XML入門
XML(eXtensible Markup Language)はHTMLと同じ技術を基盤としており、インターネットに必要な情報管理に着目して設計されています。XMLを習熟するには一筋縄ではいかない部分もありますが、今後のXMLの普及度合いを考えると、必須の知識と言えるでしょう。ここでは、XMLの基本的なことについて、簡単に考えてみましょう。
XMLは、見た目はHTMLとよく似ており、タグ、属性、値を使います。しかし、XMLはWebページを作成するための言語と言うより、他の言語を作成するための言語(メタ言語)と言えます。XMLを使って独自の応用マークアップ言語を作成し、その言語を使って文書の書式を設定します。作成した応用マークアップ言語は、正式にXMLアプリケーションと呼ばれ、その中のデータについて記述するタグを含みます。
XML文書をブラウザで表示するために使用するテクノロジーは、XMLだけではありません。
XMLファイルには表示したい情報を書きこみますが、この他に、その情報を実際にどのように表示するのかを指定する「スタイル」が必要です。
また、 XML文書は、どのようなタグを使用するかを指定する「スキーマ」に従って書かれます。XMLブラウザ上に表示する情報を書きこむ言語
DTD最も基本的なXML文書の情報の書き方(スキーマ)を指定する言語
XML Schema
スキーマを指定する言語の一つ。DTDよりも高機能。
XSLT
XML文書をHTMLファイルなどに変換するための言語XPath
XSLTで、XML文書の各部を指定するための言語。
CSS
XML文書を表示するための書式(スタイル)を指定するための言語
XLink
XML文書で、特定のファイルやその一部分へのハイパーリンクを指定するための言語。リンク先を指定するのにXPointerを使う。
Xpointer
XML文書で、特定のファイルやファイル内の一部へのハイパーリンクを指定するための言語。Xpathを拡張したもの。現時点では、XML文書をブラウザで表示するために最低限必要なものは、XMLとCSS、またはXMLとXSLTです。
XMLとCSSを使う場合は、表示したい情報そのものをXMLで記述し、表示する際に使う書式をCSSで指定します。つまり、XMLファイルとCSSファイルの2つを作成することになります。作成したXMLファイルとCSSファイルとを関連付けるためには、XMLファイル内にCSSを指定するURLを記述します。後はブラウザを使ってXMLファイルを開くだけで、タグを除いた内容がCSSフォーマットに従って表示されます。
XMLとXSLTを使う場合は、表示したい情報をXMLで記述し、その情報の変換方法をXSLTで記述します。つまり、XMLファイルとXSLTファイルの2つを作成することになります。XSLTファイル内では、XML文書内から新しい文書に取り出す情報を指定するために、XPathを使います。XSLTは、ブラウザ上での表示方法を指定する言語というだけではなく、XMLを他の形に変換するための言語です。ただし、表示を目的とした場合、一般的にはXMLを従来のHTMLに変換します。このように表示を目的としている場合は、最近ではXHTMLが使われるケースが増えてきています。
作成したXSLTファイルを使ってXMLファイルを変換するには、XSLTプロセッサと呼ばれるツールを使います。