表紙映画メモ>2004.07・08

映画メモ 2004年7・8月

(劇場・レンタル鑑賞の記録、お気に入り作品の紹介など。はてなダイアリーからの抜書です)

アルフィー / ヘッドロック GO! GO! アメリカン・プロレス / フィール・ザ・モーション / フリージャック / スポット / ぼくセザール 10歳半 1m39cm / マッハ!!!!!!!! / ハリウッド的殺人事件 / エクスプロラーズ / スパイダーマン2 / ウォルター少年と、夏の休日 / バスカヴィルの獣犬


アルフィー (1966/イギリス/監督ルイス・ギルバート)

ジュード・ロウ版の公式サイトができたのをキッカケに、オリジナルのマイケル・ケイン版を久々に観てみました。はぁ〜かっこいい…
このころはまだ痩せてるので(でも普段は「79キロ」…と、作中で言っている)頬に肉がついてなくて、顔が長いのがよくわかるんだけど、だからこそ、あの運転手帽(写真参照)がめちゃめちゃ似合うんだ。

「主人公がこちらに語りかけてくる映画」で私がぱっと思いつくベスト3は「アルフィー」「フェリスはある朝突然に」「ハイ・フェディリティ」かな?でも喋りまくり度では何といってもアルフィーがいちばん!ジュード版も、トレイラー観てみたらそういうカンジみたい。彼も診察室でハダカにさせられるのかな(笑)

アルフィーが幾人もの女とつきあって得たものは「数シリングと、車と、服」。金持ちひっかけてデカイもん得ようとか、究極のパートナー探そうとか、そういうんじゃなく、ただその場その場で、自分のジャマにならない女と接触を繰り返すだけ。子供ができたら溺愛しちゃうってのも、中途半端にダメ度を高めるばかりだ。なんだか身につまされるというか…モテとか子供好きとかそういう問題じゃなくて、目的がないという点で、ある意味、私同様(笑)純粋なんじゃないかと思う。
最後に犬と歩いてくアルフィーの後姿を見ると、人生これだっていいじゃん?とせつなくも可笑しい気持ちになる。


ヘッドロック GO! GO! アメリカン・プロレス (2000/アメリカ/監督ブライアン・ロビンス)

「デヴィッド・アークエットを観る」2本目。デヴィッドのお家芸(いや彼だけか?)ホワイトトラッシュもの。

プロレスおたくのゴーディ(デヴィッド・アークエット)とショーン(スコット・カーン)は、WCWのジミー・キング(オリヴァー・プラット!)に夢中。しかしマネージャーに見限られたキングは策略により大負けし、引退を余儀なくされてしまう。ショックを受けた二人は、彼を励まし再びリングに立たせようとするが…

冒頭、アメリカ映画の「ダメ」コンビの例に漏れずコンビニにたむろしている二人(子供相手にキングの素晴らしさを説いている)。最後には店主が可哀相になってしまった。
そのプロレス好きぶりはアホとしか言いようが無いのですが、プロレス会場に行くと、当たり前だけどそこかしこにプロレスマニアがいて、二人が全然浮いてない。「ギャラクシー・クエスト」冒頭のファンの集いを思い出してしまった。本物の宇宙人がまぎれてても全然わかんないの。
虚像の「スター」が頑張って勝利をおさめるという筋も、ギャラクシー〜に似てるかな。愛らしいおハナシです。

有名プロレスラーもたくさん出てるそうだけど、私にはわかりませんでした。
でも最後の試合シーンは楽しいです。全然違う世界だけど「ロザリンとライオン」を思い出してしまった。


フィール・ザ・モーション (1985/西ドイツ/監督ヴォルフガング・ブルード)

これまで映画で見た顔で好みなのは、ケイン様、「Boys」「Johns」「マーズ・アタック!」あたりのルーカス・ハース、太ってなかった頃のブレンダン・フレイザー、今の一番はオーウェン・ウィルソン、でも他にも忘れ難い人がいて、フランク・メイヤー・ブロックマンという役者さんなんだけど、映画一本しか見たことないし、その後どうしてるわからない…

