2004年10月11日
1,079m
唐松山
10,11日の連休に立山連峰の薬師岳に登ろうと計画していたが、台風22号の影響でどうも
週末の天気が安定しない。そこで急遽春に登るつもりで果たせないでいた広神村の唐松山
に行くことにした。唐松山は春に登った上権現堂山と隣り合わせの山である。その上権現から
見える唐松山はなかなか堂々とした構えだったので、いつか登ろうと思っていた。
新潟50山にも入っていない山ではあるがなかなかの眺望が得られるとのこと。天気の具合が
少し気になるがKさんと朝6時に出発。広神村に入り山田下を右折して行く。左折すれば
権現堂山の登山口である戸隠神社の方角だ。中子沢温泉の羽川荘に来るがここを通り過ぎて
すぐには小さな橋があり、その手前に左折する道があり、手の又入り口と書かれた小さな杭が
ある。しかし何と言うことであろうか、私はそれに気が付かずひたすら道なりに直進する。
やがて又部落を一つ通過し、私は林道に入っていく。しかしこの道は上権現から離れていくの
で何か変だ。羽川荘から4km以上も入った地点でようやくこれはおかしいと感じ、羽川荘まで
戻り、従業員のかたに尋ねたら前記の場所を教えてもらった。しかしせめて分岐点には登山口
入り口の看板が欲しい。ベニヤ板にマジックで書いた簡単な物でも無いよりましである。
実際私たちの後から来た人もやはり一旦通過したそうで、これは是非とも実現して欲しい。
 さて、と言う訳で改めて林道入り直しとなった。が、こちらの道はもっと悪い。途中重機が
道普請をしていた。車のすれ違いもなかなか困難な狭い道であるがどうやら登山口に着いた。
ここからこれから登る唐松山の稜線が見える。時計を見ると7時半だった。30分のロスだが
今日は朝が早かったのでそんなに気にはならない。まあのんびり行こう。
駐車場には5台程置けるが、先へ進んで登山口のところにも何台か置ける。登山口には立派な
標識が立っていた。
手の又駐車場標識
唐松山、上権現堂山登山口
登山道はいきなり尾根にとりつく所から始まる。結構きつい勾配だ。体が慣れないうちにこの勾配は
応える。尾根を登っていくとこれから向かう山の稜線が見える。丸く飛び出ているのが猫岩と
思われる。よくもまああんな所まで歩いて行けるものだ、と我ながら妙に感心する。まさに継続は
力なりである。日が差してきた。このまま天気が持ってくれればいいと思いながら進む。道は尾根
通しで眺めはいいが、今日は風がほとんど無いので暑い。噴き出る汗を拭い、後ろを振り返ると
二つ大きな山が眼前に現れた。一つは秀麗な三角推の山で裾野が美しく延びている。この山は
一体何と言う山だ。こんな山があっただろうかとよく考えたら、隣にお馴染みの八海山の勇姿が
ある。そこでようやくこの山が越後駒ヶ岳とわかった。見る方角でこんなに違って見えるものなのか。
まさしくこれは越後富士の名に恥じない素晴らしく美しい山だ。頂上でもう一度ゆっくりとその姿を
拝みたいと思いつつ先へ進む。歩き始めて23分、滝見台という所に着く。標識が倒れている。
あまり最近は登山道は整備されていない様だ。左手は米沢分岐、御岳山を経由して山田下へ
至るハイキングコースとなっている。天気の良い日は気持ちのいい稜線歩きが楽しめそうだ。
右手はこれから向かう唐松山、上権現の稜線分岐の方角となっている。滝見台の名が示す通り、
ここからは不動滝と呼ばれる見事な滝が見える。もう少し紅葉すれば最高の眺めだろう。
唐松山稜線
越後駒ヶ岳
八海山
不動滝
滝見台
途中季節はずれのツツジが咲いていた。これも台風23号の影響だろうか?写真を1枚パチリ。
