(社)日本建築家協会近畿支部 法令 業務情報 TOPへ戻る 法令業務情報へ戻る
法令等の内容は作成時点ものですので、その後、改廃されている可能性がありますので、行政機関等にご確認お願いします。
住宅の増改築等の工事を行った場合の贈与税額の計算の特例に係る租税特別措置法施行規則第23条の6第5項第1号イからハまでに規定する国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類に係る建築士の行う証明について
平成13年に租税特別措置法が改正され、住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例に増改築等工事への資金贈与に対して一定の要件で特例措置が講じられるようになりました。(租税特別措置法第70条の3第5項)標記の同法・施行令において、協議が行われ、申告に必要な増改築等工事の証明書を建築士が行うことになっています。
増改築工事の設計・監理の依頼者から同証明書の提出の依頼を受けた場合は下記事項に留意して行ってください。
(ここまでの文章は平成13年6月5日付けの国土交通省の告示を要約しました。なお、住宅資金贈与の特例等については税務署や税理士に確認下さい)
記
1.贈与税額の計算の特例の適用を受けられる増改築の工事等について
贈与税額の計算の特例の適用を受けられる増改築等の工事は、国内で行われるもので、次に掲げるものであることにつき規則で定めるところにより証明がされたものである。
(1)増築、改築、連築基準法第2条第14号に規定する大規模の修繕又は同条第15号に規定する大規模の模様替(令第40条の5第8項第1号)
(2)一棟の家屋でその横造上区分された数個の部分を独立して住居その他の用途に供することができるもののうちその者が区分所有する部分について行う次に掲げるいずれかの修繕又は模様替((1)に掲げる工事に該当するものを除く。)
1)その区分所有する部分の床(建築基準法第2条第5号に規定する主要構造部(以下「主要構造部」という。)である床及び最下階の床をいう。)の過半について行う修繕又は模様替(以下「床の過半の修繕又は模様替という。) (令第40条の5第8項第2号イ)
2)その区分所有する部分の主要構造部である階段の過半について行う修繕又は模様替(以下「階段の過半の修繕又は模様替という。
(令第40条の5第8項第2号イ)
3)その区分所有する部分の間仕切壁(主要構造部である間仕切壁及び建築物の構造上重要でない間仕切壁をいう。)の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替(その間仕切壁の一部について位置の変更を伴うものに限る。)(以下「間仕切の過半の修繕又は模様替」という。)
(令第40条の5第8項第2号ロ)
4) その区分所有する部分の主要構造部である壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替(当該修繕又は模様替に係る壁の過半について遮音叉は熱の損失の防止のための機能を向上させるものに限る。)(以下「壁の過半の修繕又は模様替」という。)(令第40条の5第8項第2号ハ)
(3)家屋((2)の家屋にあっては、その者が区分所有する部分に限る。)のうち居室、調理室、浴室、便所その他の室で国土交通大臣が財務大臣と協議して定めるものの−室の床又は壁の全部について行う修繕又は模様替((1)又は(2)に掲げる工事に該当するものを除く。) (令第40条の5第8項第3号)
なお、平成13年3月30日国土交通省告示第461号により、令第40条の5第8項第3号の規定に基づき、家屋((2)の家屋にあっては、その者が区分所有する部分に限る。)のうち居室、調理室、浴室、便所その他の室で国土交通大臣が財務大臣と協議して定めるものとして、居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関及び廊下が定められている。
2. 増築に該当するか否かの判断基準について(令第40条の5第8項第1号)
別棟の建築物について、増築に該当するか否かは次の判断基準に基づいて判断するものとする。
増築に該当する別棟の建築物とは、既存の建築物と一体でなければ生活を営めず、単独では住宅としての機能を有しない建築物をいう。
3.修繕又は模様替に該当するか否かの判断基準について
(令第40条の5第8項第2号)
修繕又は模様替に該当するか否かはそれぞれ次の判断基準に基づいて判断するものとする。
(1)床の過半の修繕又は模様替
床の過半について行う修繕又は模様替とは、居住者が行う修繕又は模様替に係る床面積が、一棟の家屋のうちその者の区分所有する部分の床の全床面積の過半であることをいう。
(2)階段の過半の修繕又は模様替
階段の過半について行う修繕又は模様替とは、居住者が行う修繕又は模様替に係る水平投影面積が、一棟の家屋のうちその者の区分所有する部分の階段の全水平投影面積の過半であることをいう。