その一本とは、85年のドイツ映画「フィール・ザ・モーション」。修理工の女の子がロック歌手をめざすお話で、フランクさんはその相手役。写真がそうなのですが、目がくりっとしててアヒル口でアゴがしっかりしてて総合的にはB級ぽいという、もろ私の好み。同じクラスにいたらチョコあげまくってるよ。
音楽番組が舞台ということもあり、ミートローフやリマール(こんなカンジ)なんかのステージも見られます。
私のベストアクトはファルコの「Rock Me Amadeus」。うさんくさくって、いかにもヨーロピアンな雰囲気が最高。
ゴチャゴチャした話なのですが、売り出し中の新人バンドとしてドタバタするトーテン・ホーゼン(ドイツじゃ今も現役なんだ。公式サイト)が可愛くて、楽しいです。
さり気なく「U・ボート」ネタもあるので、ファンは観たらいいかも。

話はフランクさんの顔に戻って…この映画以外の彼の画像、検索してもなかなかみつかりません。やっとみつけたのはコレ。見えないよ!
今はどんなふうになってるのかな。もし何かご存知の方いましたら、教えてください。


フリージャック (1992/アメリカ/監督ジョフ・マーフィ)

「デビッド・ヨハンセンを観る」シリーズその1。
先日からdavid違いなんだけど、ドールズ来日するからタイムリーかなと思って。交互にやってこう。
彼ってキャシー・ベイツとデルトロの子供みたいな顔してるけど、出演作はツボついてる。

一作目は「フリージャック」。たいした映画ではありません。って上の文章と矛盾してるけど(笑)
時は2009年。資産家は若く健康な肉体に自らの「心」(このへんが既によくわからない)を移し変えて生きながらえていた。20世紀から身体目当てでさらわれてきたレーサーのアレックス(エミリオ・エステベス)は手違いで目覚めてしまい、未知の世界を逃げ惑うことに…

エステベスの身体を狙うのがアンソニー・ホプキンス、その手先がミック・ジャガー、という超豪華キャストなのですが、いかんせん二人の、とくにミックの演技が…全編出ずっぱりなのに、無表情でぼそぼそ喋るだけ。顔はカッコよく撮れてるんだけど。
ヨハンセンは、レーサー時代のエステベスのマネージャーという役どころで前半しか出てこないんだけど、他のキャストがゆるゆるなので、結構印象に残ります。あの声だし。

エステベスとミックが一騎打ちになったとき、ミックが「猶予をやろう」と目をつぶって数をかぞえはじめるんだけど、そのとき「one mississippi, two mississippi…」って言う。初めて見たときは「ミシシッピ」と聴き取れず、何ごにょごにょ言ってるんだろ?と思ってたのですが、後に川本三郎の本読んでたら、英語で数を数えるとき語尾に「mississippi」とつけて時間を稼ぐ、と書いてあって、あ〜そういうことだったのかと。ミックもそういうことするんだなって(笑・「役」でもね)


スポット (2001/アメリカ/監督ジョン・ホワイトセル)

「デビッド・アークエットを観る」シリーズその1。
とくに彼のファンというわけじゃないのですが、気付けばたくさん出演してるよな〜ってことで、再見&初見交えてちょこちょこメモしとくことにします。
上のお姉ちゃんロザンナが80年代(アヒルのヒナみたいでめちゃめちゃ可愛かった!)、下のお姉ちゃんパトリシアが90年代、のイメージがあるもんだから、彼もベテランというイメージがあるけど、実は1971年生まれ、私と3つしか違わない。
私が最初に彼を認識したのはルーカス・ハースの相棒を演じた「Johns」。これはずいぶんしんみりした話だったけど、今現在のデビッドは、コーラ飲みながらテレビ観てるとか、お祭り野郎みたいな印象。

一本目の「スポット」は、「キッズ用字幕」があるくらいのお子様用映画。絵に描いたようなコメディで、なかなか楽しいです。隣のひとり息子の子守を引き受けた郵便配達員ゴードン(デビッド)が、FBIのエリート捜査犬をめぐるトラブルに巻き込まれるお話。デビッドの役は上に書いたイメージそのまんま、ぐうたらだけど憎めないヤツ。
FBIのワンちゃんは、厳しくしつけられてるからボール遊びなんてしない。ヘンなやつだなー、犬ってのは普通こんなもんだぜ?と首輪まではめて「犬」になってみせるデビッドがキュート。その他、ウンコを踏んですべる、金魚鉢にアタマを突っこむなどのお約束の数々も、身体はってて好感度大。
実生活ではコートニー・コックスとの間に女の子がうまれたそうですが、子供との絡み見て、最近ちょっとデブってきたこともあり?いいパパになりそうだなーと思いました。


