George Eliot | Topへ | |||||
私の知人のうち、2人がジョージ・エリオットのファンであったので、読みたいと思う作家の一人である。 | ||||||
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2015年8月9日 Silas Marner by George Eliot 1861 友に裏切られ、失恋し、偏屈な男となったサイラス・マーナーが孤独の生活の中で貯め込んだ金貨を盗まれるというところまで読んで、この小説を長い間放置してあったのだが、ふと、続きが読みたくなって再開した。後半は、地主の館で繰り広げられる歳末の宴会の場面。一方、サイラス・マーナーの所には金髪の女の子が現れる。雪に残されたその子の足跡をたどると、その母親が行き倒れている。サイラスは、その子供を連れ、医者を求めて地主の宴席に闖入する。女性は既に死亡していて、サイラスは、その金髪の子を、金貨の代りとして、いつくしんで育てる内に村人とも馴染んで、人間らしさを取もどす。・・・ 地主、息子とその妻、村人、様々な人間模様や風物を丁寧に描きながら、物語の緊張を作りだしていく力量は素晴らしい。 登場人物の心理や考え方を細密に描き出す彼女の筆法は、息の長い文体と共に、慣れると一種の快感を呼ぶ。美味しい言葉が多く、しみじみと味わい深い終局も持つ名品であった。 研究社の、豊田實が130頁以上の語注のある本を使った。(「英文学叢書」? 初版1921年、1948年版を使用)岩波文庫の土井治訳も参考にして読んだ。いづれも、頭の下がる労作であった。 youtubeで、1985年の映画を見たが、原作の何分の一しか表現できていなかった。会話、心理描写の素晴らしさは、小説でないと表現できないものだということが分かる。 |
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Alice in Tokyo 読書の愉楽・私の書評より |