2005年 3月27日
993m
米山
またまた
この冬にスキーに一緒に行った仲間の一人に山岳会に所属している人がいて今度の日曜日に
米山に登るがどうだと誘われた。Mさん、Yさんは即OK。私も多分仕事は入らないだろうと
思ったので承知した。雪の米山は実のところ登ったことがなかったので大いに興味をそそられた
のである。それにしても遊びに行く話はすぐまとまる。今年は遅い降雪と大雪だったので例年に
なく雪が多い。果たしてどんな山行になるか、期待と不安を胸に当日8時に集合して大平登山口を
目指して出発。あれほど降った雪も国道8号線付近は雪が全然無い。しかし大平の集落へ入った
とたん雪が目に付く。海岸を走る8号線から僅か数km入っただけでこの変わり様には驚かされる。
雪のない時とは違って登山口近くまで車を乗り入れられないので近くの空き地に駐車する。
既にもう何台も駐車してあって我々はようやく端にスペースを見つけた。山へ登に来る人はやっぱり
朝が早い。支度を調えて8時40分に登山開始。昨日、一昨日とここは雪が降った様で新雪が
まぶしい。道はいきなりの急登で歩き始めたばかりの身にはちょいと辛い。雪は深いがアイゼンを
付けなくとも何とか登れそうだ。Mさんは登山靴ではなく長靴を履いてきたのでいささか歩き
にくそうだ。ちょっとこの先心配な所ではある。冬道を行っているせいかほとんど直登である。
夏道ではないので木の枝がやたらと邪魔で背の高い私は閉口する。それにしてもなかなかきつい
登りである。セーターを着込んでいたので早くも汗ばんできた。今日は天気の方は崩れる心配が
無いので合羽を着る必要がなさそうだ。これは有難い。
 やがて長野県から毎年登りに着ているという人に追いつく。歩き始めて30分たっていたので休憩
して色々と話をしたが、少し風が出てきたので立ったままだと寒くなってきた。話を切り上げ再び
進軍開始。落葉しているので木々の間から日本海や近くの山々が見える。やはり天気のいいのは
いい。
冬道のスタート地点の民家の軒先
大平登山口標識
樹間から見える日本海
中の岳
広場から見る米山
冬道の馬の背?
ブナ林
ブナ林の急登を行く
間もなくロマンスヒルと呼ばれる広場に着く。ここは本来ならベンチもあって一服するには最適
なのであるが生憎ベンチは雪の遙か下である。ここからは米山の頂上がよく見える。さらに先へ
進むと道が極端に狭くなる。多分これは冬道なのだろう。尾根の一番上を歩いているのだが、
両側がすぱっと切れている上に雪のため非常に歩きにくい。両側に木が茂っていなければ
恐怖感に襲われる所だ。いわゆる711m峰は雪のため何処かわからなかった。この馬の背は
やがて一旦下ってブナ林に着く。ここでMさんとサポートをしてくれているTさんを待つ。Mさんは
雪道はこれが始めてではないが長靴とこの馬の背でどうも歩きにくそうだ。いよいよ最後の急登の
ブナ林に入る。少し凍結気味ではあるが朝がそんなに早かった訳ではないので何とかアイゼン
無しでも歩ける。踏み後を確かめながら慎重に登っていると突然後で悲鳴。何とMさんが足を滑ら
せてブナが根開きした穴に滑落。Tさんに助けられてようやく脱出。幸いどこも怪我はない様だが
油断は禁物だ。ブナ林を登っている人たちは誰もきつそうだが、ここを登れば頂上は間近であるから
頑張りどころだ。ここは風が当たる所なので真冬はさぞかし厳しい所になるだろうと思った。
多分道はガリガリに凍結するだろうから、アイゼンは必須である。私がブナ林を登り切ると向こうから
見知った顔の人が下山してきた。何と同じ町内のEさんである。お互いに山をやっているとは
知らなかったのでこれは驚きだった。

ブナ林の急登の後の最後の山道
頂上直下から見た避難小屋
ブナ林の最後からの米山頂上。
雪に埋もれた避難小屋
ブナ林を抜け最後の山道である。何も遮る物がないので風の強い日は要注意だ。私は幸い日頃の
行いが良いから、このように好天に恵まれて風にはいじめられないのである。オッホン。
 遂に頂上に着きました。出発してから約2時間。冬道だったので予想よりも早く着いた。生憎妙高方面
はかすんでいて見えないがその他はよく見える。雪は三月末とは思えない程多い。米山自慢のバイオ
トイレも雪の下だ。谷根方面や日本海方面の眺望は抜群である。好天の雪山は本当に気持ちがいい。
 避難小屋は雪に埋もれていて柏崎側からは入れないが、風の関係で柿崎側から入れるので
心配ない。薬師堂の前で記念の写真を撮り、寒いので早々に小屋に入る。小屋には何組もの登山者
のグループが来ており宴会の真っ最中であった。一階は混んでいるので二階へ上がり我々も早速
宴会にはいる。時間はたっぷりとあるのでハマって出来る?避難小屋の中には登山者のための毛布
などが用意してあるので、それを下に敷いたりかけたりして寒さよけにする。しかしやはり体の中から
暖めるのが一番。しっかり飲んで食べて予定の一時間半はあっという間に終了。名残惜しいが下山に
向かう。我々が宴会をしていた間も次々と登山者が小屋に入ってくる。本当に人気のある山だ。
 雪は下山時にはかなり崩れだしていたが、こういう時は返って足を取られやすいから注意しなくては
ならない。そう思っている間もなくYさん、Mさんがブナ林の所で滑落した。Yさんはブナの木に足を打った。
どうやら何とか歩ける様だが肝を冷やした。家に帰るまでは無事下山したとはいえないので、米山の
様な低山でも気を抜くことは禁物だ。
薬師堂も雪の中
雪庇
谷根コース方面の山塊
頂上より日本海方面を望む
どうやら無事に下山して駐車場に戻ってきたが、今度はTさんが担いできたアルミマットが無い。
どうも下山の途中でどこかで木に引っかけて落としてきたらしい。今日はホントに色々と事件の
起きる山行だ。今更探しに戻る訳にも行かず、あきらめて家路につく。まあ何だかんだと有りましたが
天候に恵まれて良い山行でした。大平の集落から見る米山は普段我々が見る華麗な米山の姿とは
違ってどっしりとした姿でした。これもまた良きかな。
大平から見る米山