2004年 5月1日
998m
権現堂山
今年は大型連休中に仕事も遊びに行く予定もなかったので、じゃあ暇つぶしに又山にでも行くか、
と言うことになった。まだ行ってない山が良かろうとの事で唐松山か権現堂かの選択となったが、
唐松山は行く人が少なく、残雪もあるので車が登山口まで入れないので権現堂山となった。
ここならたぶん人が大勢来ているだろうから、雪があってコースがわかりにくくても踏み後があるから
道を間違える心配はない。柏崎からも遠くないので車の運転も楽だし、第一、朝早く起きなくなくても
いいのが良い。広神村に入り、間もなく登山口の戸隠神社に到着する。ここまで案内板などがしっかり
あったので道順は非常にわかりやすかった。早くも神社には何台か車が停まっている。やはり人気の
ある山のようだ。8時に戸隠神社を出発。神社の急な石段を登り、そのまま右の方へ行くと登山口の
標識がある。歩き始めるとすぐに五の秤という所に出る。眺望の良い所ではあるが標識には「業の秤」
と書いてある。ガイドブックでは前者なのであるが私はむしろこっちの方が正しいように思えた。
登り始めるとすぐに急登になる。天気が良いせいか日差しが強く暑いくらいだ。登山道の随所に
ムラサキヤシオツツジが今を盛りと咲き誇っている。
戸隠神社
登山口
業の秤
ムラサキヤシオツツジ
道はなかなかの急登で、同行のKさんは早くも汗びっしょりである。右手に見えるのがこれから
登ることになる下権現堂山であろうか。まだまだ道のりは遠い。ようやく少し道が平坦になる頃
前の団体に追いついた。5、6人のグループで楽しそうに会話しながら登っている。そのうちの
一人が「蛇だー!」と大声を上げた。すぐ後の私達は蛇よりもその声にびっくりした。でも蛇の
嫌いな人にとっては、この蛇というやつはやっぱりとてつもなく嫌なんでしょうね。
やがて5合目を過ぎてブナ林が現れた。今まで暑かったのでこの木陰には救われる。道は
山の左側を回り込む様に付いていてまた急登となる。後から来た学生さん風の若者がすごい
早さで私達を追い越してゆく。軽装だし若さのパワーもあるから、こちら中年族はとてもかなわない。
7合目を過ぎ道が少し下ると、弥三郎清水と名付けられた水場に付く。この弥三郎はどうも
弥三郎婆のことらしい。八石山や弥彦山に住んでいた鬼婆と同一人物と思われる。弥三郎婆の
伝説はよく知られている所だが、ここでは省かせてもらう。しかし、この婆は新潟県のあちこちに
現れたスーパー婆だ。道は大きな岩が随所に現れる岩場の道となり、またもや急登となる。
この山はあまり平坦部がないから、結構きつい。
下権現堂山
ブナ林
弥三郎清水
大岩が随所に見られる登山道
急登を登り切って下権現堂山の頂上に出た。標高897m。ここまで所要時間2時間。急登の連続
だっただけに結構早く着いた。「権化の鐘」と呼ばれる鐘がぶら下がっている。
登山のガイドブックによると展望は360度の筈であるが、生憎私達が頂上に着くちょっと前から
ガスがかかってきて何にも見えない。そりゃあないだろう、今まであんなにお天気は
良かったのに。頂上にはすでに何組かの登山者がいたが、やはりこのガスにはがっかりしていた。
ここに留まっていて天候の回復を待っている人もいる様だが、こちらは上権現まで行かなくては
ならないので後ろ髪を引かれる思いで出発した。しかしいきなりの雪渓である。アイゼンを着けて
いないのでどうしようかと思ったが、この先は稜線歩きとなる様なので、かまわず雪渓に踏み込む。
思った通り尾根に出てからはほとんど雪がない。そして春の花々が我々を迎えてくれる。
タムシバ、アズマシャクナゲ、イワウチワなどこんなに咲いていると何だか心がうきうきしてくる。
尾根道は細く細かなアップダウンを繰り返して上権現堂山へと続いている。稜線の先には別の
登山者が歩いているのが何組か見える。
権化の鐘
下権現堂山頂上
ガスに包まれる雪渓
タムシバ
アズマシャクナゲ
イワウチワ
前方に目指す上権現堂山が見えてきた。まだまだ雪が残っている。振り返ってみると今登ってきた
下権現堂山とその縦走路が目に入ってくる。若葉と残雪のコントラストがとても美しい。
それにしてもこの縦走路は素晴らしい。歩いていてとても清々しい気分になってくる。
越後三山や浅草岳、守門岳などを間近に見ることが出来るとのことだが、生憎多少かすんでいる
上にこちらが山の形に疎いものだからはっきりとそれとは確認できなかった。いよいよ上権現
本体にとりつく。登山道はしっかり雪の中である。そしてなかなかの急登だ。足跡を確かめながら
ルートをたどり遂に頂上に着く。標高998m。米山よりわずか1m高い。頂上はすっぽり雪の中だ。
鐘が雪の中から顔を出している。そして弥三郎婆の棲家の標柱が立っていた。頂上にはすでに
二人組の登山者の姿があった。本来ならこの山の頂上は周囲の灌木のため眺望は得られない
のであるが、残雪があるためしっかり360度の展望だ。正面は唐松山、背後右手は越後三山、
左手は浅草、守門、会越の山々らしい。(あやふやですみません。)下権現からここまで約1時間。
昼食をとるには少し早いのと、下が雪なのでお尻が冷たくなると言うので下山して稜線上の少し
広い雪のない所でお昼にしようと言うことになった。帰りは雪の上を滑る様にして下山する。
行きにあえぎあえぎして登ったのとでは偉い違いだ。
上権現堂山
上権現堂山への稜線から下権現堂山
頂上の鐘
弥三郎婆の隠れ家の標柱
頂上からの山々
昼食を摂り、下山になるが下権現への道を上り返すのは嫌だと言うことで、中越の分岐から降りることに
なった。確かにこちらの方が大幅に時間を短縮できる。残雪期はルートがわかりづらいと言うことだが、
足跡も結構あるので行ってみることにした。後ろを振り返ると私達の後から来る人もあった様で心強い。
沢の雪の下を川が流れているのでそちらに行かない様に注意しながら歩き、やがて行きの登山道と
お別れとなる。しばらく行くと道端でトカゲがエッチ?している。春まだ早いのに頑張っていますね。
珍しいのでパチリ。そして最初の登山口の分岐点に戻ってきて本日の山行修了。戸隠神社の池の
周りでは今を盛りと水芭蕉が咲き誇っていた。帰りに中子沢温泉で汗を流そうと思ったが、少し戻りに
なるのが嫌で十日町から川西へ出て千年の湯に入る。今回は下権現堂山からの展望は得られなかった
ものの花いっぱいの楽しい山行でした。
中越分岐からの沢を下る
トカゲのH?
下権現堂山、中越方面登山口分岐点
戸隠神社の池の水芭蕉
唐松山