FLOTの日常(ARKの日常番外編)
注)
なお,この話は事実カップ一杯にフィクション小匙一杯、
嘘八百を少々、お好みでノリを加えてよくかき混ぜたものです。
細かいこと気にしちゃーいけません。
てーか、そんな細かい事いう人なんか嫌いだい。
◎月×日 晴れ
今日はいい天気。
こんな日は縁側でゆっくりくつろいで茶でも啜っているに限る。
爺臭いというなかれ。
世の中平穏が一番なんです。
いい日だ。
隣でたれまくってるアークの馬鹿さえいなけりゃ、ほんとにのどかなんだが…
アーク「うにゅ? どったんだ、フロット兄?」
俺「気にせず寝てろ。 ってーか、どっか行け」
アーク「うう、今帰るとラッコ姉とココナの折檻が待ってるんすよー(><」
俺「……お前、今度は何にやった?」
アーク「いや、それが…」
俺「話してみな、大丈夫だ告げ口なんてしねーよ」
無論、アークとの約束は守る。
とりあえず、後ろ手で通信石をラッコさんへとつなぐ。
これでこの後の会話は向こうに聞こえるはずだ。
俺は告げ口はしない。
ラッコさんに伝えるのはアーク自身だ。
俺「で、何やったんだ?」
アーク「いやー、心当たりがありすぎていったいどれがばれたのやら…」
俺「…んなにやったのか、おい」
アーク「ココナの服を包帯代わりに切り刻んだことかな?
ラッコ姉の刀でニンニク料理作ったことかな?
いや、あれかな? いやいや、こっちのかな?」
俺「……」
アークの独白が続く。
なかなかの戦歴だ。
なんか、手に持った通信石から怒りのこもった声が響いて来てる。
音量を最小にしてなかったらやばかったな。
俺「ま、ほとぼり冷めるまで置いてやるから、俺のうちでゆっくりしてな」
アーク「うぃ、助かるっす」
とりあえず、通信石に聞こえるように現在位置を伝え、心でアークの為に
十字を切る(それくらいはしてやるさ)
あとは、ラッコさん達がくるまでアークをここに引き止めてればいいか。
アーク「……暇」
俺「ふむ、ならば俺の若い頃の冒険譚でも聞かせてやろう」
アーク「なんか、あんま期待できんが聞いてやるよ」
俺「うむ、ではプロローグだ」
アーク「…長そうな話だな」
俺「気にすんな。
あれは俺が姫を助けるために聖剣えくすかりぱーをもって魔王の城へ……」
アーク「ちょっとまてい、馬鹿兄貴」
俺「ぬ。まだ話は始まったばかりだぞ」
まったく、人の話も最後まで聞けんとは一体誰に似たのか…
アーク「何が悲しゅうてプロローグから電波バリバリの妄想与太話をきかにゃならんのだ!!」
俺「む。まあ、確かに多少の脚色は認めるが…」
アーク「120%妄想だ!!」
うぬ、生意気な奴め。
本来なら弓で追い出してやりたいとこだが…
ここはラッコさん達を待った方が面白い。
ならば、ここはぐっと我慢だ。
俺「仕方ない。
じゃあ、ちっとランクは下がるがおいらの最近の冒険を聞かせてやろう」
アーク「そういや、最近一人であちこち行ってるみたいだね」
そう、最近一人であっちこっちに行くのが俺の趣味になってきている。
なかなかにスリリングなとこが多い。
そうあの時も…
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なんてーか、最近俺影薄いよな。
てか、アークが濃すぎんだよ。
このままじゃ、いかん。
やはり兄としての威厳を示さねば……
あれだ。
この兄が如何に優れているか示すんだ。
まずは戦闘スキルだ。
そういや、アークの馬鹿はメイスと盾とタクがGMだったな。
えっと、俺はっと……
…あれだな。
暴力はいかんよ、何も生まないから。
戦う為のスキルがいくら高くてもそんなの自慢にはならねんだ。
えーと、魔法は…マヨネがGMだったな。
じゃ、じゃあ、鍵開けは……駄目だ。
かに丸子のキャラクターに勝つ自信はねー(><)
うにゅ、よく考えてみると俺ってGM一つもねーし。
誇れるものは何もなしですか?
いや、人間スキルじゃない!!
こうなったら、行動で威厳を示すしかないな。
目指すはヒスロス最下層!!
