海事代理士試験受験記平成23年度
| 平成22年の年末にふと「何か資格を取ろう!」と思い、一応、熟考した結果、海事代理士試験の受験を決意! 船員法(船員の労働法)を勉強したことを形に残しておきたかったとの理由もありますが、正直に言うと、合格率の高さも一要因でした。 しかし土地柄、周りに海事代理士をはじめ、海事代理士受験経験者すらおらず、何も分からないので試験内容から調べ、1月中旬より勉強を開始。 当初は、国土交通省のHPにある過去問(H22・21年)を印刷して読んでいましたが、その時に「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」の模範解答を見て、こんな単語を暗記できるだろうか?と不安になった事が忘れられません。 |
| その後、用意したもの ・海事代理士合格マニュアル《二訂版》 ・概説 海事法規 (成山堂) ・海事六法 2010年版 足りない部分は、ネットからプリントして利用しました。(下記) ・造船法規則 ・港湾運送事業法施行規則 ・船員職業安定法施行規則 他にもいくつかプリントしましたが、上記以外はほとんど使いませんでした。 勉強時間は、1日30分〜60分くらいでしたが、出来る限り毎日するように心掛けました。 |
| 毎日、合格マニュアルより1日1〜2科目を解き続けるだけの繰り返しで、さすがに5月頃には飽きてきました。 そのためゴールデンウィークにはモチベーションを維持するために海に出かけて、操舵と錨のキーホルダーを買ってみたりと・・・ この頃は思いのほか、知識が定着せず、不安もあったように思います。 何よりも聞いたこともない単語と専門用語には苦しめられました。 そのため、5月中旬からは科目ごとの勉強を一休みし、過去の試験問題を国土交通省のHPからプリントして、試験形式の勉強を行いました。 私の中では、憲法・民法・商法の勉強が苦手でしたが、海商法を除いて過去に勉強したこともあったので、試験直前にすればとずっと避けていました。しかしこのままでは駄目だと思い、やっと手を付け始めたのが7月になってからでした。 |
| そんな中、7月後半に足首を骨折してしまい、救急車で運ばれ入院という事態が発生! 思いの他、酷い状況で手術も必要とのこと。結局ボルトを4本装着! どんなに頑張っても1ヶ月弱の入院が必要になってしまった。 当初は、かなり落ち込んだが、入院中はすることもないので勉強をすることを決意! お盆時期を挟んだため、これがまた想像以上に暇ですることがなく、さらにとても快適な病院で勉強に集中できる環境であったため、この時期に1日3時間〜4時間程度の勉強を実施。 この時期に受験申込みをしたこともあり、モチベーションも急上昇! 何となく一気に知識が定着した感じを受け、9月末の筆記試験を意識するようになってきました。 この時期に「海事代理士合格マニュアル」《三訂版》が出たので、こちらも早速、購入しました。 |
| 退院後は、勉強疲れから一気にモチベーションダウン・・・ このままではやばいと思いながらも、全く勉強にならず。 机に座って字を書くのに飽きていたので、ダラダラと口述の問題を読み続ける日々・・・ 今思うと、口述の内容が筆記試験に役立ったと思います。 そうしているうちに筆記試験の時期になってしまいました。 |
| (9月30日・筆記試験) 当初、筆記試験は横浜と新潟(北陸信越運輸局)で悩みましたが、横浜(関東運輸局)を選択。 何はともあれ、試験までに2本足で歩けるようになって良かった! 筆記試験前日の仕事が終わった後、電車にて横浜入り。到着は21時過ぎだったと思います。 予約しておいたビジネスホテルに入り、近くのコンビニで食料調達。 試験会場も調べておきたかったが、迷子になりそうなので、取りやめ。 食事を済ませ勉強しようと思ったが、気分が乗らず、そのままグデグデ・・・24時頃就寝。 ![]() 翌朝、会場へ向かおうと思ったが方向が分からず、とりあえず海のほうへ向かうと庁舎らしき建物発見! 人の波に付いて行くと、どうやら試験会場の様子…しかし人の波は試験とは無関係らしい・・・ |
