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セリフ集その2



「ぼくは…あそこに見える星じゃあなくて」「もっと遠い もっと見えないところに光ってる 小さな… 小さな……」  「遠い星をかぞえて」/庄介おじさん

こういうたたみかけるようなネームこそ、岩館真理子の真骨頂といえるでしょう。
ふたみを引き取るために直談判に来た庄介おじさんは、事情を知らずにとびこんできた彼女のせいで話を中断される。帰り道、おじさんは電車の中で夜空を見ながら思いをはせます。


「きょう天気いいね」「あしたも天気かな」  「遠い星をかぞえて」/卜部くん

男性キャラの中でも私は卜部くんがかなり好きです。彼は要するにこのセリフのような人なわけです。
ひょんなことから知り合ったふたみちゃんと彼は喫茶店に入るものの、会話は続かない。途切れた会話を埋めるように、窓の外をみてこんなことを言う卜部くん。
このあとひとコマ置いて、「笑っちゃいけない…」と横を向いて耐えてるふたみちゃんが面白い。


「お母さんには お父さんがいて いいね」  「遠い星をかぞえて」/ふたみちゃん

上記のデートの途中、卜部くんは「用事があるから…」と言って帰ってしまった。
(これはバイトのためなんだけど、中学生のふりをしていた彼は理由を言えなかったというわけ)
お隣の詩郎くんは、ガールフレンドが行けなくなった映画を一緒に観にいかないかなんて誘ってくるし。
そんなこんなで「もう一生独身でいよう」と考えるふたみちゃん。このへんいかにも14歳の女の子らしいです。
で、上のようなことをふと思ったりもする。
でっぷり太ったお母さんとMr.オクレのようなお父さんですが、それでもやっぱり誰かがいるってのはいいもんだなと。ほんとはオトナにもいろいろ事情があるんですが。


「あたし… バレエって興味ない…」  「遠い星をかぞえて」/ふたみちゃん

卜部くんはいい人だけど、あまり気は利かないようです。
ふたみちゃんとのデートなのに、たまたま会った彼女の友達も一緒に映画に誘ってしまうんだから。
しかも、その友達が出るというバレエの公演チケットをもらって「一緒に行かない?」とふたみちゃんに聞いてくる。ふたみちゃんでなくてもこう答えるしかない。


「どいつもこいつも…」  「きみは3丁目の月」/日野誠

日野くんは、昔3丁目に住んでいた男の子。
せっかく転校生として戻ってきたのに、ルツは彼のことを思い出す様子がない。
日野くんには妹がいるのだが、彼女がまた一人で病院にも行けない甘ったれ。ちょっと叱ると泣いて飛び出していってしまう。
で、それを彰が追いかけようとすると、今度はルツが彼にすがりついて離れない。
この様子を目の当たりにした日野くんがつぶやくのが上の一言。


「もしかして…神様はまだあたしを見はなしていないかもしれない…」「彰以外にもこんな人がいたなんて」「でもね…彰は今あの子に夢中だけど… いつかまたあたしのところに…」 「きみは3丁目の月」/ルツ

「少しはおれのこと頼ってくれたりしてもいいだろうが」と日野誠に盛大な告白をされた上、おんぶして病院まで連れて行ってもらったルツ。
帰り道、彼の背中に揺られながら、これまでの心配事がウソのように心が晴れ晴れしてきます。
日野くんの良さに初めて気付いたにもかかわらず一秒後には彰に思いを寄せるあたり、なんとも女の子らしくて面白い。

(01/07/17)