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映画メモ 2005年5・6月

(劇場・レンタル鑑賞の記録、お気に入り作品の紹介など。はてなダイアリーからの抜書です)

バットマン ビギンズ / 彼女は夢見るドラマ・クイーン / 炎のメモリアル / ウィンブルドン


バットマン ビギンズ (2005/アメリカ/監督クリストファー・ノーラン)

(少々ネタバレあり)
(クリスチャンしか見てなかったので彼のことしか書けません…)

「サラマンダー」のときも、飢餓状態だというになぜあんなにツヤツヤしてるんだろうと思わせられたものだけど、今回の冒頭でもまた「このメシよりマシさ…」などとシャビシャビ(って名古屋弁?水っぽい、薄いというような意味)のスープを手にしながら、その肉体はやたらムチムチのクリスチャン。でもって謎の男の示唆を受けてクソ寒いヒマラヤにのぼるんだけど、ほっぺが赤い!やっぱりコレだよねえ(笑)「ベルベット・ゴールドマイン」の悶絶シーンを思い出しちゃう。あれはチークだけど。
…という具合に最初から興奮しっぱなしの2時間強でした。

ゴッサム・シティの大富豪の息子、ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)がバットマンになるまでを描いた新作ですが、たしかにそっか〜大変だったね、というハナシなんだけど、ワビサビは全くない。でもクリスチャンにはこういうのが合ってる。単純なことを力一杯やるっていうか。

残念だったのは、アクションシーンの編集がめまぐるしくて、何をやってるんだか全然わからなかったこと。「マシニスト」からかなり増量して撮影に臨んだというのに、重量感もさほど感じられませんでした。

ツボシーンはたくさんあって、
・“here”←あんな声で囁かれたら、全身の血が逆流しちゃうよ〜
・数年ぶりに自宅に戻って計画を練るブルースの傍らには「オレンジジュース」が。
・いっぽう、アルフレッドさんお手製の朝のジュースは、青汁みたいの。
・ベッドから出てすごいスピードで腕立て伏せ。「しあわせの法則」のときより(急激に肉つけたせいで)ぶよってたけど、腹は締まっていた。惚れ惚れ。
・大学生時代の回想シーンが…とにかく見てやってください。
・アヒル口が一番目立ってたのは(私はもうちょっと唇が厚い方が好きなんだけど、まあクリスチャンだってアヒル一派には違いない)ケイティ・ホームズを乗せてバットモービルを運転する場面。
・ちなみにこのシーン、たとえばスーパーマンやスパイダーマンなら、愛する人(でなくても、女性)と共にその場を離れるときは、ひとっとびでオッケーだ。でもバットマンは車を運転しなきゃならない。けなげで胸打たれる。

他のキャストについて。
ケイン様は美老人に撮られてました。昨年公開された「愛の落日」において、塔の中で高所から飛び降りるシーンがあって、見てるこっちが足腰ジンジンしそうだったものけど、今回はそれどころじゃなく働かされてました。さすがに洞窟内の小川を渡るのは拒否してたけど(笑)
ゲイリー・オールドマンは、今回に限り故マッティ・ペロンパーみたいなカンジがして、なんとなくしんみり見守っちゃった。
リーアム・ニーソンって、190センチのクリスチャンより背が高い。クリスチャンが見上げ目線なのって珍しいから、印象的でした(ケイン様とは大体同じくらい)。
キリアン・マーフィは、100人女子がいたら、こんなこと思うの私だけだろうけど、メガネ、外したほうがいいな…

「人間は中身じゃなく、行動で決まるのよ」
…私もいつもそう思ってる。

(05/06/26・劇)


彼女は夢見るドラマ・クイーン (2004/アメリカ/監督サラ・シュガーマン )

