新海誠(2)       (1)へ  Topへ
   「君の名は。」以外の作品。新海誠展  

  
 
2016年12月3日

新海誠のアニメ作品 Makoto Shinkai’s Anime 

アニメ映画「君の名は」を見て、Pさんと『小説 君の名は。』を読むにあたって、新海誠の他のアニメ作品を見ておこうと、ツタヤで、DVD2枚選んでカウンターへもって行くと、レジの女性が、今、4枚400円というサービスがあるから、もう2枚持ってきなさいと言った。結局4枚の新海誠作品を借りて帰ることになった。
① 「ほしのこえ」Voices of a Distant Star2002年 ②「秒速5センチメートル」5 Centimeters Per Second 2007年 ③「星を追う子ども」Children Who Chase Lost Voices2011年 ④「言の葉の庭」The Garden of Words2013年
感想の一部を書いておくと「ほしのこえは」は2度見たが2度とも途中で眠ってしまった。宇宙ものは私には合わないのかもしれない。特典映像で白黒の短編「彼女と彼女の猫」というのがあって、ここでも雨のシーンが多用されていた。「秒速5センチメートル」は、桜の散るスピードがタイトルに取られているのだが、若い二人の恋物語の中に流れる、様々の時間を映像化したもので、細微な描写、瞬時を切り取った映像、虫の音をはじめとする環境音、音楽・・・私は俳句的な、日本的な美意識を感じた。「言の葉の庭」は雨の新宿御苑を主な舞台に繰り広げられる、男子高校生と女性の出会い。公園の雨の描写がとても美しい。その背景には、大都会としての東京の雑踏があり、電車の音、BGM、主題歌・・・十分堪能させてくれた。「星を追う子ども」を最後に見たのだが、宮崎駿のアニメと作画もストーリーも一脈通じ、異界と行き来が主なテーマということになるのだが、盛りたくさんで力作アニメ作品であった。
いずれのも映画館で見るのと違って、DVDには、監督や出演者のインタービューなどの特典映像がついていて、作品の味わいを深めてくれた。
私もそうだが、アニメをあまり見ない中高年の方にも、一度ご覧になる事をおすすめします。画像や音楽がとても美しく、それが我々の持っている美意識の延長線上にあり、懐かし風景や光景にめぐり合うことになるし、作品によって我々の感覚がリフレッシュされ、例えば、空や建物や電車を見る目も変わってくる。


----------------------------------
 
  • Toshiro Nakajima アニメも一見の価値ありですね。楽しみにして年の瀬を過ごします。
  • 宮垣弘 アニメには文章とも実写映像とも異なった強い表現力あることを新海誠の作品で改めて感じました。彼の作品の多くが、実写データーをベースにアニメ化しているので、その違いがハッキリします。「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」がその好例です。
    • Toshiro Nakajima 大いなる可能性を示唆していただきありがとうございます。アリス物語のアニメ化はいかがでしょうか?
    • 宮垣弘 私は原アリス派で、後の映画、アニメ作品、その他派生物にはあまり関心のない方ですが、ディズニーや、ティム・バードンでも分かるように、アリス物語は、将来とも、アニメ作品の格好の対象となり続けることでしょう。(言葉遊び、ノンセンスが上手く表現できないという弱点がありますが・・・・)
    • Toshiro Nakajima 「言葉遊び、ノンセンスが上手く表現できないという弱点がありますが・・・・」そうなのです、まさにこの点がもっとも気がかりです。なんとかクリアできないものでしょうか?
    • 宮垣弘 連続的な映像では表現が難しいと考えています。この点に関しては、アニメより漫画、絵本の方が表現し易いと思います。
  • Yoko Takeda 両方とも大好きな作品です。新宿御苑の作品は特にすきでした。
    君の名はより静かな時を感じます。
    • 宮垣弘 雨:新海誠の主要なモチーフですね。新宿御苑ではアルコールは持ち込めないことなっているのですが、女の先生は缶ビールを飲んでいます。私も一度やってみたい。
    • Yoko Takeda そうなんです。アルコールは御苑はだめなんですよね。
      御苑は良く行く場所なのですが、季節溢れてとても素敵な場所です。
      女性がいた場所も実際にある場所ですよね。

      あの頃から、描写が新宿のビルなども素晴らしく、君の名はになると、パワーアップしていますね。
 

   

  
   
2017年11月25日

新海誠展

疾風怒濤のような引っ越しの忙しさを乗り越えて、少しずつ新居に馴染みつつあります。新居は、徒歩2分の圏内に目黒駅があり、その周りに、生活に必要なサービスは殆ど集まっています。例えば食料品なら、東急ストア、プレッセ、ザ・ガーデン、目黒市場、コンビニ、酒屋があります。それで、この一週間はこの圏内で過ごしました。引っ越しの片付けは進んでおりませんが、今日は息抜きに、新国立美術館まで足を延ばしてみました。
「新海誠展」は土曜日とあって、若者でにぎわっていました。アニメーションの制作過程が要領よく展示されており、使用しているソフトウエアも示されているので、専門の人にも参考になるのではないかと思います。私は、彼が日常的風景(空、雲、雨、街角、電車、踏切、ビルの景観・・・・)を光源を的確い意識して細部まで表現しているのが好きで、彼の美意識は日本の伝統を引き継いでいるように思います。
また、この所、Pさんと、新海誠がアニメを制作しながら書いたという小説『君の名は。』を読んでいるので、彼に興味があります。この展示からも、全体として、新海誠の創作エネルギーは大きなものがあると感じました。

  • Jenny Woolf I like this film very much
  • 宮垣弘 This exhibision shows very well how Shinkaia Makoto has created his animes.
    There are many storyboard, drawings,image boards and so on.
    I like his expressions of the ordinary Japanese life and landscapes.


 

  
   2919年?月

天気の子

新海誠は、雨の描写、パロラマ的空の表現に優れているので、期待して見た。その点は期待を裏切らなかったが、全体としては、「君の名は」に比べ、感動が少なかった。
それは、シナリオがやや陳腐で、作画のレベルが少し落ちたように思う。
大雨が降り続き、東京も水の下に沈んでいくエンディングは、巨視的であるが、観念的だと思った。