エリオットのキャッツ  Topへ
  ミュージカル「キャッツ」の元の作品はT.S.Eliotのものであることは意外と知られていません。  

  
   
2019年11月30日

Old Possum's Book of Practical Cats by T.S.Eliot 1939  ( (1982版)
同書:池田雅之訳『キャッツ―ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(ちくま文庫)

漢文の勉強の中,中国人には本名の他に字(あざな)があるという話から、猫にも3つの名前があるという話がPさんから出た。ミュージカル「キャッツ」の原作ともなったT.S.Eliotの詩にそれがあると言う。
本を取り寄せてみると、冒頭の章がTHE NAMING OF CATS で、猫には3つの名前、つまり、日常使う名前、威厳ある名前、猫同士しかわからない秘密の名前と必要とあった。そして、個性的な猫たちが次々と登場する。

この作品は、立派な韻律を持つ滑稽詩で、子供向けの詩といわれれるが、ノーベル賞詩人エリオットの詩らしく、造語や蘊蓄が込められていている。私には、ちょっと難しく、翻訳と訳注を頼りに読んだ。リアやキャロルのノンセンス詩、マザーグースと同様の、ノンセンスな可笑しさがある。
全54頁、半分はエドワード・ゴーリーの挿絵で、十分楽しめた。
翻訳の方についているニコラス・ベントリーの挿絵も素晴らしい。
この作品はネットでも読め、Youtubeで朗読も聞けます。

T.S.エリオットもゴーリーも猫好き。猫好きのあなたもどうぞ!

  • Rieko Oki 左のバージョン、私も持ってます! エリオットを研究対象としていらっしゃる先生のお授業で紹介され、新宿の紀伊国屋でこのバージョンを買って辞書を引きながら読みました。猫は9回生きるというのも、そのとき学びました。
  • そんな毎日をすごしているうちに、なんとミュージカルになるんだって!という情報が流れ、じゃ、みんなで行きたいね!となり、学校の英文学会の行事にしようよ!と提案し、先生がた&学生たち、ぞろぞろみんなで行きました。
     宮垣弘 素晴らしい体験ですね。翻訳も数種あって、それなりに面白いです。
  • 清水 英之 これって、エリオットの作品なんですよね!あの暗い詩を書いた!