神谷美恵子 (1914-1979) |
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なぜ、神谷美恵子の本を読むことになったのだろうか? ジョセフ・キャンベルを読んでいて、生き方についての話題が沢山出てきたからかもしれない。 『本、そして人』の「生きがいの基礎」を読んで、ついで、『生きがいについて』に収録の「『生きがいについて』執筆日記」を読むと、生きがいというテーマに、著者の並々ならぬ熱意と努力で完成したことを知ったことから、本文を全部読んでみようという気になった。 改めて本を注文したら、夕方には配達された。 2023・8・28 |
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神谷美恵子『生きがいについて』 神谷美恵子 コレクション 2004年 2015年11刷 初版は1966年 この本は、らい診療所、愛生園の患者の生きがい問題に端を発し、生きがいとは何か?から始まるのだが、なんと、岡潔、ベルハーレン、ベルグソン、ジュール・ルナール、パールバックなどなど、内外の多くの知見を踏まえている。だが、なんといっても愛生園のらい患者の話が、重く、尊い。 生きがいとはなにか? 生きがいの失うとどうなるか? 生きがいを取り返すには? 10.「心の世界の変革」は、所謂、回心、悟りの分野を扱ったものだが、精神科医が扱うとこうなるのかと興味深い。 神秘体験の特徴として、 1.特異な直観性 2.実体験 3.歓喜高揚感 4.表現の困難 人間の存在論にまで手ださない。宗教書とは異なる。 最後に、そのような回心の後、どう、元の世界に戻るか、に至る。 私は、アドラーの「共同体感覚」など、思い浮かべながら、読んだが、抽象論に走らず、著者の地道な探求に、心打たれた。 なんといっても、愛生園の人たちとの、生の交流から生まれているので、他に類を見ない、心に響く、生きがい論となっている。 本書に登場する人たちのように、身体的、環境的にも絶望的で、生きがいを失いかけている人は、身近に多くいる。他人事ではない。 座右に持っていて良い本だった。 2023・12・13 改 |
この本には 神谷美恵子 コレクション の付録が付いていて 、「自著『生きがいについて 』を語る」と心の世界の 心の世界の 心の世界の いう、神谷美恵子と島崎敏樹の対談が掲載されている 。彼女の 初期の 様子が よく 分かって 興味深い 。 らい病(ハンセン病)については、巻末に編集部が、簡潔な解説を付けている。 |
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