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改正建築士法の質疑・応答について実務者関連部分を抜粋

(財)建築行政情報センターが作成した改正建築士法の質疑・応答
改正建築士法のQ&A(平成20年7月10日版)を建築士実務について関連部分を
当方広報委員会で要約しました。
既に業務を行っている建築士の方に特に必要な情報に絞った情報提供をすることが目的であり、
詳細は(財)建築行政情報センターの改正建築士法の情報ページを
http://www.icba.or.jp/kenchikushiho/を参照お願いします。

なお、改正建築士法全般はコチラにまとめています

平成20年11月4日に重要事項等の内容をその後公布された政省令や1級建築士の処分基準の改正も踏まえて
Q&Aが発行されています。詳しくは建築業性情報センター改正建築士法サイトまで    <コチラをクリックすると該当のPDFへダイレクトリンク>

[建築士制度見直しの施行スケジュール]

○改正建築士法は平成20年11月28日から施行。<再委託の制限・重要事項説明・定期講習等が新たに義務づけられる>
○平成21年5月27日以降に構造設計、設備設計がなされた一定の建築物については、
構造設計一級建築士、設備設計一級建築士の関与が義務づけられる。

[定期講習]
○建築士事務所に所属する一級/二級/木造建築士及び全ての構造設計/設備設計一級建築士に対しそれぞれ、定期講習の受講が義務付けられる。
○事務所経営に専念し、所属建築士として登録されていないのであれば、定期講習の受講が義務はないが、
当該建築士は、設計・工事監理等の業務を「業」として行うことはできない。
○当該建築士は、設計・工事監理等の業務を「業」として行うことはできない。
○日常的に建築士の資格を活用して業務を実施していない場合であっても、建築士事務所に所属する建築士として登録されている場合は、
建築士として設計・工事監理等の「業」を行うことが可能であることから、定期講習の受講が必要。
○行政職員、大学教授、建築とは異なる分野の会社に勤務する方など、建築士事務所に所属しない建築士は受講義務はない。
但し、近年の法改正の状況や技術革新の状況を把握するため、可能であれば受講することが望ましい。
○定期講習は3年毎に受講義務があり、具体的には定期講習を受講した年度から3年後の年度内に受講する。
定期講習を受講する義務は、建築士事務所に所属する建築士自身にあり、受講についての案内は、国や都道府県から連絡することはない。
建築士が自覚して、自主的に受講をすることが建築士の責任となる。
○定期講習を受講しない場合、直接の罰金や罰則はないが、
建築士法違反であり、受講を促す注意を何度行っても受講しないような悪質な建築士については、
建築士法違反として懲戒処分の対象となる。
○改正建築士法が施行されると、建築士名簿は閲覧対象となり、
建築士名簿に定期講習の受講歴が記載される。
建築主等は建築士名簿を通じて、建築士の講習受講状況を把握することが可能となる。
○定期講習は、登録講習機関が実施する。
登録講習機関は複数機関が、登録される可能性もあり、どの機関の講習を受講しても建築士法上の取り扱いに差が生じることはない。
○定期講習の内容は
建築基準法・建築士法等の近年の法令改正の内容等、最新の建築技術、建築物の事故事例、職業倫理等に関する講義(5時間)、
○×方式の修了考査(1時間)があり、修了考査に合格しなかった場合は、再受講が必要。
○建築士事務所の業務の適正な運営等を図ることを目的とする団体の指定され、
その法定団体が研修を行うが、定期講習とはその目的・位置づけが異なり、
建築士会や建築士事務所協会等が実施する研修を受講したとしても、
定期講習や管理建築士資格付与等の講習の受講が免除されるものではない。
(この項は[団体による自律的な監督体制の確立]より)

[再委託の制限等]

○改正建築士法第24条の3第1項(再委託の制限)が新設され、建築主から設計・工事監理業務の委託を受けた建築士事務所の開設者が、
当該業務を建築士事務所の開設者以外の者に再委託することを禁止する規定である。

○改正建築士法でいう「設計・工事監理」とは、改正建築士法第2条第5項及び第7項に定める設計・工事監理をいい、
補助業務を再委託する場合についてまでも禁止するものではない。

[重要事項説明]

○作成する設計図書の種類、工事監理に関して工事と設計図書との照合方法や工事監理の実施状況に関する報告方法、
担当する建築士の氏名等、報酬の額及び支払いの時期、契約の解除に関する事項等が挙げられます。
詳細は今後省令に規定。

○重要事項説明を行うのは、極力、建築士事務所の技術的事項を総括する立場にある管理建築士が行うことが望ましいですが、
所属する建築士が重要事項説明を行うことでも問題はないが、実際に設計等を担当する建築士が説明を行うなど、建築主に対し的確に説明が行えることが必要です。
但し、その業務を実施できる資格を持たない建築士が説明を行うことは不適切であると考えられる。
(例えば、2級建築士が1級建築士でないと行えない業務の重要事項説明をするのは不適切)

○重要事項説明については、建築士事務所同士の場合も行う必要はない。

○重要事項説明は.建築士事務所と建築主の間で締結される設計又は工事監理の受託契約であって、
平成20年11月28日以降に契約が締結されるものについては、重要事項の説明が必要となる。

[業務報酬基準見直し]

○業務報酬基準(昭和54年建設省告示1206号)については、今回の一連の建築士制度の見直しに併せて、見直しを行う。
○建築主が容易に理解できる業務報酬基準体系とすることを基本的考え方として、
標準業務・追加業務の見直し、標準的な業務量を定める略算表の見直し等を行う予定。
○現在、建築士事務所業務の実態調査に基づく整理を行っており、改正建築士法が施行される平成20年11月28日を目途に告示の見直しを行う予定。