ぼくセザール 10歳半 1m39cm (2003/フランス/監督リシャール・ベリ)

さすがフランス映画、なんてキュートなオープニングだろう…と思ってたら、雨音は○○に替わり…ちゃんと手洗わなきゃダメだよ〜。

「1メートル39センチ、ちょっとデブ」のセザールは、クリクリ目のママ(「パルプ・フィクション」でブルース・ウィリスの恋人役だったマリア・ド・メデイルシュ)、ぶっきらぼうなパパ(中川家の弟が老けたかんじ)との3人暮らし。甘いお菓子が大好きで、運動は不得意。
彼の部屋がすごく楽しくて、だって勉強机のシートにはデッカイお菓子の写真、クルマやケーキのフィギュア、ボディビルダーの写真(あんなんになりたいの…?)、好きなもの何でもごたまぜに置いてある。
カメラは彼の視線、1メートル39センチに据えて撮られてるのですが、私は子供のころ(彼のように)「見下ろされるのがイヤ」だなんて思ったことなかったなあ。いっぱしのオトナのつもりだったのか、それとも忘れちゃったのか…

あこがれの女の子、サラは勝気な女王様タイプ。いつもパンツスタイルで、とても頼りになる。図書館での英断は惚れ惚れしちゃった(やってることはよくないけど・笑)。「ラブ・アクチュアリー」でも、サム君のあこがれの上級生は歌のうまいかっこいい子だったけど、ああいうのほほえましい。
「まともな男で彼女を好きにならないヤツはいない」なんてセザールのモノローグが可笑しい。あんなプックリほっぺで!
でもって、セザールの親友兼恋のライバルとなるのが同じクラスのモルガンなんだけど、この子のカッコよさがまた絶妙。美形ってわけじゃないけど、スラッとしてて、やんちゃだけどマジメなとこもあって。女なら放っておけない、無視できないとはこういう男のことだ。
下水道見学に行ったとき、臭わないようにサラの口元にハンカチを結んであげるんだけど、そのおぼつかないながらも自信ありげな手つきがいいんだ。男の人に髪の毛触られるのって大好き。
その後モルガンは彼女の髪をくしゃっとやるんだけど、横で見ていたセザールもどうしても触りたくなっちゃって、どさくさに紛れて後ろからタッチしてしまうという。
(そういや小学生のころ、クラスの女の子の髪の毛一本ずつ集めて下敷きに貼ってる男の子がいたなあ…)

アンナ・カリーナは、あの格好、かつてイギリスに渡ったグルーピーとでもいう設定なのかなあ?家に泊めた三人に、パジャマとしてツェッペリンなんかのTシャツ着せてあげてたし。
音楽もよかったです。ヴァン・モリソンの「グロリア」(=アンナ・カリーナの役名)もアリ。

(04/08/09・劇)


マッハ!!!!!!!! (2003/タイ/監督プラッチャヤー・ピンゲーオ)

トニー・ジャーすごい!

私、ああいう名倉系の顔ってものすごく苦手なんです。
でも、素の彼がどんなだか知らないけど、出演料ちゃんともらった?銀行に行ったことはあるのかナ?などと思わず心配させられるほどのオボコ系(の役)で良かったです。セリフ少なかったから、どうせなら「喋れない」という設定でもよかったのに。身体にいろんな文字が書いてあって、それを指差してコミュニケーションを…って全然違う映画に(笑)
エンドクレジットのNG集も可愛かった。火のまわりが早くて転げまわっちゃうの、お約束だけど笑ってしまった。
田島貴男にしか見えなかった女の子も段々かわいく思えてきて、皆いい顔してるなーと堪能しました。

いつも思うんだけど、戦闘モノに出てくる男の人って、なぜ頑なにシャツ着てるんだろう?脇が妙に開いてるやつとか(それはセガールだけか)。アレ一枚が何か役にたつとは思えないんだけど…裸のほうが一万倍は見栄えいいと思うんだけどなあ。
でもって、この映画では、やっと裸に!と思ったら、それがクライマックスじゃない。しかもこのくだりはたいして盛り上がらずに終わってしまう。
(裸になったうえ、あんなに丁寧にヒモ巻き巻きしてたのに…それにあの鉢巻?はどうなったの?)
まあそんな文句、一発でチャラにしてしまうほどすごい肉体だったけど。

