ARKの日常

その2

注)
なお,この話の大部分は嘘八百です。
細かいこと気にしちゃーいけません。
てーか、そんな細かい事いう人なんか嫌いだい。
 
 

○月△日 晴れ
 

ギルド設立の資金調達の為に、今日はオアシスに狩りに来た。
一応、主要メンバー全員(といってもラッコ姉とラングとおいらだけだけどね)で
来ている。

普段、何もしてない分こういうチャンスにこそポイントを稼いでおくべきだろう。
明るい未来の為だ。
いいとこ見せるぞ。

そして数分後、いきなりラッコ姉がはぐれたりしたが
何事もなかったかのように、狩りが続く(ひでぇ?)

ま、誰か一人でもいればおいらの活躍は伝わるわけだし問題ないよね。
 

そんなこんなで獲物を求めて彷徨っているとさくっとラングともはぐれた。
とかくこの世はままならねー。
このままじゃ、おいらの活躍が広がらないじゃないか。


そんな時、通信石にラングから連絡が入った。

おいら「どったの?」
ラング「ラッコ姉,死んじゃった」
おいら「・・・・・は?」

さすがラッコ姉,おいらの視界から消えてからの数分間の間にも
大冒険をかましたくれたらしい。

ギルドのマスターになるべき人物というのはなかなかに侮りがたいもんだ。
 

??「GAAA…」

おいら「そっかー、でも何にやられたの?」
ラング「んー、ワイバーンみたい」
おいら「……ワイバーンね」

どかっ……

…ワイバーンか。
確かにデンジャーな相手だ。

…ばきっ…

魔法こそ使わないものの,その爪の一撃と尻尾に秘めた
毒針は歴戦の勇者すらも倒すという。

……ところで,先ほどから何げに体中痛い気がするのは何故だろう?
 


……
………あら。
ワイバーンさん,お久しぶり。
 

ラング「そっちも気をつけてね」
おいら「ちと遅い」
ラング「へ?」
おいら「今、目の前にいたりする。
    てーか,瀕死で毒くらっとる」
ラング「……」
おいら「……」
ラング「……グッバイ,あーく♪

そんな心温まる言葉に送られながら、全力ダッシュで逃げ出した。

ワイバーンと距離を取りつつも包帯を巻きまくる。

こんな布切れで解毒から死者蘇生まで出来ちまうんだから
とかくこの世は不思議でいっぱいだ。

まあ、人間細かい事気にするようになったら終わりである。
 

とりあえず、万全の状態まで回復してからワイバーンに切りかかった。

おいら「おらぁ!! ラッコ姉の仇ぃ!!」
ワイバーン「GAAAA!!」
 
 
 

そして……
 
 
 
 

毒喰らって逃げ出したのは数秒後のことだった。
 
 
 
 
 

まあ、あいつを倒してもラッコ姉が生き返るわけじゃないし…

 

無益な仇討ちなんて死んだ人は喜ばないし…

 

ラッコ姉はおいらの心の中で永遠に生き続けてもらって
夕日をバックに笑顔でも思い浮かべれば、丸く収まるし。

 

 

……何より、ワイバーン怖いし。

 

 

ラッコ「アーク、大丈夫ー?」
おいら「へ? ラッコ姉、死んだんじゃねーの?」
ラッコ「復活した」
おいら「そんなー、せっかくおいらの心の中で永遠に生き続けてもらおうと…」
ラッコ「……怒るよ?
おいら「…ごめんなさい、もう言いません」

ラッコ「ま、いいわ。
     そっちも気をつけてね」
おいら「てーか、すでにかじられた」
ラッコ「あらら、大丈夫?」
おいら「はっはっは。
    おいらを見くびっちゃだめさ。
    あれくらい、おいらの手にかかればあっという間に……」

ラッコ「あっというまに?」
おいら「……逃げました。ごめんなさい」
ラッコ「うんうん、人間正直が一番よ♪
    無理はしないことね」
おいら「いんや、意地でぶち倒す」
ラッコ「無茶は止めたほうがいいって^^;」
おいら「いや、おいらのこれからの
薔薇色で自堕落の未来のために……
    
……もとい、仲間の敵を討つのは当然のことさ!!

ラッコ「……なんか、そこはかとなくふざけたこといってたような気もするけど
    とりあえず、聞き流してあげる。まあ、無茶はしないようにね」
おいら「……うい」

 

やってやるさ。
ここで株を上げとけば……後は
うはうはさ!!

 


……
………そして,数分後。

泣きながらワーアクスを振るって、ついにワイバーンを討ち取った。

天に轟くかという咆哮を最後にその巨体が大地に倒れ伏した。
既においらの体は傷だらけで無傷な所を探すのが難しいくらいだ。

 

でも、そんなことはどうでもいい。
ようやく、この化け物を倒したんだ。
感慨にふけりながら、ワイバーンの死体をあさった。

 

ちゃら〜ん♪

ARKは100GPとりんごを一個手に入れた

 

 

 

……子供のお駄賃ですか?

 

 

なんとも言い知れぬ悔しさで胸いっぱいになったりもしたが
まあ、今回の闘いは仇討ちが目的だし、そんなこと気にしちゃいけない。
そんなことを思いつつも通信石でラッコ姉と連絡を取った。


おいら「ようやく,倒したよー」

ラッコ「おー^^」
おいら「そういや、ラッコ姉はどこで殺られたの?
    荷物回収は大丈夫?」
ラッコ「うん、大丈夫。
    ちなみに、死んだのは西の海岸付近」
おいら「…ふむ」
 

ふと、自分の周りを見渡す。
周りは山ばっかで海岸なんてまるで見えない。


…てーか、海なんてはるか向こうです。

 

……もしかして、人〔ワイバーン〕違いすか?
なんか、倒れてるワイバーンの物言わぬ視線がやけに痛く感じます。

おいら「…えーと」
ワイバーン「……」

…なかなかに,嫌なムードだ。

咳払いをかましつつ、ワイバーンに言い放った。

おいら「やるな、ワイバーン。
    友を救う為に自ら罪をかぶり、命を捨てるか。
    貴公のその心意気、見事なり!!
    友の罪は貴公の気高き命によって償われたのだ。
    貴公の事はわすれん。誇り高きワイバーンよ」


とりあえず、言うだけいって下手な突っ込みが入る前にダッシュで逃げたのは言うまでもなし。

 

その後の狩りも熾烈を極めるものとなった。

 

ワイバーンから逃げたり…

ワイバーンから逃げたり…

ワイバーンから逃げたり…
 

 

……オアシスにはワイバーンしかいないんですか?
 

 

そんなワイバーンたちを楽器一つで操り、同士討ちをさせていく
ラッコ姉とラングの二人。
見事なもんである。

ちなみに、おいらはちまちまと沸いてきたインプとの激戦中。

怪獣大戦争張りの激戦を繰り広げるワイバーン達の横でちまちまとインプを
殴る姿はとっても雑魚っぽくて涙を誘います。
既に当初の野望なんて欠片もねーです。


まあ、やっぱり人間命が一番大事だよね。

 

なんつーか、戦士として大切なものをまた一つ失ったよーな気もしないでもないが
人生そんなもんだろう。

…そんな事を考えながら、オアシスの一日が終わる。
 
 

おわし

<戻るよ>