黒閣下との対面(インビジ仕様)だ!!!
…ってことで、現在ヒスロス最下層。
当然インビジで隠れてます。
ここにいたるまでの阿鼻叫喚の世界はなかなかすごかった。
物陰で隠れてるたら俺と勘違いされて追って来た
モンスに殴られた人とか…
モンスに追われて逃げ回ったらまきぞい食って
悪魔に踏み潰された人とか…
モンスとの一騎打ちしてるとこにモンス引き連れて
駆け回ったせいでぼろぼろになっちゃった人とか…
もしかして、これって世に言うMPKですか?
いや、悪気はないし何より今は自分が生き延びることのほうが大事だ。
今も目の前でさくっと人が死んだりしてるけど助ける余裕なんて当然ない。
手持ちの装備は全部ノーマールの皮鎧にHQの弓だけだ。
AR13ていう輝かしい数値が全てを物語ってるな。
あんた正気ですか?っていう皆さんの視線が痛いぜ。
そしてついに黒閣下とのご対面だ。
うむ、何気に強そうだ。
でもなんとなく、怒ったヤス姉達のが怖いとか思ったのは秘密だ。
ここはやっぱり証拠写真を撮らなくちゃな。
いや、別に証拠がないと誰も信じてくれないってのじゃないぞ。
ほんとだぞ。
……泣いてなんてないやい。
まあ、それはさておき撮影だ。
しかし、どうも閣下がフレームに来てくれない。
閣下も有名人なんだから
常に笑顔を振りまきつつカメラ目線で答えるくらいのファンサービス
は欲しいものだ。
ほら閣下、こっち向いてー。
くるっ
うん、いい笑顔です閣下……はれ?
もしかして、インビジ解けてますか?
ぼぐっ
綺麗な血しぶきを散らしながら華麗に飛んだね。
まあ、黒閣下の拳を魂に刻み込んで灰色の世界のまま逃げ帰った。
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……だめだ、この話は別の話だ、別の話。
アーク「フロット兄、さっさと話せ」
俺「…うぬ、じゃあ、とっておきの奴を…」
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ヒスは駄目だ。
今の流行は宇宙だ。
ガンダムしかりマクロスしかり、宇宙(そら)は男の浪漫だ。
蜘蛛城を単独走破して宇宙に行くんだ。
数分後。
……灰色の世界じゃ、宇宙見ても仕方ねーよな。
なんか、さくっと死んだね。
やっぱ道を間違ったのが致命的だった。
相変わらず、正気ですか?的視線にさらされた死体が涙を誘う。
ま、とりあえずテクテクと宇宙への入り口の炎のとこへと向かう。
程なく到着してわかる新事実。
幽霊には宇宙(そら)へ上がる資格はないらしーです。
とかく弱者には厳しい世の中やのう。
折角ここまで来たんでチャットで愚痴ってたらドリトル先生が来てくれるらしい。
世の中まだまだ捨てたもんじゃねーです。
…そんで宇宙。
始めて見た宇宙は綺麗なんだけど、白装束着て見てると
なんかやばい世界にいるようでとっても嫌でした。
ドリトル先生「マークはしなくていいの?」
俺「今度、歩ってたどり着いた時に自分でやるからいいです」
というか、今荷物は何もねーです。
マークどころか返るのも厳しいです。
まー、歩って帰るのも一興。
ドリトル先生「この後どうするの?」
俺「ま、歩いて帰ります」
ドリトル先生「そか、じゃがんばってね」
そういって幾つかの巻物を渡して帰って行った。
ありがとうドリトル先生!!
…ちなみに、その巻物は今ごろ蜘蛛さん達が使ってるはずです。
その日、泣きながらパプアに走る幽霊を見た人。
気のせいです、忘れてください。
その後、実に5回目にして宇宙に到達した。
その間に俺の巻き添えを食ってひどい目に会った方々の冥福を祈ろう。
まあ、過ぎた事だ。
気にはすまい。
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うむ、この辺の話を脚色して都合よく話すか。
アーク「フロット兄、まだかよー」
俺「そう慌てるな。 今話す…訳にも行かなくなったな」
アーク「うぃ?」
俺「お客さんだ」
そして、アークの後ろには……
まあ、あれだね。
こんな天気のいい日には縁側でソウルフルに空を舞うアークを見ながらお茶を
飲むのも悪くない
今日はそんな一日。
おわし