私がいちばん面白かったのは路地を逃げまくるシーン!あそこだけ10回でも見たいくらい。
長丁場の戦闘はちょっと飽きてしまう。暴力描写が嫌いというわけじゃなくて、瞬殺で100人倒してくとか、むしろそういうんだったらいいんだけど。
修行して強くなったり、手こずらされたうえねばり勝ちとか、そういうのめんどくさくって。トニー君は最初からめちゃめちゃ強いから良かったけど。
闘技場のシーンとか、できるだけ色んな敵キャラ出して楽しませようという(「?」なのもあったけど・笑)心意気が伝わってきました。

それにしても、バンコクのシーンでは、女の人が、金持ちにぶらさがってる系のお姉ちゃんばかりで、見てて心がすさんでしまった。ムエちゃんの学校の友達ひとり出してくれるとか、してくれればよかったのに。
最後にボスがアレの下敷きになっちゃうシーン、西欧の人には神秘的に思えたりするのかな?思い切り笑っちゃった…

(04/08/03・劇)


ハリウッド的殺人事件 (2003/アメリカ/監督ロン・シェルトン)

原題は「Hollywood Homicide」。公開時、この邦題いいなあと思ってたのですが、みてみたらやっぱりそんなカンジの作品でした。
冒頭、ハリウッドサインに続いて、界隈の色んなお店の看板にある「hollywood」の文字が次々と映し出されるのですが、この雰囲気がゆるゆるでまず楽しい。
ハリソン・フォード扮するベテラン刑事と、ジョシュ・ハートネットの新米刑事が、新人ラップ歌手の殺人事件を追うという話…なんだけど、ハリソンは副業の不動産業で破産寸前、とにかく家を売りたくって仕方ない。ジョシュは役者志望で、何かというと「ステラ!」(「欲望という名の電車」の一場面)と叫び出す。二人ともいちおうマジメに仕事はこなすものの、事件にあっと驚く結末があるでもなし、本格刑事モノからは程遠い。でもその冴えなさがいい。

ハリソン・フォードが銃持ってるのなんてめちゃめちゃ見慣れてるけど、彼の出演作でいちばん好きなのはやはり、最後に銃を使わなくなる「刑事ジョン・ブック 目撃者」。ちなみにクライマックス、宇宙でいちばん可愛いルーカス君の機転のおかげで村人たちが一家を助けに来てくれるんだけど、「過去のない男」でマルック・ペルトラが暴漢に襲われそうになったとき、このシーンを思い出してしまった。あと「異文化の女の入浴を覗く」ってのは「ラスト・サムライ」も、お約束だね(笑)

余談でした。 そしてレナ・オリン!私の中で「映画に出てくる黒下着の女」といえば「蜘蛛女」のこの人をおいて他にいません。コレ(→)下着っていうのかわかんないけど…まあ、黒に限らず全編ほとんど下着見えてるんだけど。今回はうさんくさい占い師の役で、相変わらず「ゴツイ高貴さ」をふりまいてました。黒下着もアリ。
あとルー・ダイアモンド・フィリップスの女装、わりと似合ってた(でもクレジット見るまで誰だかわからなかった)


エクスプロラーズ (1985/アメリカ/監督ジョー・ダンテ)

劇場鑑賞記録だと新作の話ばかりになっちゃうから、たまには好きな映画について書くことにします。今日は、DVD発売日が決まった「ルーニー・テューンズ」つながり、あるいは「スパイダーマン2」観てたら思い出した「エクスプロラーズ」。何故思い出したか書くとちょっとネタバレになるので、そこは省略。
ジョー・ダンテだと「スモール・ソルジャーズ」にキルスティン・ダンストが出てるけど、こっちのほうが好きなので…ちなみに以前「マチネー」について書いたのはコチラ
しかしジョー・ダンテ、最近の写真みると結構シブい。もっとおたくっぽい外見かと思ってた。

手作りの宇宙船で宇宙に出かける少年たちのお話なんだけど、コレ根っからの「子供映画」なのです。だって(→いつか観る人にはできれば知らずにおいてほしいネタバレ)彼等を迎える宇宙人も「子供」で、同じ子供の友達が欲しくて彼等を呼ぶんだから。
私は子供もSFもあまり得意じゃないんだけど、この映画は好きなんだなあ

