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   多くの動物は、心を読めるのではないか?
 

  
 

Dewey   by Vicky Myron with Bret Wiier

〔邦訳は『図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語
              ヴィッキー・マイロン、羽田詩津子訳〕

 アメリカのアイワ洲は冬は寒く、1988年1月18日月曜日、スペンサーの町は前夜-15度に下がっていた。朝、館長のヴィッキーさんが、図書館へ来てみると、本の返却箱に子猫が捨てられていたのである。後で分かったことだが生後6週間だか、その時は8日も経っていないように見えた。震える子猫をぬるま湯で温め、洗い、乾かしてみると、灰色に汚れていた子猫は長毛のオレンジ色の雄猫だった。これが、この本の主人公デューイである。

  その素晴らしい性格により、館員、来館者、地域の人々に愛され、図書館、地域の活性化ともなり、名声は広く、海外にもおよぶ程になる。
日本からも映像化のスタッフが来る。その時のことに一章が割かれている。天寿を全うし、世界中から惜しまれて、遺骨は子供図書館の窓の外に葬られている。

 なぜ、これほど、デューイが愛されたかと言うと、人を信じ、愛し、心も読めるネコだったからである。このことは人にとっても大切なことを全編通じて教えてくれたからである。

 もう一つ忘れてはならないことは、著者の自伝的エピソードが、巧みに織り込まれていていることである。アルコール依存の夫と離婚、一人で娘を育て、病魔、乳がんなど、身内の不幸も含め様々な困難な境遇を乗り越えていく様子が、天使のようなデューイの生き様とコントラストをなして、作品を陰影深くしている。

 アイオワの社会、経済や図書館のことも知ることが出来た。

 私はデューイには会ったことないのだが、何時までも心に生き続けることだろう。

   英語の難易度は普通。何度も辞書を引いたが、それも読書の愉しみ。ネット上、本人を含む朗読も聞ける。
Storytelling for Adults, with Vicki Myron & More - Bing video

  2021・9・8