3月20日

嗚呼我が古参の名器達

またもやSouthのN君が我が家に遊びにやって来た。(全くよく来る男だ。旅館と間違えて
いるんじゃなかろうか?)どうも前回レコードを割ったので代わりをお詫びに持ってきたらしい。
義理堅い人ですね。ashレーベルのMary Lou WilliamsとClaude Greeneがカップリングされた
一枚だ。私はあまりashiレーベルは持っていないので、まあこれは有り難く頂いておきましょう。
だがどうもそれだけではないようだ。ガサゴソとレコード入れからSPだのLPだの何枚か出して
私に見せる。
 「これ昨日アメリカから届いたんだけど、すかんぴんさん気に入ったのがあったら買ってくれない」?
レコードを買って欲しいということを事前に言わなかったのはちょいと問題ありだが、リストに挙げないで
私にまず見せに来たと言うことは大いに感心である。見ると10インチLP、LPオリジナル盤、Bluenoteの
SPなどなかなか興味を引く盤がある。BechetーSpanier Big4、Joni James、George Lewisの
Vesper録音盤、BluenoteのIke Quibec、Edomond Hall、Benny Morton、Meade LUX Lewis等々
こやつ儂の痛い所を突いておるわい。で、結局いろいろ取り混ぜ、しめて4万数千円で買う。
(イヨッ、お大尽!)早速試聴してみることに。ではまずGeorge Lewisの盤を再発盤と聞き比べて
みようと言う事になってかけたが、「おかしい?ホーンの方から音が出てない!」
「むむ、そんな筈は・・・・・・この前かけた時は何ともなかったのに。」
色々やってみたがやはりホーンの方からは音は出てこない。さては555ドライバーはまたもや断線
したか?このドライバーは過去に何度も吉田病院のお世話になっている。アルミのボイスコイルで
もうかなり腐食しているので考えてみればいつ切れてもおかしくはない。アメリカと違って日本は
湿度が高いのでこのじいさんドライバーの老骨の身には応えるようだ。で、今度も吉田病院行きと
なるが、すでに何度も銅線で繋ぎ直してあるところへあちこちまだ切れそうなところが何カ所もある
ということなので、結局ボイスコイルをそっくり取り替える事と相成った。(これは痛い出費です。
トホホ・・・・・・)
 考えてみるに我が家のオーディオ機器はスピーカーは言うに及ばずどれもこれも古い。
新しいと言えるものは吉田さんが作ってくれたアンプぐらいなものだが、これだって中に使ってある
パーツの中には古いものがある。幸い古いオーディオに詳しい取り巻き連中のお陰でどうやら
なんとかなっているが、私だけだったらとうに投げ出している。持つべきものは何とやらです、ハイ。
でもこのヨボヨボじいさん達の奏でる音楽でないとあたしゃ駄目なんだね、やっぱり。
こう言った真の楽器の音を聞かせてくれる古い機械達は「名機」ではなく「名器」と呼ぶべきでは
ないだろうか?
 それはともかく555ドライバーの御帰還を今か今かと待ちわびる今日この頃である。