高瀬 鴻 マックス・ピカートの著作の話題が提起されて、驚き、また懐かしさがこみ上げてきました。佐野先生には2回生の時、ドイツ語を習いました。テキストはアツプレヒト・ゲースの短編で「ウクライナ戦線でピアニストの兵士が負傷し、腕を失ってしまった。ピアニストのしての将来を失ってしまった不幸に戦友たちは如何慰めていいのか苦しんでいた。その時その兵士は『僕は作曲を始めたのだ』と戦友に語る。それを聞いた戦友たちの間では絶望的な状況の中でも希望を失わない生き方に感動し、猛烈に説教的な空気が生まれた」というような筋書きで、大変感動した記憶があります。ピカートの本では先生から「われらのうちなるヒットラー」の言う著作を紹介戴きました。早速は吉田界隈の書店で買い求め、必死で読みました。このヒットラー現象は3回生の時、猪木先生の「ヒットラー独裁の成立過程」の政治史講義を聞くときの背景を理解する上で大変参考になったように記憶しています。