データベースと連携したWebページを作成する為の基礎知識
データベースと連携したWebページを作成するには、Webサーバーやデータベースなど必要なソフトウェア環境を準備する必要があります。ここでは、Dreamweaver XM でデータベースと連携したWebページを作成する為の基礎知識と必要な環境について説明します。
データベースとWebページを連携させると、データベースの内容をWebページに表示させることができます。この機能を使うと、一旦データベースを表示する為の枠組みさえ作ってしまえば、データベースの内容を変更すると、自動的にWebページを更新することができます。また、商品の購入や管理を行うページ等のように、Webページ上から操作を行ってデータベース自体を更新する機能を持たせることが可能です。このようなページは、オンラインショップの紹介や購入用のWebページなどに使われています。
データベースと連携したWebページを作成する場合は、プロバイダのホームページスペースを利用するのではなく、自分でサーバー用のパソコン等を用意して、サーバーを構築する必要があります。また、インターネットに常時接続できる環境が必須になります。
ここでは、既にサーバーの構築が完了しているところから説明していますので、サーバーの構築に関しては専門の書籍等を参考にしてください。
なお、プロバイダによってはデータベースと連携したWebページを設置することができます。
Dreamweaver MX でデータベースを利用したWebページを作成するには、サーバーのパソコンに4つのソフトウェアをインストールしておく必要があります。
■ Webサーバー
Webサーバーは、ブラウザからの要求に応じてファイルを処理するソフトウェアです。HTML文書や画像などのファイルを蓄積しておき、ブラウザの要求に応じて、これらのファイルを送信します。代表的なWebサーバーには、Microsoft Internet Information Sercer(以下 IIS)、Netscape Enterprise Server、iPlanet Web Server、Apache HTTP Server などがあります。■ アプリケーションサーバー
アプリケーションサーバーは、ユーザーからの要求をデータベースなどの業務システムに橋渡しする為のソフトウェアです。プログラムの実行環境やデータベースへの接続機能、複数の処理を連結するトランザクション管理機能などを持ち、業務の処理の流れを制御する機能(「ビジネスロジック」という)を実装しているのが特徴です。
代表的なアプリケーションサーバーには、Macromedia ColdFusion MX、Macromedia JRun、.NET Framework、PHP、IBM WebSphere、Jakarta Tomcatなどがあります。
Microsoft の IIS および PWS Webサーバーは、ASPアプリケーションサーバーの機能を備えています。Dreamweaver MX では、「ColdFusion」「ASP .NET」「ASP」「JSP」「PHP」の5つのサーバーテクノロジー(アプリケーションサーバーが実行時に動的ページを処理する為の技術)をサポートしています。サーバーテクノロジーによって、使用できるアプリケーションサーバーが異なるので、アプリケーションサーバーを選択する際には注意が必要です。例えば、「ASP」サーバーテクノロジーを使用してWebページを作成する場合、アプリケーションサーバーには「Microsoft IIS/PWS」または「Sun Chili! Soft」を使用する必要があります。
サーバーテクノロジー アプリケーションサーバー ColdFusionMacromedia ColdFusion MX ASP .NET.NET Frameworkを使用する IIS 5.0 以降 ASPMicrosoft IIS/PWS、Sun Chili! Soft JSPMacromedia JRun、IBM WebSphere、Jakarta Tomcat、BEA WebLogic PHPPHP Server Dreamweaver MX では、アプリケーションサーバーでサポートされている言語を知らなくても、データベースと連携したWebページを作成できます。しかし、より高度な処理を行う場合は、言語の知識が必要になるので、サポート言語についてもアプリケーションサーバーを選択する際に考慮した方が良いでしょう。各アプリケーションサーバーで使用できる言語は、以下の通りです。
アプリケーションサーバー 言語 Macromedia ColdFusion MXCFML .NET Frameworkを使用する IIS 5.0 以降Visual Basic、C# Microsoft IIS/PWS、Sun Chili! SoftVBScript、JavaScript Macromedia JRun、IBM WebSphere、Jakarta Tomcat、BEA WebLogicJava PHP ServerPHP データベースと連携したWebページは、アプリケーションサーバー・Webサーバー・データベースが連携して処理を行います。このため、アプリケーションサーバー・Webサーバー・データベースのそれぞれがソフトウェア的に対応しているか考慮してシステムを構築する必要があります。
■ データベース
データベースは、データを管理する為のソフトウェアです。データベースと連携したWebページを作成するには、データベースとDreamweaverを接続する必要があります。 Dreamweaver では、MySQL、Microsoft Access、Oracleなどのデータベースシステムに接続することができます。■ データベースドライバ
データベースドライバは、アプリケーションとデータベースを対話できるようにする為のソフトウェアです。データベースドライバのインターフェース規格には、ODBC(Open Database Connectivity)、OLE DB(Object Linking & Embedding Database)、およびJDBC(Java Database Connectivity)の3つがあり、それぞれを使用するアプリケーションに対応したインターフェースのデータベースドライバが必要です。
■ IIS と Access を使ってデータベースと連携したWebページを作成する際のシステム構成
全体のシステム構成は、次の通りです。
OS Windows XP Professional 以上 Webサーバー IIS アプリケーションサーバー IIS(ASPアプリケーションサーバー) データベース Access データベースドライバ Micorosoft Access ODBCドライバAccess用のデータベースドライバ(ODBCドライバ)は、Microsoft OfficeおよびWindows(Me/2000/XP)と同時に自動的にインストールされます。また、MDAC(Microsoft Data Access Components)2.5/2.6/2.7 のパッケージをインストールするときにもインストールされます。MDACのパッケージは、MicrosoftのWebサイトから無料でダウンロードできます。
※ なお、IISやAccessなどのセットアップ方法については、各ソフトウェアのマニュアルやヘルプを参照してください。
ここでは、次のような流れでデータベースと連携したWebページを作成します。
- データベースのデータを格納する為のレコードセットを作成する
- データベースのデータを表示するテーブルを作成する
- 1ページに表示するレコードの件数を設定する
- 前後のレコードに移動する為の機能を追加する
- レコードの総数と現在のレコード数を表示するカウンタを追加する
- 詳細データを表示するWebページを作成する
- 詳細ページへのリンクを設定する(データをクリックすると詳細データが表示されるように設定する)
- データベースと連携したWebページをブラウザ表示して確認する