1.ボクシングに格闘ゲームのテイストをプラス
本作は美少女キャラにボクシングをさせるという、ちょっとミスマッチなゲームです。
それは次に置いといて、外見に似合わず操作は複雑です。
方向キーとボタンでアッパーやストレート、ボディ、フックを使い分けます。
ガードは上段と下段があり、さらに自動的に回避してくれるスウェー、さらにダッキングなどがあり、ボクシングゲームらしくいろいろな技があり、操作は少々複雑です。
しかし、そんな操作の説明の中に「おやっ」と思うものがあります。
それは、各キャラクターに備えられた「必殺技」の存在です。
固有技のパンチのような、そんなものだと思っていたのですが、プレイ中の操作説明を見ると、まるで格闘ゲームのコマンドのようになっており、高速なコンボが繰り出されるのです。
さらに、まるで格闘ゲームらしく、3人目から必殺技を連発してきます。
ガードに不慣れな初心者はここが壁になります。
これは厳しいです。
しかし、格闘ゲームとは違い「スタミナ」というパラメーターがあり、動いたりパンチを繰り出すと減っていき、必殺技を使うと大幅に減ります。
減ってしまうとダウンしたときの復帰に時間が掛かったり、動きが鈍くなったり、スウェーが失敗したりします。
ダウンを狙うなら、体力よりもスタミナを減らした方が勝ちやすいというわけです。
この辺はボクシングゲームです。
なのですが、やっぱり格闘ゲームの要素を混ぜたのはちょっと失敗だったのでは? と感じました。
2.何故美少女キャラがボクシング?
そもそもなんで可憐な美少女キャラにボクシングをやらせようとしたのでしょうか?
以下、僕の推測であり、事実と異なっても責任を負えませんので、ご了承ください。
まず、発売元のメーカーが、シンプルシリーズの名キャラクター「双葉理保」を売り込むため、いろいろなジャンルのゲームに登場させたいという思惑があったと思われます。
これまでも、麻雀ゲームやテニスゲームに登場させていました。
開発元のメーカーとしては、「ボクシングゲームの続編が作りたかった」のかもしれません。
この開発元は、以前にシンプルシリーズでボクシングゲームを出しています。
プレイしたわけではないのですが、画面構成が本作に似ています。
コマンドによる必殺技を追加し、もうちょっととっつきやすくしたものを考えていたのかもしれません。
または、「双葉理保を登場させるゲームを作れ」と指示があり、制作期間や費用を考えた結果、そうなったのかもしれません。
いずれにせよ、すでに土台があるので、開発にもそうコストはかからないでしょうし、発売元としても既存のゲームにプラスする形で悪くはないと思ったのでしょう。
開発元、発売元、二つの思惑の折り合いがついたところで、本作が発売されました。
多分、多くのユーザーはきっと題の通り、困惑したことでしょう。
3.パッケージイラストに騙されるな!
本作のパッケージイラストでは、本シリーズを代表するキャラクター「双葉理保」の2次元イラストが描かれています。
水着でボクシンググローブをはめてアッパーを決めているポーズは、「ラブ麻雀」と同じタッチのイラストになっています。
しかし、このゲームをはじめると、そんな2次元イラストは一枚も出てきません。
タイトル画面ですらそのような絵が出てこない状況に、「こりゃ、パッケージで騙された人が結構いるんじゃないか?」と思ってしまいました。
一方、「双葉理保」をはじめ美少女キャラは全てポリゴンで3D表現されていますが、それほど魅力的には感じられません。
妙にこってりした感じのする顔立ちと肌に、正直僕はなぜかお腹がいっぱいな感じになりました。
一方KGRさんはなぜか「この魔剣XみたいなBGMやめろ!」と困惑していましたが。
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