誇り高きその血統
エモシオン
エモシオンです。 京都記念(G2)

クラシック全出走

すみれS

カシオペアS

18戦5勝
競争成績


誇り高きその血統

 オークス馬の子供は活躍する。ダイナカールを母に持つエアグルーヴがまさにそれに当てはまる。エアグルーヴの父がトニービンであるように、エモシオンの父もトニービンであった。トニービンは、日本に種牡馬として導入された際には、「いくら社台ファームでもこの馬は失敗する。」と言われたが、初年度からウイニングチケット、ベガを出し低評価を一気に払拭した馬だった。その初年度産駒が活躍した年にトニービンを種付けされたのがアドラーブルである。アドラーブルはオークス優勝を始め、桜花賞2着、チューリップ賞などすばらしい実績を上げ、繁殖入りした馬だった。父も日本の中では最高峰の部類に属する種牡馬、母は日本競馬史に残る名牝。この子供に期待するなという方が間違っているといってもいい。

この馬は5歳になってから

 「この馬は5歳になってから。」この言葉は名伯楽、小林稔調教師が言っていた言葉である。『エモシオンが完成されるのは5歳になってからだから、4歳時にはダービーにだけ出走させればいい。消耗するようなレースは使わなくてもいい。』この考えで使われたレースは3歳時にはわずか4走。しかもエモシオンが楽に勝てるレースを選ばれていた。唯一の誤算とすれば、オープン入りを確実にしようと出走した中京3歳Sで、エイダイクインに負けたことだけだろう。

 4歳時には、本番前に消耗するトライアルは使わないでいた。皐月賞前には、トライアルに有力馬が回るため、メンバーがそれほど強くないすみれSを使った。そこを快勝したエモシオンは一応皐月賞には出走したものの、キャリアの差がもろにでて4着。その後熱発を起こし、完調でないまま、目標としていたダービーに出走し、9着と惨敗。本当に4歳春は全くいいところなしの状況だった。

 菊花賞前も、カシオペアSを使うという名伯楽お得意の菊花賞への道をひた走っていた。『あのフサイチコンコルドでも、カシオペアSでは菊花賞は3着だった。エモシオンでは菊花賞では活躍できない』と競馬記者は考えていた。それを受け菊花賞での単勝人気は5番目。しかも4番人気に離された5番人気だった。確かにこの時期で重賞出走歴がG1しかないこの馬を人気にする方がおかしいのかもしれない。

 しかしエモシオンはそんじょそこらの馬とは違う。レース前に入れ込むという相変わらずの気性の悪さを見せていたエモシオンに対し、観客は笑いに似た歓声を返し馬の際に浴びせていた。要するに、また入れ込んでレースにならないとふんでいたのである。

 だが菊花賞、最後の直線でエモシオンの強さをまざまざと見せつけられたのであった。レースはセイウンスカイの逃げ切り濃厚。2着争いに注目が集まっていたところに、エモシオンが抜けてきたのだ。奇しくもフサイチコンコルドが菊花賞で先頭に立ったときのように。観客は沈黙した。「まさかあれほど入れ込んでいた馬が差してこようとは・・・・。」これぞ、エモシオンの実力のほんの一部を発揮した瞬間だった。

 結果はエモシオンは早く仕掛けた分、後から仕掛けたスペシャルウイークの急襲にあい3着に終わった。後に小林稔調教師が「後もう少し仕掛けを遅らせていたら2着はあった。」と漏らしている。それだけの実力を有力馬にもまれるキャリアの浅い馬が発揮したのだった。

 あの一瞬見せた切れ味。その実力は確かに4歳馬の中でもトップクラスにある。そのあと有馬記念に駒を進めたものの、入れ込みが激しく11着。それでも最後の直線で一瞬だけ、いい脚を見せていたのだった。

完成への道

 有馬記念に惨敗し、4歳時のようにゆったりとしたローテーションがくまれると思われていたエモシオンだが、間隔をあけずに日経新春杯に駒を進めることとなった。もう使い減りはしない。小林稔調教師の判断である。本当に5歳になったら完成の域に達し始めたのだ。だが気性の成長はしていなかった。日経新春杯では実にレースの半分、入れ込みまくり折り合いがついていなかった。鞍上も四井騎手に乗りかわったばかりなので、手の内に入れていなかったのだ。結果は2着。それでもメジロブライトと最後の直線でマッチレースにするその実力。斤量差が4.5キロあったとはいえ、前半の損を考えればすばらしい勝負をしていると考えられる。

 鞍上2回目となれば、さすが関西トップジョッキーの四井騎手。完全に手の内にエモシオンを押さえ、ついに京都記念(G2)を3馬身差の圧勝劇で制した。入れ込みさえましになれば、その実力は明らかにトップクラスいや、現役トップと言っても見劣りしないものがある。この勝利で小林稔調教師に引退の花道を送ることができた。

 気性の成長さえ見せれば、馬体は太らないその体質だけに息の長い活躍が望まれる。今日の勝ち方なら天皇賞・春でメジロブライトに仕返しをするのは、夢ではない!!これを勝てば今年開業の木原調教師に開業初年度にして初G1制覇をもたらすことができる。それを目指せ、エモシオン!!


エモシオン 牡 鹿毛 平成7年〜    根岸さんの勝負服です

生産者:北海道(門別)白井牧場
馬主
:根岸 治男氏
調教師
:小林 稔木原 一良、二ノ宮敬宇
騎手
:松永幹夫、河内洋、佐藤哲三、四位洋文、蛯名正義,木幡初広

現賞金:7450万円

[父]
トニービン
Tony Bin
(鹿毛 1983)
Kampala Kalamoun Zeddaan
Khairunissa
State Pension Only for Life
Lorelei
Severn Bridge Hornbeam Hyperion
Thicket
Priddy Fair Preciptic
Campanette
[母]
アドラーブル
(栗毛 1989)
ノーザンテースト Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
エコルシュ Big Spruce Herbager
Silver Sari
Idmon Dr.Fager
Arachne

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