(3)間仕切壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替
1) 間仕切壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替とは、居住者が行う修繕又は模様替に係る壁の室内に面する部分の壁面の水平投影長さが、一棟の家屋のうちその者の区分所有する部分の間仕切壁の室内に面する部分の壁面の全水平投影長さの過半であることをいう。
2) 遮音のための性能を向上させるものとは、新規に次の遮音性能を有する材料を使用し、かつ、そのための適切な施工がなされているものをいう。
イ石膏ボード
ログラスウール
ハ.遮音シート
ニ.鉛遮音板
ホ.遮音気密防音パッキング
へ.ロックウール
ト.ロックウール吸音板
チ.石綿スレート
リ.木質セメント板
ヌ.木片セメント板
ル.吹き付けロックウール
ヲ.軟質繊維板
ワ.その他イからヲまでに規定する材料と同等の遮音性能を有する材料
2) 熱の損失の防止のための性能を向上させるものとは、熱伝達抵抗Rtを修繕又は模様替の前後についてそれぞれ次式により算定し、従後の値が従前の備に比して高くなるものをいう。
〔算式〕
Rt = Ro + Σ(ln / λn)+ Ri
n
Rt:熱伝達抵抗〔?・h・℃/kcal〕
Ro:外気側表面熱伝達抵抗〔?h・℃/kcal〕
Ri:室内側表高面伝達抵抗〔?・h・℃/kcal〕
1n:壁の各材料の層の厚さ〔m〕
λn:壁の各材料の熱伝導率〔kcal/m・h・℃〕
4 修繕又は模様替に該当するか否かの判断基準について
(令第40条の5第8項第3号)
修繕又は模様替に鋲当するか否かはそれぞれ次の判断基準に基づいて判断するものとする。
(1)一室とは、原則として、壁又は建具等により囲まれた区画をいうものとするが、当該区画において、以下のいずれかに該当する空間がある場合は、当該空間は異なる室として取り扱うものとする。
1) 設計図書等から判断される目的及び床の仕上げが異なる空間
2) 設計図書等から判断される目的及び壁の仕上げが異なる空間
(2)押入等の収納部分については、建具等を介して接する室に含まれるものとする。
(3)居室とは、建築基準法第2条第4号に規定する居住のために総統的に使用する室をいうものであり、具体的には、居間、食事室、居間兼食事室、食事室兼調理室、居間兼食事室兼調理室、寝室、応接室、書斎その他これに類するものをいう。
(4)床又は壁の「全部」とは、原則として、.床にあっては、室の床の全床面積又は壁の室内に面する壁面の全水平投影長さをいうものとするが、例えば、押入、出窓、床の間等についてのみ修繕又は模様替が行われない場合については、当該一室の床又は壁の全部について修繕又は模様替が行われるものとみなして差し支えない。
5 建築士の証明が必要な工事 ′
建築士の証明が必要となる増改築等の工事は、1(1)に掲げる工事のうち建築基準法第6条に規定する確認を要するもの以外のもの並びに1(2)及び(3)掲げる工事である。
6 建築士について
証明を行う建集士は、建築士法(昭和25年法律第202号)第23条の3第1項の規定による登録を受けた連築士事務所に属する建築士である。
7 建築士の証明手続
(1)証明の申請
建築士は、証明の申請に当たって、申請者に対して次に掲げる増改築等の工事に係る書類又はその写しを提出するよう求めるものとする。
1) 増改築等の工事を行った家屋の登記簿謄本又は抄本
2) 工事請負契約書
3) 設計図暮その他設計に関する書類がある揚合は当該書類
(注)上記?の書類又はその写しがない場合は、上記?の書類又はその写しに代えて、次に掲げる書類又はその写しを提出するよう求めるものとする。
イ 増改築等の工事に要した費用に係る領収書
ロ 増改築等の工事が行われる前と行われた後のそれぞれの状況を示した写真がある場合は当該写真
(2)証明の方法
証明を行う建築士は、必要に応じて現地調査を行い(ただし(1)?及び(1)注)ロ双方の書類又はその写しがない場合は必ず行う。)、(1)から?までに掲げる書類((1)(注)イ及びロの書類を含む。)又はその写しにより当該工事が増改築等の工事に該当すると認めた場合には、告示別表に掲げる増改築等工事証明書(以下「証明書」という。)に証明を行った建築士の免許証の写しを添えて申請者に交付するものとする。
(3)証明時期
証明は、原則として工事完了後に行うものとする。
(4)証明書の記載事項についての留意点
工事の内容の欄には、
イ 工事を行った家屋の部分
ロ 工事面積
ハ エ法
ニ1(2)?の工事にあっては、遮音のための性能を向上させるために使用した材料
ホ1(2)?の工事にあっては、修繕又は模様替を行う前及び行った後の熱伝達抵抗Rtの値
等について当該工事が令第40条の5第8項第1号、同項第2号又は同項夢3号に該当すると認めた根拠が明らかになるよう具体的に記載するものとする。
(4)建築士の証明手数料について
証明手続については、実費、技術料等を勘案し適正なものとする。