| 試験会場でいつも思うのですが、みんなものすごく勉強してて頭が良さそう・・・みんな大量の書籍や資料を持参している。 私は、合格マニュアルしか持ってきていない・・・ 緊張の中、9時〜17時10分までの長時間の試験が開始! (18科目・220点満点で、合格ラインは6割以上の正解かつ平均正答率を上回ること) いきなり苦手な4科目(憲法・民法・商法・国土交通省設置法) 正直、よくわからないが、他の科目で取り返せば良いと自分をリラックスさせる。 時間はそれほど掛からなかったが、できている感じが全くしない・・・とりあえず部屋を出る。 庁舎の上階に控え室があるというので、そこで次の科目を見直す。 ![]() 正直、いまだに国土交通省設置法はよくわからない・・・ |
| そして第2クール開始!(船員法・船員職業安定法・船舶職員及び小型船舶操縦者法) 何となく解いてはいるが、過去問と明らかに感じが違う様子・・・それともただの勉強不足か? それでもどうにか船員法と船員職安法を終わりにし、船舶職員及び小型船舶操縦者法(以下、船舶職員法)へ突入! ここで絶句!全くわからない。とりあえず勘で解答したが、ここで平常心が崩壊・・・ この不安が、終わりまで尾を引く・・・(結局、船舶職員法は、20点中7点) 正答率35%! |
| 退室後、控え室に行くも気持ちが落ち込んでしまったため、外に出て近くのベンチで自己暗示! まだ午後の試験の結果によっては、合格も可能だと・・・ 第3クール開始!(海上運送法・港湾運送事業法・内航海運業法・港則法・海上交通安全法・海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律) この6科目は、各科目ごとの区別もよくわかっておらず、正直、苦手な科目達。 しかしここで得点を稼いで、午前の失点を取り返さなくては合格はありえない! 今日、一番の集中力で挑む! 各科目6割はできている感じはあるが、午前の失点を取り返すためには各科目8割を目指したい。 このまま突破だと思った瞬間!港則法で硬直!「特定港を5つ選びなさい」 この問題数から考えるに1問1点か?しかし全く分からず・・・とりあえず適当に記入。 (結局、問2は、5問中1問しか正解せず) またもや平常心を失いながらも、気を取り直して次の海上交通安全法に突入!ここでまた硬直! 正しい用語には○を、間違っている用語は正しい用語を書きなさいという問題。 問2の5問中、1問しか分からない。終わった・・・ しかしこのままでは終われないと、唯一わかった問3に「1.000」と記入し、他はすべて○を記入! 合っていても実力ではないが、そんなことも言っていられない。 しかし退室時には、何とも言えない失望感が・・・ |
| ここで吹っ切れたのか、急に空腹感に襲われる。(時刻は午後2時過ぎくらいだったと思います) 運輸局内の喫茶店で食事を済ませ、もう一度、外に出る。 もう駄目かもしれないが、残りの5科目がずべて満点ならば、まだ合格もあるかもしれないと自分に暗示を掛ける。 そして最終第4クールに突入!(船舶法・船舶安全法・船舶のトン数の測度に関する法律・造船法・国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律) 長時間であることと、精神的な絶望感が生じたことによる疲れにより、ある種、無気力な平常心で最終クールに突入。あとは最後までやるだけとの思い。 強いて言えば、苦手な造船法が一つのポイントになるだろうとの不安が交錯する。 点数は分からないが、造船法をどうにかクリア!最後の国際航海保安法もとりあえず全て埋めることができ、本日の試験終了! 最後に模範解答を配布してくれるというので、控え室で待機。とにかく疲れたのひと言・・・ |
