Travel & Treasure


今回の冒険
Date:'99.8.20
To:自宅
Distance:全て自転車:約200km(うち20kmは雨に濡れた)

Travel:今世紀最後の大冒険 〜生か死か?!涙の最終回〜

ついに最終目標の、「栃木に自転車で行く」を達成しました。
今回はその帰り道です。

僕には「一度来た道をそのまま引き返さない」というポリシーがあるので、今回は益子に寄り道して294号を通るようにしました。
行きでさえ相当家族に心配されたのに、今回はさらに遠回りになるので「自分のやりたかったこと」という意思に限界を感じました。

午前9時と、今回はやや遅めのスタートとなりました。
今回は、晴れのち曇りの天気でやや気温が下がりましたが、それでも汗が額を伝って目じりから入ってきました。

10時半、益子の共販センターに到着。
共販センターというのは益子焼のメッカみたいな所です。
平日でも共販センターへの車はそこそこありました。
中に入っておちょことカップを探しました。やっぱり益子焼は素朴なものでないと。
というわけで安めの土色の陶器を探しました。
会計のあと、うちの父が絶賛している地酒「燦爛」を売っているかどうか聞いたところ、食堂で売っているということなので行って見た所、ワンカップでしか置いてありませんでした。
本当は益子焼の徳利に入ったものがあれば良かったのですが、まあ自転車だし、しょうがないか。

そして294号をひた走ると、なんだここに蔵元があるじゃないか。

そうして真岡につきました。真岡ではゲームショップですがたくさん見るところがありました。
パワーブックス、ヒーロー、ハードオフ、三遊堂。
294号の脇には真岡鉄道が見えていました。

そしておにぎりを食べ、冷水を飲みつつも二宮を抜け、茨城県に突入しました。
このとき正午。

そして茨城県は下館へやってきて、まさかのハードオフに突入。
ここでパンフレットをもらいましたが、もうこの先にはないと分かりガッカリ。
そして294号バイパスをひた走り下妻へ。
途中工事で車線がせまくて怖かったけど頑張って道路の左側を走りました。
その前にコンビニによってライフガードを買ったのですが、途中で空き瓶を落としてしまいました。
実はおにぎりの包装も風で落としていたのですが、残念ながらトラックが危険なので見捨てました。

ここでまさかのにわか雨に遭いました。
おかげで上がっていた体温が下がり、汗でべとついた腕がちょっとだけよくなりました。天気予報どおりこれは通り雨で、下妻を抜ける頃にはすっかり止んでいました。

そのときには工事中の道路は終わり、僕は車道脇の小さな通行帯を通りました。
途中作業車や農耕用トラックが走ってきましたがたいしたことはありません。
でもここはどぶさらいをやっているらしく悪臭が僕のストレスを高めてくれました。
結構長旅にはストレスが大敵なのです。

途中の午後3時ごろ、コンビニで昼を買い髪が風で立っているのに気づきました。
同じような風景を見ながら走っていると、なにやら謎の立派な城が見えてきました。
錆びた銅の屋根に白い壁で、6階ぐらいの高さがあります。

そして水海道に来ました。なにか北海道と関係があるのか?
なぜ「みなかいどう」「みずかいどう」ではなくて「みつかいどう」なのか?
ここで退屈しのぎにドリマガを買いました。
結局半分ぐらいしか見られませんでしたが。

そろそろ294号に別れを告げるときが来ました。このままでは柏に行ってしまいます。
これでは第二の目標「流山に行く」が達成できないので僕は東に進み、橋を渡って千葉県野田市に突入しました。
ここら辺でメシと飲み物を買おうかと思いましたがスーパーがなく、
このジャスコのノアなんてどうだろうと思ったらデパートではなく娯楽施設でした。

