ARKの日常

その4

注)
なお,この話は69.8%くらい嘘八百です。
いわゆる、フィクションってやつですな。
細かいこと気にしちゃーいけません。

てーか、そんな細かい事いう人なんか嫌いだい。
 
 

△月◎日 晴れ



ついにギルド設立の資金がたまった。



まさにいつの間にって感じだった。
きっと
おいら以外のみんなががんばったんだろう


そんな訳でギルドメンバーのラッコ姉とラングさんと共に
フロット兄の家へと来ている。


この家にギルドの設立記念碑を置く事に決めたのだ。
ギルドに入らないフロット兄の家に置くってのも
おかしな話だが他に置く場所がねえんだから仕方ない。



当初、フロット兄のいない間に勝手に設立し、撤去不可能になってから
種明かしをしてなし崩し的に置くっていうナイスな案もあったんだけど
何故か他のギルメンからの反対にあってあえなく断念。



フロット兄に遠慮なんてすることないと思うんだけど…・



その後、この提案がフロット兄にばれて
子供が受けたら生涯トラウマが残る
ようなことをやられたりしたんだが
思いだしたくないんで割愛する。



結局、ラッコ姉との話し合いによってフロット兄は記念碑を置くことを
快諾したらしい。
(その間、気絶してたんでどんな話し合いがあったかは知らない(T^T)


…おいらが頼めばコンマ1秒で却下してくるだろうに…

女に甘い奴だ。




そして、今日ついにギルドの登録書と記念碑を買ってきた。
これで、ついにギルド結成である。
長かったかどうかはしらんが、
つまずきまくったこの一連の騒ぎもついに
終結の時を迎えた。

そう思うと、今までの資金集めもいい思い出だ。



ふと、登録書に記入していたラッコ姉の手が止まった。
ラッコ姉の顔に何か困ったような笑みが浮かぶ。


ラッコ「そう言えば…
ギルドの名前まだ考えてなかったね





……なんかまだ先は長そうだ。



結局、今日のところは解散して、明日それぞれが考えてきた名前を出し合って
決めようという事で解散した。


そしてその次の日。
今日は昨日のメンバーに加えてフロット兄もいたりする。
なんでも、ラッコ姉が呼んでおいたらしい。
相変わらず、気配りの人である。



当然というかなんというか……
ギルドの名前なんてかけらも考えてねえです


昨日はあれから、
遊んだり食ったり寝たりで大忙しだったのだから仕方ないだろう。





……人間欲望に逆らっちゃダメだよね♪








ラッコ「それじゃあ、ギルド名決めよっか」
ラング「はーい」
おいら「うぃ」


ラッコ「そんじゃ、ラングからね」
ラング「うん。えーとね。
    あんまり複雑にしてもなんだから三人の名前の頭文字でいいんじゃないかな?」
フロット「ふむ。そうすると…
     
FRR(フロット・ラッコ・ラング)か。悪くないな」
おいら「
うるさい、黙れ馬鹿兄貴



くだらない事をほさいてる第三者を黙らせて話を進める。


おいら「で、結局どんな名前になるの?」
ラング「うーん、RRA(ラッコ・ラング・アーク)かな?」
ラッコ「悪くはないわね」
おいら「うん」


ふむ。
ギルド存続の限りおいらの名前が後世に残るわけか。
かなりいい感じだ。
これで
結成直後にギルド解散とか言ったら大笑いだが
流石にそれはないだろう。
とすれば、こいつで決めてもらうのもいいか。



フロット「へえ、いい名前だな。
     ごく自然に
下っ端のアークの名前が一番最後に来るとこなんて
     実に的を得ていて見事だ」
おいら「……」



ギルドが残る限りおいらは下っ端として名を残すですか?





…嫌過ぎます




おいら「つ、次の案にってみよう」
ラッコ「あれでもいいと思うけど、まあ出揃ってから決めますか。
    そんじゃあ、私の番ね。
    『まったり倶楽部 in Yew(MCY)』よ」


胸を張ってそうのたまうラッコ姉。
なんつーか、これが他のメンツの前なら
『舐めてますか?』とか
真顔で聞きたくなるような気もしないでもないが、おいら達には
ある意味ぴったりな名前だ。
ていうか堅苦しいのは真っ平ごめんである。

世の中、気楽が一番だ。



おいら「うん、いいかもねー」
ラング「だねー」
ラッコ「ども^^」
ラング「じゃー、次はアーク」


おいら「ふっ、こんなすばらしい二つの名前が挙がったんだ。
    今更おいらに言えることなんて何もないさ」
ラング「……」
ラッコ「……」
おいら「……ごめんなさい、考えてきませんでした」



ラング
「…宿題をしてきませんでしたね?」


そういって、にっこりと微笑むラング。



…その笑みはとっても怖いです、ラングさん。


ラッコ
……



あうう、ラッコ姉からは無言のプレッシャーがぁぁぁ…



フロット「じゃあ、変わりに俺から名前出すか。
     見てるだけってのも暇だしな」


ああ兄様、今日はそのお姿に後光が差して見えます。


フロット「
『コタツみかん(K&M)』だ。
     むろん、これは
アークの意見として登録しておいてくれ」


兄様、なんかさりげに
黒い羽と尻尾も見えます(T△T)
なぜにそんな
ふざけた名前を出すですか?