| 疲れのため、帰りの通勤ラッシュには耐えられないと判断し、生まれて2度目のグリーン車を利用。 答え合わせはしないつもりでいたが、このままではモヤモヤが取れないので、電車内で自己採点。 憲法7・民法5・商法5・国交設置法6・船員法13・船舶職員7・・・港則法5・造船法9・国際航海船舶10 自己採点で149点(正答率67.7%) 正直、思ったより出来ていてビックリ! 当初、不安だった国際航海船舶保安確保法が、終わってみれば唯一の満点科目だったのはとても意外でした。 とりあえず6割を超えていたのでホッとしましたが、平均正答率がわからないので、とりあえず発表日まで不安な気持ちで待つこととなりました。 悔しかったのは、船員法で以下のように回答してしまったこと。 (正)上陸禁止 → (私)上陸の禁止 (正)船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき → (私)船員が負傷又は疾病により職務に堪えないとき 上記のどちらかでも合っていれば150点台に乗るのでいいなと思いましたが、点数が出ないので結局は分からず終いです。意味は同じでも、条文からの出題なので条文どおりの解答が必要だと思われます。 他にも冷静に考えれば出来たはずの問題も相当数ありましたが、それは誰でも同じなのでしょう・・・ |
| 一応、6割を超えていたので、翌々日から口述の勉強を始める。 とは言っても、何をすれば良いのかわからないので、合格マニュアルの過去問のみを暗記することに限定し、暇があるときは「概説 海事法規」を読んで過ごしました。 特に10月中は何となく勉強している感じで、あまり真剣ではありませんでした。 |
| 待ちに待った10月28日の合格発表日が到来! 国土交通省のHPを見ると、自分の受験番号を発見! 筆記合格! 平均正答率は、54.88%だったので、合格ラインは60%の132点! ものすごくうれしかったが同時に、翌日送られてきた筆記試験合格通知と一緒に同封されていた口述試験の案内を一読し、口述試験が現実的になったことによる不安に取り付かれる・・・ |
| その日から真剣に口述試験の勉強を始めるが、不安は募るばかり! ネットなどを見ると、他の人はボイスレコーダーを使ったり、他の人に試験官役を頼んだり、口述模擬試験を受けている人もいる様子だし、さらには過去問はそのまま出題されずに専門用語を絡めて質問されるとの事。 東京などほとんど行かない私が、霞ヶ関の国土交通省に行くというだけでも不安だらけなのに、それに試験の不安が重なり、すでに試験を楽しむ感覚は消滅! 早く試験が終わることを願うばかり! |
| しかし無常にもその日(11月28日)はやってきた。 湘南新宿ラインに乗り、池袋駅へ・・・そこから人生初の東京メトロに乗り、かなり早めに国土交通省を目指す! 霞ヶ関で降りたものの、周りは全て官庁街…同封された地図を見ても既に方角が分からなくなっているので、はっきり言って迷子・・・ 近くの庁舎に入り、警備員に場所を教えてもらい、何とか国土交通省に到着! でも庁舎内でまた迷子!それらしい人がいる所へ向かい、どうにか試験場所を発見! とりあえず田舎者丸出しの自分を否定するかのように、庁舎内のタリーズコーヒーでコーヒーをたしなむ・・・が、味など全く分からない! 受付時間になり控え室へ行くと、皆、机で勉強している。 いまから勉強しても頭には入らないと思ったが、ボケッともしていられないので、勉強している振りをして過ごす。 一定間隔ごとに番号が呼ばれ、4人づつ外に出て行く。何となくこれから刑が執行されるような雰囲気。 しかし無常にも、自分の番号が呼ばれる番に・・・ 廊下で説明を受けるが、心臓から動悸がしてくる・・・落ち着け!・・・そして部屋に入るように言われ入室。 |
