Dr. Seuss  Topへ
   イラストと韻律のある言葉が混然一体となった幼児用の本。日本に同様の本があるのか知らない・・・  

  
   

Dr. Seussの絵本、The Cat in the Hat など

ノンセンス(文学?)を追っているうちに、ドクター・スースDr.Seuss(1904-1991)に行き当たった。
彼の絵本は、面白い挿絵、美しい韻律、ノンセンスさの3拍子揃っていて素晴らしい。字の読めない幼児から、主として低学年の子供向けの絵本が44作品あるようだが、幸いにも港区図書館は多く原書を持っており、楽しむことが出来る。
私の関心は二つ。
第一は韻律。彼のどんな簡単な絵本にも、リズムや韻がある。Tongue Twisterなどもあって、お母さんが読んであげるにしろ、子供が読むにしろ、音の調子、響きを感じるようにできている。
第二はノンセンスさ。韻律を強調すると、自ずと中身がノンセンスになるのであるが、その選択には不思議な力が働いている。
英米の子供が、物心付く前から、母親から、マザーグースやドクター・スースなどによって、母語の韻律とノンセンスの感性を学ぶようで、大げさに言えばこれが文化伝承の基盤となるのである。
  日本も多くの絵本が出ているようだが、日本の今のお母さん達は、この点で、どんな絵本を選択しているのだろうか?(とても気になる)
-----------

Rieko Oki ドクター・スース原作のアニメで、次の論文を書く予定です!


宮垣弘 Rieko先生、 良い論文ができますように!
つぶやき
① Hooray For Diffendoofer Day ! は彼の遺稿を基に、詩人Jack Prelutskyと絵本作家Lane Smithによって完成されたものですが、これは、逆に、ドクター・スースの特質を知る良いきっかけとなった。
② 同書はキャロルのAAIWの9章、海の中の学校の影響がある。詩形もキャロルの愛用するタイプで書かれている。
③ 彼の作品の映像化作品は知らないが、そこで何が失われるか、を知りたいもの。


Rieko Oki びっくり仰天の原作であります! 詳しくは今度♡

竹内 美紀 スースは日本ではそれほどではないですが、アメリカでは今も絶大な人気です。それにしても、タンタンに続き、だんだん児童文学にシフトした感じが・・・ 報告を拝読するのが毎回楽しみです。
宮垣弘 Professionals and confessionals: Dr Seuss and Kenneth Grahame
by Clifton Fadimanという論文があります。
私の好きなThe Wind in the Willowsの作者Kenneth GrahameとDr Seussを対比して論じた7頁ほどのエッセイだが、面白かった。前者がどこか憂いを含むのに対して、後者が底抜けに明るい理由が、その経歴などに触れながら上手く述べられていた。
両作家を考えるのに一つのヒントを与えてくれる。
Only Connect - Readings on children’s literature ed, by Egoff, Stubbs and Ashley  Oxford University Press 1969 に収録


 













  
   

Dr. Seussの絵本 その2
言葉の命、リズムと響き、弾むよう韻律を子供に伝えようするのがドクター・スースの絵本である。
まず、言葉ありきである。言葉には音と意味があるが、まず、音を先行させて、言葉の躍動感をあらわす詩を、物語を、時にはtongue twisters(早口ごとば)を作る。これを文字に表すだけでも結構面白いのだが、字の読めない子には無意味。そこで、意味の分かるようにするのだが、絵本なのである。リンゴ、またはappleという文字が読めなくても、リンゴの絵ならわかる。ABCブックでも分かるように、絵は意味を伝える最大の武器である。音を先行させるとそこに、意外な、ノンセンスさが生じるのであるが、それを絵にして見せることこそ、ドクター・スースの真骨頂である。その自由な発想に仰天する。
ドクター・スースの子供たちに呼びかけているものは、言葉の律動の習得だけではなく、思考の自由さで、ナンセンスな世界で自在に遊んで欲しいということである。
”Oh Say Can You Say?”や”Oh, the THINKS You Can Think ! “と呼びかけるのである。
(ドクター・スースの絵本はたくさん翻訳されているようだが、見たいとは思わない。
本来の言葉の響きを訳せないからである。挿絵の面白さはそれだけでもあるのだが・・・)

 



   
冒頭の記事(2016年9月19日)を葛飾区図書館の読書クラブに投稿したら、こんな反応があり、なるほどと思った。

東原 とりこ
この記事を読ませて頂き、
日本のお母さん、欧米のお母さんの
絵本を選ぶポイントが少し違うな…
と思いました。
日本のお母さんは、絵本によって
我が子に道徳、心の優しさを
教えようと頑張ります。
欧米のお母さんもその点では同じだと
思いますが、そのノンセンスさ…
そこに込められた意図を
想像力を駆使して、
子供に感じ取ってもらう。
その点では、日本の絵本は
ダイレクトに、
「お友達に優しくしましょう!」
と伝えていますね。
とにかく自分の頭で考えることを
最優先する欧米の教育と
日本の教育の差を感じますね。
私は児童英語の講師をしています。
かつての教材にマザーグースも
ありました。
日本人の子供にマザーグースを
伝えることの難しさを
痛感したものです。

宮垣弘
東原とりこ様
実体験の基ずく貴重なご意見ありがとうございました。追って、私のHPにも収録させていただきます。マザーグースの面白さが分るのは、日本人には、かなり年をとってからですね。私の場合、中年すぎてからやっと味わえるようになりました。

    2023・9・20

 


私のマザーグース・コレクション