仕方ないので無理をして野田松戸有料道路へ。
途中の野田市駅のキッコーマン工場のにおいがあまりにもしょうゆでした。

有料道路には殆ど店がなく、田んぼがずーっと続いていました。
そして流山の料金所。ここでも自転車(歩行者)には抜け道が用意されていて、料金を払わずに通ってしまいました。

流山インターでちょっと戸惑って、ようやく流山駅に着きました。
このときおおよそ7時。
ここで家に電話を入れることに。
やっぱり家族にも遠回りだと言われる。
だいたいここで120kmは走ったかな?
ついでに晩ということでこんにゃく畑とアイスと午後の紅茶を買いました。
こんにゃく畑は少量で満腹感を得られるので、リポビタンDと併用するのには丁度いいと思っていました。

そして流山から橋を渡って三郷へ。
ここからは外環の下を通って帰ろうと思いましたが、結局流山草加線を通って、川口練馬線を通ることにしました。
もう外は真っ暗。
途中ファミ中という店で「爆伝」というクソゲーを買いました。

午後9時、ようやく東京都内に突入。
ここで予想外のことが。
なんと途中でタオルとリポビタンDを2本落としてしまいました。
持ってきたうち2本は既に飲んでいて、2本残っていると思って流山であのような買い物をしたのです。
このときはこんにゃく畑を恨みました。
やはりきちんとご飯を買うべきでした。
たとえそれが高度のストレスと疲労による吐き気を催しても。
結局リポビタンDを買ったのはこれから先の石神井公園あたりです。

高島平のあたりから道に迷ってしまい、結局成増をぬけて和光あたりで1kmぐらいうろつき、石神井公園へ。

最後の10km、僕はどんな格好で走ってきたんだろう、それを見ていた人はどんな目で見ていたんだろう、そんなことを思い、既に立つ足がふらふらした状態で、午後11時、僕は2度目の連絡をしました。
もうこのまま寝たら血の気が引いて冷たくなって死ぬぞって思っていたのですが、却って心配させるので止めときました。これまでに何度も思ったことです。
ですが家では既に荷造りの話をしています。
僕は改めておにぎりを2つとウィダーインゼリーを買いました。

そして見覚えのある残り5kmで、最後のリポビタンDを飲みました。
もう止まると風景がゆらゆらとぼけて見えるようなぐらいになりました。
既に流山のあたりで複数のことを考えることが出来なくなっていました。
実は昨日は4時間しか寝ていないのです。
これは大きな敗因です。
まだ負けてはいませんが。いや、負けてはならない。なんとしてでもたどり着くんだ。
まだ記憶ははっきりしていました。

目に入ってくるものが全て懐かしく、そして冷たく、また無気力に見えてきました。
なにも知らない車、
なにも知らない人、
なにも知らない電柱と標識、
そしてXDRではありませんが、学校の仲間、家族、そしてスタークルーザーやゆみみみっくすなど僕の身の回りのものを思い出し、俺は死ねないなどと考えてしまいました。
事実月光に照らされた夜の入道雲を見て、僕はスタークルーザーのパッケージにある宇宙雲を思い出しました。
まだ心の余裕はあったわけです。

短いようで長かった50分後でした。僕はなんとか自宅にたどり着きました。
日付が変わらないうちに到着したのは奇跡でした。

今回の走行距離200kmというのはかなりオーバーかもしれません。
本当は180kmぐらいかも知れません。
しかし、恐らくこれが最後の機会になると思ったので、自分で自分を誉めるという意味でこの距離にしました。
本当は自分で自分を馬鹿だと言いたい所ですがね。
Treasure:マドゥーラの翼(\590)
本当のところはこの体験自体が宝物なのですが、まあそれを具象化するとこれになりますか。
というのも、これは掲示板上でのロロさんからの強い勧めである上にAKFさん思い出のシロモノのようなので、僕もと思い、このページや掲示板を製作した記念に、という思いを込めて買ったものです。
このほかにも、日光で変色した燃えプロなんてのもありますが。

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