主役は三人の男の子。コンピュータおたくのウォルフガング(リバー・フェニックス…後に映画の冒頭から一物しゃぶられることになるとは思えない眼鏡っ子ぶり)、宇宙映画に夢中なビル(イーサン・ホーク…めちゃめちゃ可愛い)、一匹狼のダレン(ジェイソン・プレソン…この子、今どうしてるんだろ?)。
冒頭、学校のいじめっ子にヤられているビル。割り込んで助けてくれたダレンを「今日一緒に遊ばない?」てなわけで相棒のウォルフガングの家に連れて行くんだけど、いつものように自分たちで盛り上がっちゃって全然相手をしない…こういうシーンに(映画なのに!)やきもきしちゃうから、子供が出てくる話って苦手なんだよね。
(子供が嫌いとか悪いとかいうわけじゃなくて、子供って「そういうもん」だから。これが大人なら「そういう人なんだ」と観られるけど、子供に対してはそうはいかずツライ)

宇宙へ着いてからは、ハッキリ言ってなんだこりゃ!という展開なのですが、本格SFに不慣れな私は却って気楽に観られます。オチである、宇宙人の「お父さん」が出てきて子供を叱りつけるシーンが可笑しすぎる。

以前「ベビーシッター・アドベンチャー」のときにも書いたけど、子供映画の醍醐味のひとつは、ワクワクする冒険のあとにちゃんと「家に帰ってくる」ところ。非日常は、日常があるからこそ楽しい。
地球に着いた宇宙船から家の明かりを見下ろしたダレン(普段は家に居場所がなくウロついている)が「オヤジ、まだ起きてるな」とかなんとか言うのが印象的でした。


スパイダーマン2 (2004/アメリカ/監督サム・ライミ)

そもそも映画「スパイダーマン」は、「ウェブを使ってビルの谷間をとびまわる」という映像が作られた時点で素晴らしい。小学生のころ、休み時間になるとブランコにすっとんでって、意味もなく高く高くぶんぶん漕いでたものだけど、ああいう、腹がえぐられるような快感が味わえる。初めて見たときは感激しちゃった。
今回、メイおばさんを助けたスパイダーマンが跳んで帰ろうとすると、近くにいた女性が「私も連れてって!」というようなことを言う。そうだよね、女のコなら一緒に飛んでみたいよね。心なしかおばさんもウキウキしてたもん。
しかもあの速さだから、雑踏から人一人いないところへ瞬時に移動できてしまう。前作で、初めてMJを助けたあと二人で教会に降り立つシーンとか。ああいうのドキドキしちゃう。彼女がヒーローに恋しちゃったのもわかる。

1の場合、ウィレム・デフォーがあの中入ってると思うだけで最高に可笑しいんだけど…
最近では「デスペラード」の包帯巻き巻き男、スパイダーマンのグリーンゴブリンしかり、結構そういう色物系、楽しくやっちゃうタイプだ。ウォーターズの「クライ・ベイビー」、「ストリート・オブ・ファイアー」のアルマーニの魚屋さんなんかもあったっけ。 次作はウェス・アンダーソンの新作(ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、アンジェリカ・ヒューストンと共演!)だそうで、楽しみ。

閑話休題。以降ネタバレあり。
「2」のオープニングはとてもカッコいいです。1と同じくウェブ+ダニー・エルフマン、に加えてアメコミの絵でこれまでの名場面をたどってみせるんだけど、前作観てないと全然わからないと思うので、未見の人は絶対観ておかないと。
(ジェイムソン社長のところに奥さんから電話がかかってくるシーンなど、前作見てるといきなり笑える)

それにしても、スパイダーマンってセンチメンタルなお話だ。1のときも何度かうるうるしちゃった。今回は、MJの至近距離で顔をさらしたピーターが、壁支えながら「すごく重いよ…」と言うのにほろっときてしまいました。愛する人の前では、ときに強く、ときに弱くもなってしまう、人間って。
スパイダースーツは「股もキツくて…」だそうだけど、そりゃあんなパンツ(病院での診察シーン参照)穿いてたらゴロゴロするよ!それともスパイダースーツ着てるときはパンツはいてないのかな…
あと細かいことだけど、最後にMJがしてたピアス。婚約指輪とお揃いに見えたので、たぶん贈られたものだと思うんだけど、ピーターのもとに来るなら外してほしかった。それで滞納してる家賃払うとか(笑)
それとも、彼を見送る窓辺のちょっと複雑な表情からして、次回また三角関係が復活するのかなあ、なんて思ったりして。

