、みどりちゃん。泣かないでよ。ゴメンねー、みどりちゃん。 翠: ……もう、夕くんったら。(涙を手の甲でぬくいながら、唇を尖らせる翠)ひどいよー。 夕日: ごめんねー。だってみどりちゃんって、なんだか可愛くってさ、つい苛めちゃった。ごめん(笑) 翠: もう。苛められるのって夕くんの専売特許じゃなかったっけ? 今度篤志くんに会ったら、言いつけちゃうからね、僕のこと誘ったって。 夕日: わ、それだけはやめて(笑) でもさ、みどりちゃんって本当に朔弥くんのこと好きなんだ。一途なんだねぇ。 |
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次々と帰っていく夕日と翠ちゃん。残ったスタッフらも、後片付けを始める。 その中、部屋の隅に寝かされていた悟が一人、顔にタオルを乗せられてうなっていた。 悟: ……うーんうーん、俺の夕日がぁあ。うーん、さっさと手を出しときゃよかった―。ううううーん……。 こうして二人の初対談は無事に終了したのであった。――――
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またまたしょーもないものを作ってしまいました(笑) |
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というわけで……