YEW冒険譚

繰り返される悪夢

第零夜 蘇る闇


1.発端


 それは、ただの偶然だった。

 一条の稲光が一本の巨木を打ち砕いた。
 巨木は轟音と共に倒れ伏す。
 そこにあったものも巻き込んで…

 …それが発端。
 朽ちた巨木の間に飛び散った石片の意味を知るものは、今はまだいなかった。





2.闇の声


 声が聞こえる。
 遠く…かすれた声。
 男か女かもわからない。

 ただ…感じるのは狂おしいまでの苛立ち。


『何故…全て……そう…それならば代わり…』



 別の声も聞こえた。
 感じるは恐怖、そして悲哀。


『…お願い、誰か…止めて。 お願い……助けて…』


 声は混ざり合い闇へと消えた。

 無数の怨嗟のうめきと共に…





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