(04/07/20・劇)


ウォルター少年と、夏の休日 (2003/アメリカ/監督ティム・マッキャンリーズ)

14歳の夏休み、田舎で暮らす偏屈ジイさん二人に預けられることになったウォルター少年(ハーレイ・ジョエル・オスメント)のお話。

冒頭、成人したウォルター少年が電話をとると「叔父さんが…」との知らせ。そしてあの夏の日々の回想がはじまるのですが…オスメント君が中途半端にムチムチになってるうえ、声もちょっとドス入ってて、こりゃ邦題から可愛い子供映画を期待してきた人にはキツイんじゃあ、と心配に。
…しかしオスメント君、気のせいか話が進むにつれてたくましく、感情豊かに成長していくのです。順撮りで日焼けでもしたのか(それでたくましく見えたのか)、演技力のせいなのか、後者も大きいと思うんだけど、やっぱり上手いなあ。
ジイさん二人(マイケル・ケイン、ロバート・デュバル)は勿論とても良かったです。セールスマンを銃でおっぱらうなどの「イカしたじいさんぶり」はありがちな描写なのですが、二人の貫禄で見せてしまう。他のキャラクター(二人の財産を狙う親族など)も、それぞれきっちりこなしてて、楽しく観られました。犬とブタも可愛かった。
でもって最後に「ビッグ・フィッシュ」と似たオチがあるのですが、涙ガマンしてたのがこらきれず、ここで崩壊…
世代によって、環境によって、人は違うものだけど、「自分が思ってる、信じてる」ことを伝え合うことで心は近づくんだなと思いました。

かつてのマイケル・ケイン(といってもほんとに若い頃の姿は見たことないけど)って、私めちゃめちゃタイプなんです。通常は男性の見上げ目線に弱いんだけど、ケイン様には上から見下ろされて皮肉を言われたい…というのはともかく、回想シーンに登場する若かりし頃、もしかして多少は似てる人選んだのかなあ?と期待してたのですが、エンドクレジットのころにはもう顔忘れちゃうような役者さんだったのでガッカリ。ちなみにデュバルの若い頃を演じた役者さんは、フレディ・マーキュリーに似てました。
今でもケイン様、70代の男性の中ではいちばんカッコいいと思ってます。ちょっと人を喰ったような喋り方、昔から変わってない。

(04/07/18・劇)


バスカヴィルの獣犬 (2002/イギリス/監督デヴィッド・アットウッド)

BBCが2002年に製作したもの。イアン・ハートがワトスンをやっている。
「バスカヴィル家の犬」というと、子供のころ読んだ際、なんといっても犯人が(ネタバレ→)犬の顔面にリンを塗って光らせてたのが印象的だったのですが、今回はそのようなことはありませんでした。クラシカルすぎるトリックだからかな。

途中、ホームズが水の入ったグラスに、吸い終わったタバコを捨てるシーンがあります。 原作でそのような描写があったかどうか忘れたけど、グラナダテレビ版でも、朝食の半熟ボイルドエッグの食べ残しを灰皿代わりにするシーンがちょくちょくある。今現在の日本人である私からすると、なんとなくお行儀が悪いように思うのですが、常識の違いなんだろうな。
あとこのホームズ、犯人を捕まえに行く際、クスリ打って恍惚となってから出向くのですが、映像でここまでストレートに描いてるのは初めて観たので可笑しかった。

グラナダテレビ版では、兄のマイクロフトがホームズに全く似ていないのでぎゃふんとさせられたものですが(原作ではどういう記述だったか、これまた忘れた)、実はホームズとその兄、しかも(バスカヴィルの)ヘンリー卿を全て演じてる人がいて、誰かというとクリストファー・リー。(それに関するページ(英)、ジャケ写とかカッコいい)
まずハマー・フィルムの「バスカヴィル家の犬」でヘンリー卿、その後ドラマ版でホームズを、最後にビリー・ワイルダーの「シャーロック・ホームズの冒険」で兄を演じています。
しかし私はどの作品もビデオみかけたことありません。ハマーの以外は日本じゃソフト化されてないんじゃないかな。観たいのになあ。
(参考リンク:ホームズを演じた俳優のフォトギャラリー



表紙映画メモ>2004.07・08