先へ進んでやがて上権現と唐松山への分岐点に来る。ここから上権現迄は1時間程で行く。
だが急な登りでなかなか大変そうだ。春に上権現へは行っているのでそのまま右手に進路をとる。
案内図を見ると上権現といっぷく平の標高差はわずか3mだが実際は一旦鞍部に下ってから
登り返すので上権現と唐松山の縦走をやる人にはかなりきつい。さて鏡が池のある鞍部を通過して
再び急登になる。ここを登り切ると955mのいっぷく平と呼ばれる所に出る。ここには三角点があり、
周囲の展望も良いはずなのだが生憎先ほど見えた八海山や越後駒ヶ岳はもう雲の中である。
登ってきた方を振り返ると上権現堂山のどっしりした山塊がある。そしてその裏に見えるのは
下権現堂山と思われる。このいっぷく平でもやはり標識は倒れていた。下権現への登山道の
整備具合から考えると偉い違いだ。
季節はずれのつつじ
上権現堂山、唐松山稜線分岐点
上権現堂山
いっぷく平
前方にはこれからめざす唐松山が見えてくるが、時折ガスがかかってくる。どうも先行き天気が
不安だ。やがて喬木帯の展望のきかない道となるが目の前に猫がうずくまった?様な形の岩山が
あらわれる。ここがどうやら猫岩の様だ。猫岩のすぐ右手に巻き道があるが、せっかく来たのだから
ここは是非とも登らなくては。猫岩頂上に立つ。標高は1008m。周囲の眺望抜群の筈であるが、
ガスでまるっきりダメである。登頂の証拠写真を撮り、猫岩を降りようとするがどうもルートが
わからない。周囲は断崖絶壁であるから緊張を強いられる。おまけに私は高所恐怖症と来ている。
チ○○コ縮み上がるべ。同行のKさんが降りる所の写真を撮ってくれとハイ!ポーズだが、
こっちはそれどころではない。必死で岩に捕まりながら何とかルートを探す。適当に岩沿いに降り、
下に見える登山道に「エイヤッ!」と飛び降りた。とたんに太腿の裏側がスースーする。
手で触ってみるとジーパンが破けていた。トホホ、猫岩登頂の代償は高い。降りて岩場をよく見ると
何のこっちゃ、鎖が1本ぶら下がっていた。これに捕まれば楽に降りられたのに。見えにくい所に
あったからわからなかったのだ。振り返って猫岩の裏側を見るとすごい絶壁である。以前登った
金城山の岩壁そっくりである。難関を突破して最後の唐松山頂上を目指す。
奥が唐松山
右手の丸い岩が猫岩
猫岩頂上
猫岩裏側
今日この山に来ているのは私達だけかと思ったら前方に人影が見える。どうやら女性の二人組
の様だ。私達よりちょっと早く来ていたらしい。目の前に二つのピークがあるが奥が唐松山だ。
最後の登りを終えて頂上に着く。所要時間2時間40分。苦労してたどり着いたがガスと雲で眺望
は得られず残念だ。昼食をとりながら左記のおばちゃん二人組と楽しく山の話などをした。
山の仲間はすぐに仲良くなれますね。時折日が差してきて一瞬は周囲の山が見えたりするのだが、
遂に浅草岳、荒沢岳、未丈ヶ岳と言った山の姿は見ることが出来なかった。少しばかりの落胆では
あったが、ここまで雨に降られなかったことを考えればもうけものである。下山時に猫岩の所で
新潟から来たという男性にあった。権現堂山に行ってからこちらへ来たという。しかし猫岩の頂上に
立ったものの降り口がわからず、巻き道をトラバースするとのこと。まあその方が賢明である。
ズボンを破かなくて済む。 下山して中子沢温泉羽川荘で風呂に入る。入浴料400円。
まだ時間があったのでゆっくりとそこでマッサージ器などにかかり、時間を過ごす。
羽川荘を出ると外は雨が降り出していた。
唐松山頂上