ジャケ裏のあらすじによると「ロックスターに会いたい」モノ映画かあ…とはいえオモテもウラも主演のリンジー・ローハンの百面相で、ロックスターなる人物の顔は1ミリも出てなかったのですが、借りてみました。すごく楽しかった。
「ミーン・ガールズ」と同じ転校生役だったり、「フォーチュン・クッキー」を思い出させるギター抱えシーンがあったり…他作品のいいとこどり、といえばいいかな?でもってこの2作に比べ、よりリンジー色が強いです(=オトナのキャラクターはほとんど活躍しない)。

女優を夢みるローラ(リンジー)は、音楽やファッションを愛する高校生。「地球の中心」ニューヨークからニュージャージーへの引越しにもめげず頑張ってたところへ、敬愛するロックバンド「シッダールダ」解散のニュースが。追い討ちをかけるように、彼女を目のカタキにしているカーラ(ミーガン・フォックス)がパパのコネでアフターパーティに招待されたとのこと。これはもぐりこむしかない!でもどうやって…?

あくまでもリンジーが主役なので、クライマックスは「王子様」(アダム・ガルシア)との邂逅やライブシーンなどではなく、彼女が学校で演じる「マイ・フェア・レディ」。この舞台劇が、短いながらも結構な出来で楽しい。初老の国語教師が「舞台を現代のニューヨークに置き換えた」という設定なんだけど、ステージ下にて彼女が、リンジー扮するイライザのセリフ「私、教師になるわ!教師って素晴らしい職業だもの」というのをまさに「ネコにクリーム」顔で聞いてるのが可笑しい。

リンジーと親友のエラ(アリソン・ピル/「エイプリルの七面鳥」の妹役)が夜のニューヨークをさまようシーンは、大好きな「女のコ二人もの」、「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!」を思い出してしまいました。その他、二人が電車の中で特別仕様にお着替えするシーン(でも結局パーティでは脱ぐはめに…ディズニー映画だから健全な理由でだよ)や、ライバルのカーラとゲームセンターでダンス対決するシーンなども楽しい!
その他、「王子様」にはほとんど触れられないとはいえ、リンジーの自室やコレクションもやはり見所。ベッド脇のポスターは当然上半身ハダカだし、スクラップブックには、彼がくねくねダンスするパラパラ漫画(笑)や、「カレと結婚するときのウェディングドレス」案が!解散をしのんで?お葬式もする。
(全然関係ないんだけど、スターの葬式といえば「フォード・フェアレーン」でのヴィンス・ニールの葬式シーンは爆笑もので、いまだに目に焼きついてる…)

ラストシーン、リンジーのダンスの相手は王子様から同級生のサムへと変わる。いわく「夢は現実よりも楽しい」。「何もない」と思っていたニュージャージーでも色んなことがあった。夢見る女のコは地に足つけて歩き出したのでした。


炎のメモリアル (2004/アメリカ/監督ジェイ・ラッセル)

これは拾い物…というか、素朴でカンジのいい映画。ホアキンは相変わらず太ってたけど、もう体型には言及しまい。ジョニー・キャッシュに扮する次作「Walk the Line」じゃあ結構絞ったように見えるし…

舞台はボルチモアの消防署。ハシゴ車隊員49号(=原題「Ladder 49」)ジャック(ホアキン・フェニックス)は、仲間とともに今日も大規模な火災現場へ。窮地におちいった彼の脳裏に、新米として勤め始めた日からの様々な思い出がかけめぐる。

前半、ジャックの日常生活(出動から家庭での様子まで)がケルトっぽい音楽で彩られているのが和やかでいい雰囲気。この回想シーンと、現在のスリリングな状況とが、うまく組み合わさって飽きさせません。「消防」映画といっても派手なシーンはほとんどないのですが、こうやって仕事してるのか〜と程よく興味をひかれました。ちょっと前に山岳映画にはまったから、ロープの使い方にもつい目がいってしまう。
それからやっぱり、いい印象を受けたのは、ホアキンと、上司のジョン・トラボルタの演技のおかげが大きい。二人とも、美形ってんじゃないけど、表情とかがすごくいいんだ。他の仲間たち(ほぼ消防隊員とその家族しか出てこない)も味があってよかった。
ぼろいけど居心地のよさそうな消防署の内部も見所。たとえ映画でも、主人公が新入りのときは、こっちも新入り気分で職場をよそよそしく感じてしまうけど、だんだん馴染んでくるものだ。ジャックの家庭のインテリアもいかにもというかんじで、ワンダーブレッドみたいな真っ白いパンを、おかずとゴチャゴチャに混ぜて食べてるの。

