大源太山
2000年 11月5日
1,598m
二王子岳に登った二日後の日曜日が天気予報によると晴天とのことで、今度は眺望が期待
出来るだろうとまたもや登山と相成った。湯沢の友人のN君に頼んで地元の大源太山を案内
してもらうことにした。私の仕事先のUさんも話しを聞きつけて参加してきた。大源太山と言うと
ガイドブックには上越のマッターホルンなどと書いてある。なるほど見る方角によっては、確かに
先端が三角形となっていて、こんな山に登れるのか?といった気持ちさえ抱かせる。
ともあれ当日は予想通りの絶好の秋晴れである。湯沢には8時半頃ついた。例によって一服
してから出発である。N君の家から登山口の旭原までは車で行けばそんなに遠くない。登山口
の辺りは最後の紅葉で燃えたたんばかりであった。
 杉林の草地を行ってから丸木橋で左岸に渡る。そしてやがて北沢・ムラキ沢出会いと呼ばれる
所の徒渉点に付く。飛び石沿いに対岸に渡らなければならないのだが、Uさんはこういう所が
苦手で躊躇しているとN君から発破を掛けられる。まあしかし水量の多い時は確かにビビル所
ではある。さて尾根に取り付くがこれがなかなかの急登でロープもいたるところに張られている。
しかし登りの時はさほど必要だとは思われない。N君を先頭に軽快に登っていく。右手に万太郎山
の姿が見えてくる。私たちが「いつか登りたい山だね。」などと話していてもN君は「知らない、僕は
いやだよ。ご勝手にどうぞ。」などとつれない返事をする。だがそんな憎まれ口を利いていたバチが
当たったのか、何かN君の調子がおかしくなって来た。どうやら腹具合がおかしいらしい。
N君よ、一体朝食は何を食ったんだ?最初の威勢はどこへやら、脂汗を流しながら歩いているのを
見るとさすがに気の毒になってきた。休憩をしてN君の体力の回復を待った。出すものを出したら
少しは楽になったようだ。と言う訳で今度は私が先頭を行くことになった。ようやく急登も終わり
稜線上に出た。だいぶ歩きやすくなってきたし、快晴なのでまことに気分が良い。やはり山登りは
晴れていなくては。
 やがて大源太山の頂上が稜線上に見えてきた。もう一頑張りだが記念写真を撮りながら休憩。
道はやがてやせた岩尾根にかかる。ガレている場所もあるので注意が必要だ。このあたり大勢で
登るようなところではない。むしろ下りのほうが危険かも。一杯入っていたらなおさらだ。
鎖も所々に見え始めた。最後の急登と言った所か。頂上から降りて来る人に出会った。勢いが
付いて足を踏み外しそうになったようだ。やはり油断はならない。
 頂上に着いた。快晴で眺望抜群。360度のパノラマだ。頂上は意外に広く南北に長い。方角に
よっては尖った三角形に見える姿からはとても想像出来ない。湯沢の町並みや開発で痛んだ
飯士山麓の様子も良くわかる。目を転ずれば巻機山と思われる山もはっきり見える。いや〜気分
は最高。二日前の二王子岳のリベンジようやく成れり。写真を撮るのが忙しい。
さらに七つ小屋方面へ向かう稜線も見て取れる。遠方は谷川連峰か?Uさんはこのまま七つ小屋
方面へ向かいたかったようだが、時間がないのでやめることにした。何せ朝の9時に登山口を出る
ようではね。頂上には既に初老の御夫婦が居られた。我々と楽しく談笑した後、下山して行った。
昼食を取ったらN君もようやく元気が出てきたようだ。それにしてもこの人はいつも大して荷物を
持たない。せめて昼飯くらい持ってきてよ。
 頂上でゆっくり休んで下山に向かう。上りは3時間近く掛かったが、下りはあっという間で1時間半
で着いてしまった。まだ早かったので大源太キャニオンの紅葉を楽しんでから温泉に向かった。
N君の地元湯沢の「駒子の湯」で汗を流して帰途についた。今回は満足、満足。N君ありがとうね。