ショージ君のよたよた海外旅行
中国・香港


October 1995 / HongKong China

             香港は、おすすめ上手

 ホーチミンからの帰路、返還前の香港に立ち寄った。これが、私には
はじめての香港だった。                     
 その香港、実に騒がしいというか慌しいところだという印象が残って
いる。あの時の香港は、全くもう四六時中、あれ買えこれ買えというの
である。バスのガイドさんだって、これがまたひときわ商売熱心なの 
だ。                              
 彼らはガイドの仕事もそっちのけで「コレ、ナンニデモキクヨ コレ
ホンコンノ キセキ」などと、軟膏やらお肌クリームなどを売るのであ
る。もちろんバスのなかだけではない。「きょうのお客さんだけ特別の
店つれていく」なぁーんて、頼みもしないのにジャッキーチエーンが経
営するとかいう高級ブランド店へ連れて行ってくれたりする。    

 実は、昨日までサイゴンだとかベトナムなんとかといったブランドの
一枚100円,200円くらいのTシャツや短パンばっかり買いこんで
いた私に、いきなり1本1万円のネクタイを「コレ、トテモヤスイ」と
言われても困ってしまうのだ。                
  
 そうそう、この時一緒に旅をしていたお金持ちのKさんの場合は少し
様子が違う。Kさんは、4日もいたホーチミンではたいした買い物はし
なかったのに香港についたとたんにフェラガモだとかベルサーチにグッ
チ、フェンディ、それにエルメスなどと何だか変な名前の物を買いまく
る。何万円もする物を次々と買いながら「香港はやっぱり安い」など

いうのだ。       
                     
              
       
 
丘の上のへんてこりんな公園に行ったときに写した香港)  
                     
 そんな香港での深夜のこと。おすすめ上手の香港はなかなかその手
を緩めようとはしない。K
さんに「そろそろ寝ちゃいますか」なんて
ことを言っていたらノックの音がする。出てみると香水のきつーいお
嬢さんが二人、笑顔で立っているではありませんか。あらあら、商売
熱心な香港はまたこんな深夜に、香水でも売りに来たのかと思ったら、
なんとまぁ「私達を買わないか」というのだからびっくりこいだ。 

 私たちを買ってたって、もうすでに私のスーツケースにはベトナム
ブラのTシャツやら短パンなどで満杯なんだから、こんな大きなお嬢
さんを買ったって、もうどうすることもできやしない。Kさんにした
ってフェラガモにベルサーチ、グッチ、フェンディ、エルメス、その
うえにバレンチノにダンヒル、アルマーニまで追加したっていうんだ
から、彼のほうだって満杯状態なのだ。             
 あぁ、やだやだ。本当にもう香港てぇところは、どこまでも「あれ
買え、これ買え」というところである。             
      *   *   *   *   *        
 だからホラ、香港を飛び立つ飛行機はどれもこれも重たそうなので
ある。お買い物満杯のスーツケースで膨れあがった機体は「それ、よ
っこらしょ」と機首を上げたかと思うと、もう一度、高層ビルにつっ
かかりそうになりながら飛び立っていくではありませんか。    
 ねっ、ねっ。そうでしょっ (1996.記) 
 
 

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Last updated: October 5. 2001