2004年6月6日
1,917m
飯縄山
一ヶ月に一回くらいは山に行かないと何となくそわそわしてくる。6月ともなるとまごまごして
いると梅雨の季節がやって来てしまう。しかも今年は梅雨入りが早まりそうな形勢だ。
で、その前に行っておこうと行く山を色々考えたが、下越の山は6月になると蛭が出るので
オミット。さりとて遠くの山は運転がしんどいので何となく気乗りがしない。と、その時天啓の如く
閃いたのが飯縄山であった。最近は上越、長野方面の山にも行ってないし、お気楽に登れる
山というので即これに決定。早速簡単に下調べをして当日を待つ。今回の同行者はベテランの
Yさん。2時間くらいで登れる山なので集合は六時半。いや〜、この位だと朝が楽でいいですね。
曇ってはいるが予報だと何とか今日いっぱいはお天気は持つようだ。愛車フォレスターをとばして
一路戸隠中社へ。
 登山口は神告げ温泉を過ぎ戸隠忍者村から少し入った所にある。道端に駐車スペースが
あるのでここに車を駐める。人気のある山らしくかなりの車があちこちに置いてある。
登山道は広く傾斜も緩くルンルン気分で歩き出す。道の両脇は笹が茂っている。
15分程行くと前を行くグループに追いついた。早くもこんな所で休憩している。どうやらゆっくり
登山の一団らしい。型どおりの挨拶を交わし、そのまま前進。やがて鳥居が見えた。萱の宮と
言う所のようだ。早速まず写真をパチリ。樹林の中を日が差してきてとても綺麗だ。
快調に樹林帯を歩いて行くとようやく急登にかかり始めた。この辺から足下に岩が出始める。
そして樹林帯を抜ける頃、又もう一団に追いついた。今度のグループはかなり大勢だ。聞けば地元の
方たちとのこと。眺望のきく所でしっかり休憩を取っている。振り返ってみると木々の間から背後の
山が見える。少し先へ行くと一段と眺望の良い所へでた。背後に戸隠西岳や北アルプスの山々が
見える。休憩をしながら写真を撮っていると先ほどの団体さんがやって来て、中の一人の方が
あれこれと山の説明をしてくれて大いに有難かった。本日は特にガイド料はいらないとのこと。(笑)
いや〜、ホント登山客の多い山はこれがいいですね。鹿島槍ヶ岳を中央にその右隣が五龍岳、
その隣が唐松岳。そしてそのまま稜線を右にたどれば白馬岳、その右手前には戸隠連峰。その
最右翼には高妻山のピラミダルな山容がひときわ目を引く。そして下の方に目を転ずれば釣り鐘型
をした一夜山の姿が視界に入ってくる。何ていい眺めなんだろう。今日は曇り空で正直言って視界の
方は期待していなかったので感動もひとしおだ。
やがてニセピークが見えてきた。ここまで来れば後ひと頑張りである。登山道脇に石仏があったので
思わずパチリ。こちら西登山道は南登山道と違って、一不動、五地蔵などと合目、合目毎に石仏が
置かれていないので一体どのくらい登ったのかさっぱりわからない。こちらのコースも是非とも目安と
なる標識を設置してほしいものだ。稜線のやや南側を進んでゆくと飯縄高原からの南登山道と合流
した。下を見れば長野市内が見渡せる。大きな池は大座法師池だと前を行く人が教えてくれた。
本当に今日は随所に臨時ガイドがいてくれてラッキーである。そうこうするうちに飯縄神社に着いた。
近くの大岩の隣には標識が立っていて右の方へ行くと水場があるらしい。神の井戸なんて書いてある。
やはり信仰の山なんだなあ。そこから左手に道を取り、ニセピークを目指して行くがここからは結構
急登が続く。登山者の中には家族連れの姿も目につく。つくづく多くの人たちに愛されている山だと
感じた。
ようやくニセピークに着いた。ここにも登山者が多勢いた。ここには避難小屋らしきものが建って
いるがYさんによるとこれは避難小屋ではなくお堂なんだそうな。なるほどよく見ると戸が付いて
いない。ここは後でゆっくり立ち寄るとして本峰の方へ進む。頂上は指し呼の間だ。気のせいか
かえってここより低く見えないでもない。頂上へはあっという間に着いた。すばらしい360度の
パノラマだ。頂上は広く、かなりの団体さんが来ても大丈夫だ。頂上へ来てはっきりと焼山、火打山
妙高山、黒姫山が見える。目を北アルプスと反対の方へ転ずれば秋山郷の山々、鳥甲山、苗場山、
さらに右手には噴煙を吐く浅間山も見える。絶景かな、絶景かな。おそらく秋の晴天なら富士山も
見えたかも。ここまで所要時間2時間弱。予定通りの進軍?だった。
 ひとしきり写真を撮ったり、撮ってもらったりしてから昼食となった。楽しく食事をしていると我々の
前の道を妙高の方角へ降りてゆく人たちがあるので、尋ねると瑪瑙山を経由して戸隠スキー場へ
降りる道だという。中社へも行けるというので時間もあるし、そちらへ回ってみようということになった。
ところが昼食が終わるか終わらないうちに雨が当たり始めた。予報では3時頃までは大丈夫の筈
だったのだが・・・・天気予報の嘘つき!やむなく当初の予定通りもと来た道を帰ることにした。
これは時間の関係で致し方ない。
ニセピークへ戻るととある団体さんが酒宴の真っ最中であった。「あんたたちどこから来たね?」と
聞かれたので「あの監禁事件やら、拉致問題で全国的に有名な柏崎です。」と答えると
「おう、そうかね。」とすぐにわかってもらえた。本当はこんな事で柏崎が有名になっては困るのだが。
年に1回はこの山へ登る団体さんらしく、皆気さくだ。「まあ、酒はどうだね。」とか「この山菜食べて
みなせ。」とかしきりに薦めてくれる。酒は越乃寒梅、山菜はコウレイとかいう物だったがこれが絶品。
思わず「コウレイは美味い!」と寒いだじゃれが出た。「この山の標高はヒクイナ(低いな)と覚えると
いいんだよ。」とか色々とこの山に関したことを聞かせてくれる。本当に今日はガイドさんに困らない。
結局その場に15分ばかり居座ってゴチになってしまった。後ろ髪を引かれるように下山。
帰りは神告げ温泉へザブン。ご馳走になったから言う訳じゃないけど、いや〜、本当にいい山でした。