ショージ君のよたよた海外旅行
中国・上海


June 1993 / NanjingTong Lu Shanghai China
 

              南京東路のおカミさん

 中国を旅すると一度やニ度は路上での口喧嘩を目撃する。あれだけ
の人口である、抽がふれたり肩がぶつかったりすることも多いのだろ
う。それに、このところの拝金主義、他人を踏み倒してでもという風
潮が小競り合いを生む。まあ、それだけでもあるまい。多分に国民性
という面もあるような気がする。                
 市場などでも、客と露店の声高なやりとりをよく見かけるが、それ
だって、私には口論のように聞こえてしまうことがある。ただ、時折
笑顔が混じったりするところをみると、あれはあれで、一種の約束ご
とみたいなもので、彼らにとっては至極当然な成行きなのかもしれな
い。                             
 ところで、上海随一の繁華街・南京東路で、これぞ本格派中国式怒
鳴り合いという場面に遭遇した。渋滞で動かなくなったバスの中から
の見物である。お惣菜屋の夫婦喧嘩だった。だいたい、夫婦の口喧嘩
は古今東西、女のほうが優勢のうちに終息に向かうのが相場となって
いる。このケースの場合もそれらしき雰囲気があった。だが、取り囲
む大勢の野次馬のほかに、われわれバス仕立ての臨時外国人席まであ
るというのだから、双方ともになかなか引き下がるわけにいかない。
吠えるわ吠えるわ、集中豪雨のように激しくやりあうのだ。ただ、残
念ながら、この夫婦の絶叫デスマッチの場合、我々には意味不明のま
ま推移していくので「問題点はなにか? 形勢はどうなのか?」という
点において、いまひとつ興趣が落ちるという難点があった。もうそろ
そろ、殴り合いになるかな?と、見ていても、なかなか、そこまでは
いかない。中国の、この種の喧嘩は大声の口論が延々と続くが、ほと
んど殴り合いになる確率は少ないそうである。          

 ま、それはともかく、このおカミさん。突然、店から飛び出して、
歩道においてあったイスを蹴飛ばしておいて、最後、遠吠えをかまし
ておいて座り込んだのである。もしかしたら、旦那が手にしている商
売用の包丁が気になったのかもしれない。どうやら、一時休戦という
ことらしい。                         
 そんなおカミさんを、バスなかからカメラでしっかり記録させても
らった。というわけ。                     


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Last updated: October 5. 2001