あやりん様
scene-1

   


●第一話 「タイヤはずれそうだよ!」


 今日は仕事もお休み。そしてGW真っ只中。天気は良いけれど外は寒い。しかし、相方が帰ってきて久しぶりのデート。とてもルンルン気分だった私。
 愛車のミラージュを出して相方を迎えに行き、札幌郊外のある巨大ショッピングセンターへ車を走らせた。
 ひと通りショッピングを楽しんで、休憩がてらお茶してすっかり満足。そしてそろそろ帰ろうということに。
 相方を送って自分もそのまま帰ろうと決め、交通量が多くて「半高速道路」と呼ばれる片側3車線の道路の真ん中を走っていました。
 すると私の車の左横を走っていたおじさんが窓を開けて何か言いたそうな気配。
 相方がそれに気付いて、とっさに車の窓を開けると、「車の後タイヤはずれそうだよ!!」と叫びました。
 その言葉にびっくりして、すぐに道沿いにあるお店の駐車場に緊急停車。
 調べてみると助手席側の後タイヤのねじが緩んで外れかかっていました。
 ネジをしめて、再び出発。しかし、更なる大波が来ることなどこの時はまだ気付かなかった…。1kmも進まないうちに信号に引っかかり、信号待ちをしていると私達の後を走っていたオニーサンが車を降りて私達の方へやってきました。
 今度は私が気付き「何かな?」と思って窓を開けると「タイヤはずれそうですよ」とまた言われたのです。
 「もしかして運転席側も…?」さっきの悪夢がよみがえり、同時に私の頭は大パニック!!
 1kmほど進んでいたとはいえ、その時車が止まっていた場所は道路のど真ん中でとても中途半端な位置。
 さっきのように店の駐車場はなく、ちょうど外出していた方達の夕方のご帰宅ラッシュ時間。ここでハザードをつければ大渋滞は必至。
 すると対向車側の前方にガソリンスタンドを見つけました。対抗側を走っている車に迷惑がられながらも、相方の協力を得てそのスタンドに入った。
 スタンドのオニーサンに事情を説明して、タイヤの具合を見てもらうことに。
 オニーサン曰く。
「よくタイヤはずれなかったですね、すごくネジ緩んでますよ。後タイヤ2つだったから分かりづらかったんですね」
「そうでしたか…」
 顔は苦笑していた私も心臓はドキドキドキドキ…。危なかった…。
 タイヤのネジを全て点検してもらい、再度出発。今度こそ無事に相方を家まで送り届けて、私も帰りつくことが出来ました。
 もしあの時、万が一タイヤが外れて事故でも起こしていたら、運が悪けりゃ今頃は棺の中…そんなことを考えると怖くてたまりませんでした。
 車を運転しながらも親切にタイヤのことを教えてくれたオジサンとオニーサンには本当に感謝です。



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