それにしても、消防署のあの、するする降りるバー、ストリップショーのやつを思い出してしまう。そういうとこではああいう演出があるのかな、やっぱり。
あ、あと「バーで男を全裸にする方法」をひとつ覚えたよ…

(05/05/25・劇)


ウィンブルドン (2004/イギリス/監督リチャード・ロンクレイン)

「ポール・ベタニー&キルスティン・ダンストのworking title新作」だというのに、東京では一館のみ、ユナイテッドシネマとしまえんでの上映。

31歳のテニスプレイヤー・ピーター(ベタニー)は現在世界ランキング119位。体力の限界を感じ引退を考えていた。しかし最後の舞台ウィンブルドンで、新進女子プレイヤーのリジー(ダンスト)と出会い、運命が回転してゆく。

「ラブ・アクチュアリー」では「飛行場には愛がある」と言ってたけど、この映画でも、飛行場にはやはり愛がありました。
最初のうちベタニーは「スタイルのいいヒュー・グラント」にしか見えなかったけど(実際当初は彼がキャスティングされてたそうだけど、さすがに年がいきすぎだし、あの身のこなしじゃあムリだろう)、面白かったです。うーんでもやっぱり私は、ベタニーは、普通の洋服着てるときの方が好きだな…

それにしても、男が体力を発揮する姿というのは、若い男性の無邪気なそれであっても、この映画のポール・ベタニーのように「テニスの世界ではママくらいの年齢といっていい」ほどの男性の必死こいたそれであっても、いずれにせよ魅力的であるということを再確認しました。でも持久戦になるとやっぱりツライよね…←テニスの話
私、テニスのこと全然知らないけど、観るのは結構好きなんです。打つときに出るうめき声みたいのもセクシーだし(笑)この映画はマッケンローが出てるし、ウィンブルドン側が初めてコートの撮影を許可したそうなので、好きな人にはそういうとこも面白いのかな。テニス界の裏側はあまり出てきませんが、いわゆる選手村?のランチの様子や、決勝戦に赴くシーンなど、へえ〜と興味ぶかく観ました。そうそう、ラインの判定をする女性のカッコって、あれ制服なのかな。全員小花模様のワンピースなの。
キルスティンが「ボールのないテニス」をするシーン可愛かったなあ。ベタニーの試合を眺める表情も良かった。彼女のプレイがあまり描かれず、ラストにナレーションで説明されて終わりだったのはちょっと寂しかったけど。
でも、オフにあんな外うろうろして、足くじかないかなあと心配しちゃった。映画で見るイギリスは路面がいつも濡れてるもんだから(笑)余計ね、ああいう靴じゃつるっと行きそうで。

ところで二人が朝食にベッドで食べてた麩菓子みたいのは何だろう…固めの「スポティッド・ディック」とでもいうようなカンジのやつ。

エンドクレジット見てたら、キルスティンのメイクは「ワタナベノリコ」さんという日本人が担当したとのこと。彼女はサム・ニール(キルスティンの父親役)の奥さんなんだって。どんな女性なんだろう。
あと、ピーターの友人のドイツ人プレイヤー役の人がすごくかっこよかった。この右の彼。ニコライ・コスター・ワルドー…って、検索したら「ブラックホーク・ダウン」に出てるけど、全く覚えていない。見返してみようかな。

(05/05/02・劇)


表紙映画メモ>2005.05・06