| 中に入ると当然のように試験官が4人・・・ 台の上に荷物を置くように言われたが、先に入った3人が荷物を置くと、私の置き場所がない! 仕方がないので荷物を台の横の下に置いて席に着くが…荷物の状況から何となく3人が合格して、私だけ落ちることを暗示しているような不吉な予感・・・ しかしそのまま、1科目3分×4科目=12分の戦いが始まる! 私は、船員法から始まりましたが、雰囲気に呑まれ「わかりません」を連発! もう一度聞いてくれたので、その時にどうにか回答した状況。 船員手帳の問題は完全にわからず未回答。 しかし4問回答できたため、少し冷静さと落ち着きを取り戻す。 (後日、見直したところ正解は3問と思われる) 次に、船舶法! 何問回答できたのか何を答えたのか全く記憶がないが、感覚的には大きく間違ったイメージもない感じ。(4問はできてたかな?) 次は、船舶職員及び小型船舶操縦者法! 1・2・3問目で「わかりません」を連発、4問目と5問目は答えたが、どちらか一つは確実に間違っている。 問題の出し直しをしてもらったが、できるかできないかについて聞かれ、「できるがその理由は分かりません」などとバカ丸出しの回答。 もう一問は、問題を聞いて、答えが閃いた!が、回答中に3分が経過してしまい「できる」と答えたが、その理由をわかりながら言えませんでした。 この時点で、不合格が頭をよぎる・・・ (部分点がなければ2点もしくは0点か?) 最後は、船舶安全法! こちらはとりあえず4問目まで回答。 5問目は、確か長い答えだったと思ったが、全てを暗記していなかったので、項目だけを回答したら、「それで十分ですよ」と優しい言葉が! これで良かったのか?とは思ったが、試験官の印象から「間違っているのでもう十分ですよ」という印象でもなかったので、合っていたのかなと勝手に解釈。 (10点取れているかな?) とりあえず試験を終了し、そのまま国土交通省を出る。 はっきり言って、合否の予想が全くわからない。 ( 各科目10点の4科目で40点満点。合格ラインは6割・24点以上 ) あまりの疲労により、帰りの電車では立っていられないと判断。 虎の門駅まで歩き、東京メトロ新宿線で上野駅へ! 座って帰るためだけに上野駅に向かい、上野始発の高崎線に乗り、帰宅。 |
| その後、ネットなどを見ると、今年の口述は簡単だったとの意見が多数。 「本当にそうなのか?ということは私はバカなのか?」と、ほとんどの問題でつっかえてしまった事を思い出し悔やむ毎日。 日によっては受かっているかな?と思ったり、またある時は22点位ではないだろうか?と思ったり、部分点はあるのだろうか?などと、ものすごく精神衛生的に悪い日々を送ることになる。 1日1日が長く、12月15日には精神的に参ったのかどうかは分かりませんが、風邪で寝込んでしまいました。 ともあれ12月16日は朝9時からパソコンの前で待っていましたが、なかなか更新されず。 9時30分には疲れてしまいましたが、ようやく「平成23年度海事代理士試験合格者発表」の表示。 早速、確認! 自分の番号を発見! 口述合格! うれしさよりもしばし呆然! その後、うれしさと同時に、やっと終わったという浮遊感に全身が包まれ、長い1年間が報われた感じでした。 今思えば、この1年間は充実していてとても楽しかったのですが、試験自体は、もう2度と受けたくないというのが正直な気持ちです。 今年の口述は、合格率が8割を超えていて、ここ数年に比べれば簡単だったのかもしれません。 難しい時に合格すれば自信にもなるのでしょうが、とりあえず簡単であっても合格できたので、十分に満足です。 部分点がないとすれば、口述試験はギリギリか、出来ていても28点(7割)には達していないと思われますが、私は満足しています。 |
| 翌日には、国土交通省から合格証書が送られて来ました。 国土交通大臣の名前が入っている合格証書を見ると、国家資格を取得したんだなあと、何となくうれしくなります。 |
| 一緒に海事代理士会の講習案内が入っておりました。 海事代理士会の入会は任意なのですが、登録するときには入会すべきかなと思っております。 但し、現段階では登録は考えていません。 |
| 何もわからない状況でしたが、どうにか合格することができました。 私の体験が、これから海事代理士試験の受験を検討している人の参考になれば幸いです。 個人的な感想としては、特殊なことをしなくても過去問をしっかり勉強すれば、合格点には達すると思っております。時間があれば「概説 海事法規」を購入して、試験科目について目を通しておくと尚良いと思います。 |