ラッコ「じゃあ、アークの意見は『コタツみかん』でいいね?」


あう、なんか決定されてるっぽい。
こんな名前はおいら的には却下だ。
ならば、自分で
ナイスでグレートな名前を考えて見せるしかあるまい。


……よし


おいら「いや、おいらとしては
『アークとその下僕達(A&G)』って…
    ……『コタツみかん』でいいです」



…なんか、みんなすごい怖いです。


とっても怖かったので、この案は封印する事にする。

人間長い物には巻かれて生きるもんだ。



ラッコ「うーん、とりあえず3つでたけど、どれにしよっか?」
ラング「悩むねー」


……なんで、『コタツみかん』なんてふざけた名前が却下されないですか?
これでまかり間違って『コタツみかん』に決まったら名前の提案者として
ギルドが消えるまで名前が残るですか?


…コタツみかんのアーク


すっげえ情けないです。



おいら「他に案はないかな?」
ラング「そだねー、いっそのことかっこいい名前って言うのもいいかもね」
ラッコ「まあ、ギルド名と活動が一致してる必要はないしね」
おいら「うんうん」


よっしゃ、話がそれてきた。
それにかっこいい名前ってのならおいらも大賛成だ。


ラング「そんじゃーなんにしよっかー」
ラッコ「んー、そだ。
    おもちゃの兵隊さん(TOY SOLDIERS)ってのはどう?」

ふむ。
日本語訳がかっこいいかどうかは別として英語で書くとなかなか決まって見えるな。
それにギルドの戦力を考えればぴったりの名前といえる。


おいら「いいね」
ラッコ「でも、これだとTSか。
    3文字くらいのが格好がつくんだけどねー」
ラング「じゃあ、頭にかわいい(Pretty)ってつけようよ」
ラッコ「PTS(Pretty TOY SOLDIERS)ね。いいんじゃない?」


ふむふむ。
『かわいいおもちゃの兵隊さん』か。
なかなかに可愛らしいギルド名だ。


……いや、待て。


かっこいい名前って話はどこ消えましたか?

ふっ、所詮おいら達にかっこいい名前なんて似合いやしないのさ。



当初、みんな(おいら以外)が考えてきた名前がさくっと流れたあたり
なかなかに涙を誘うが、まあそんなこんなで新ギルド名は決定された。


名前さえ決まれば後は簡単だ。
届けを出して記念碑建てれば終わりである。

とりあえず、記念碑はフロット兄の家の屋上に建てる事にした。



さあ、今まさに記念碑が!!


ラッコ「あ、記念碑は
家の持ち主しか建てられないんだよね」


…ギルドとは関係ない第三者の手によって
  建てられようとしてます。





ラング「あれ?
    確か記念碑建てた人がギルマスになるんだよね?」
ラッコ「うん。まあ、一度建てちゃえばギルマスは変えられるんだけどね」


…待って下さい。

そうすると
この馬鹿兄貴がPTSの初代ギルマスですか?




なんつーか、第一歩目から道踏み外してませんか?




しかし、そんな事いっても仕方がない。
ここで
PTSでこの家を徴発するっていうナイスな手もあるが
ギルドの他のメンバーに止められそうだし、何よりフロット兄の
復讐がおいらに集中することは
想像するまでもない決定事項です。

そんなの嫌なんで自重します。



おいら「そんじゃ、フロット兄。
    我慢してやるから、さっさと建てな」
フロット「…なかなかに偉そうじゃないか弟よ」
おいら「気のせいだよ、兄上」
フロット「大体、おれはH$Sに入ってんだぞ」
おいら「
さっさと抜けやがれ
フロット「……ほう。
     
よっぽど地獄が見たいらしいな

ラッコ「いいかげんになさい、アーク」
おいら「…うぃ」
ラング「ごめんね、フロット」
フロット「いや、別にいいですよ。
     ギルド抜けるのは事情を話せばアキさんもわかってくれるでしょう」
ラッコ「ありがとねー」
ラング「あんがとー」



なんか、おいらと対応が違いませんか、兄上?



そんなこんなでフロット兄はH$Sを一時抜けてPTSを設立した。
そして、おいら達もPTSに入団する。
後はラッコ姉にギルマスの権利を渡してもらえば、
こんな男もう用済みである。


そんなおいらの素敵な考えに気付いたのかフロット兄はおいらのほうに視線を向けると
底意地の悪い笑みを浮かべた。


フロット
「ギルマスにとってギルメンは奴隷も同じ!!
   さあ、アーク。
   跪いて俺様の靴を舐めろ!!」







……ギルド設立の第一の行動として
   この男殺しちゃダメですか?






ラッコ「ほらほら、馬鹿やってないで」
フロット「うぃ。そだね。
     じゃ、ギルマスはラッコさんに譲るね」
ラッコ「どもども^^」


まあ、色々あったがようやくPTSが設立された。
今後も色々とあるだろうが、まあそれはそれだ。
今は、純粋に新ギルド設立を喜ぼう。



フロット「あ、アーク。
     お前の称号は俺が登録しておいてやったぞ」
おいら「なんですと?」


慌ててメンバー登録書の称号の欄を見るとしっかりと書き込まれていた。

『盾(Shield)』と。


別に悪い称号じゃない。
これから先、わが身を盾にして仲間を守っていこうという心意気を感じさせる称号だ。


フロット「他に
『スケープゴート』『人柱』とかいろいろ候補はあったんだがなー」
おいら「……」



……肝心なのは
守られる側の認識なのかもしれない。

い、いや、守る対象はこんな馬鹿兄貴じゃないんだ。
ギルメンのみんなならそんなこと思ったりしない。


そうに決まっている。
聞くまでもないことだ。
おいらは仲間を信じる







……決してほんとの事を聞くのが怖いわけじゃないぞ。

 

おわし

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