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以下、労働基準法第12条(平均賃金)の条文です。
労働基準法で、平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。
上記の賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。
ただし、その金額(平均賃金)は、以下によって計算した金額を下ってはならない。
1.賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60
2.賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と1の金額の合算額
『労働日数』と『総日数』を逆に覚えたりしないように!
◎平均賃金の算定方法
平均賃金の算定方法は、原則、算定事由発生日以前3箇月間に支払われた賃金総額を算定事由発生日以前3箇月間の総日数で除して行います。
『総日数』とは、その期間の総労働日数でなく“総暦日数”のことを指します。
例えば、4、5、6月だと『91日』になります。
『算定事由発生日以前3箇月間』とは、条文では、発生日は含んでいますが、実際は、発生日は含まず、その前日からさかのぼって3箇月間になります。
例えば、5月10日に算定事由が発生した場合には、5月9日から2月10日までの89日(閏年では、90日)となります。
また、10月15日に算定事由が発生した場合は、10月14日から7月15日までの92日となります。
これは、算定事由発生日は、一部休業している場合が多いので、その日を入れると平均賃金額が実態に即さない(低くなる)為です。
それでも、条文は、『日以前』ですので、選択式では、『算定事由発生日以前3箇月間』を選んでくださいね。
なお、賃金締切日がある場合には、算定事由発生日の直前の賃金締切日から起算することとされています。
例えば、賃金締切日が毎月20日と定められている事業場で、7月10日に算定事由が発生した場合には、直前の賃金締切日すなわち6月20日から起算することになります。
このような方法を取るのは、一般的に毎月1回の賃金締切日が決まっていると思いますので、これを起算日とした方が計算するのが便利な為です。
以下、関連通達です。
『賃金ごとに賃金締切日が異なる場合、例えば団体業績給以外の賃金は、毎月15日及び月末の2回で、団体業績給のみは、毎月月末1回のみの場合には、直前の賃金締切日は、それぞれ各賃金ごとの賃金締切日である。(昭26.12.27
基収5926号)』
『賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば6月30日に算定事由が発生したときは、なお直前の締切日である5月末より遡って3箇月の期間をとる。(昭24.7.13
基収第2044号)』
『雇い入れ後3箇月に満たない者の平均賃金の算定に当たっても、賃金締切日がある場合には、直前の賃金締切日から起算する。ただし、直前の賃金締切日から計算すると未だに1賃金締切期間(1
箇月を下らない期間)に満たなくなる場合には、算定事由発生日から起算する。(昭27.4.21
基収1371号)』
『平均賃金の算定期間が1賃金締切日に満たないときの完全月給者の平均賃金は、月給を30で除して算定する。(昭45.5.14
基発375号)』
『解雇の予告をした後において、当該労働者の同意を得て、解雇日を変更した場合においても、算定事由発生日は、当初の解雇を予告した日である。(昭36.6.12
基収2316号)』
『賃金の総額』とは、算定期間中に支払われる法第11条に規定する賃金すべてを含みます。
以下、労働基準法第11条です。
労働基準法で、賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
したがって、基本給はもとより、歩合給、家族手当、通勤手当(通勤定期券代)、精皆勤手当、年次有給休暇の賃金、割増賃金、昼食料補助等は、法第11条の賃金に該当しますので、賃金の総額に含まれま
す。
また、現実に支払われた賃金だけでなく、実際に支払われていないものであっても、算定事由発生日において、債権として、確定している賃金は『賃金の総額』に含みます。
例えば、賃金の支払いが遅れている未払い賃金とかです。
この点、注意しましょうね。
以下、関連通達です。
『労働者が2事業場でそれぞれパートとして使用され、両事業場の使用者からそれぞれ賃金を支払われている場合、賃金総額とは、両使用者から支払われた賃金の合算額でなく、算定事由の発生した事業場で支払われる賃金のみをいう。(昭28.10.2
基収3048号)』
賃金が日給制、時間給制、出来高払制その他請負制の場合や賃金の一部が月、週、その他一定の期間によって定められた場合の平均賃金に関しては、最低保障があります。
1.賃金が日給制、時間給制、出来高払制その他請負制の場合
算定期間中の賃金総額/算定期間中の実労働日数×100分の60
なお、平成19年度の試験において、上記内容が出題されました。
以下、その問題です。
平均賃金は、原則として、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対して、支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算定するものとされているが、賃金がいわゆるパートタイマーに多くみられるように労働した時間によって算定される場合には、その金額は、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60を下ってはならないこととされている。
これは、正しい問題ですね。
よく『労働した日数』を総日数に変えたりしますので、ご注意下さいね。
2.賃金の一部が月、週、その他一定の期間によって定められた場合
その部分の総額/その期間の総日数+1の額と原則(賃金総額/総日数)の計算式と比較して、いずれか高い方を採用します。→“最低保障”
このような措置(最低保障)は、上記の賃金形態の場合で、月給制や週給制の場合には、適用しません。
賃金の全てが月給制や週給制の場合は、そんなに低くならないですからね。
以下、日日雇い入れられる者(日雇労働者)の平均賃金の計算式です。
算定事由発生日以前1箇月間の賃金総額/1箇月間に労働した総日数×100分の73
日雇いの方の算定期間は『1箇月間』ですからね。
3箇月間と間違えない様にしましょうね。
そして、『100分の73』もね。
なお、この“100分の73”の根拠は、日雇労働者の方が、1月稼動している日数が22日とし『22日/30日』とのようです。
また“100分の60”なのは、通常の場合、稼動状況の最も悪い事業においても1箇月のうち18日は働くという事実を根拠にしたようです。
『18日/30日』です。
ご参考まで。
以下、関連通達です。
『日日雇い入れられる者とは、1日の契約期間で雇い入れられ、その日限りでその労働契約が終了する労働者であって、その契約が日日更新されたとしても、当然に、日日雇い入れる者としての性格を変えるものではない。(昭29.9.15
基収第4025号)』
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