ゆみみみっくす


僕の歴史

96年7月、安いからといって新古品で380円で購入。友達に「買っちゃえ」といわれたことで決意した。
以前マイコンBASICマガジンの新作紹介でも見たが、「どうしてこんな変な顔してドライヤー浴びてるんだろう(お風呂シーンの後の画面)」と思ったのを覚えていて、それが印象に残ってしまっていた。
この後は、他のゲームに夢中で、当分はやらなかった。
99年10月初めて封を開けてゲームをやってみる。
ヘンな世界、不思議な体験。
プレイした後は、なぜか心が「ほのぼの」「ほんわか」して、しばらくやっているうちにその世界にハマっていくことになる。
その後、友人からときメモを買ってきてもらうが、同じことの繰り返し、非現実的で人間っぽくないキャラ、女々しい音楽、そして何よりも学校とデートスポットと自宅ぐらいしかない世界の狭さを感じ、僕はときメモを嫌いになった。
ゆみみみっくすはまるで一本道のストーリーだが、なにか世界の広さを感じた。
グラディウスの宇宙観にはまったように、僕はゆみみみっくす(竹本泉 以下先生)の世界観にはまったようだ。
世界観というものは、僕にとっては大切なものかもしれない。

そして、人にこのゲームを見せるがプレイ中に寝てしまった。
さらにすすめた友人にも買わせたがすぐ売却してしまった(しかも売値のほうが買値より高かったらしい)。
当然売るのもわかるし、飽きるのもわかる。
クソゲーと呼ばれてもしかたないかもしれない。
僕は好きではあっても批判を否定していない。

12月、僕はシリーズ続編「だいなあいらん」を買うことを決意。その後に予告編もほしくなるが探しても見つからない。
1月、予告編を探している最中に先生の画集「竹本泉☆WORLD」を購入。またメガCD版のゆみみみっくすも購入。
2月、だいなあいらんを本編・予告編ともに14日に新品で買う。
後にアンケートを送り「だいなウォッチ」をもらう。
このころから夢にまででてくるようになる。

98年3月、ゆみみみっくすPC版を購入。壁紙以外は現在使用していない。
ゲームも実は最後までプレイしていない。
ポスターは約1年間これを書いているところに張られていた。
4月、だいなあいらんPC版も購入。これも壁紙以外は使用していない。
5月、マイコンBASICマガジンの懸賞で前にもらったポスターがあたる。
99年3月、メッセサンオーでゆみみみっくす&だいなあいらんCD-Rレーベルを購入。


作者の世界

このゲームは、作者の絵に惚れ込むゲームのように見えますが、実はこのゲームは世界に惚れ込むゲームでした。さらにゲームというよりはデジタルコミック(アニメ)という方が正しいです。

作者主体で制作されたようで、ひょっとすると作者がゲーム内容まで指示したのかもしれません。
どの雑誌を見ても、「好き嫌いがはっきり分かれてしまう」「竹本ファンなら買い」と書かれています。
しかし、ただ安いからといって別に興味がなかった僕がこのゲームにはまってしまった理由は、キャラクターデザインではなく話の内容、さらに両方が組み合わさった作者の世界観(個性)にあります。

最初見たときは、「うわーギャルゲーみたいではずかしー」と思いましたが、パッケージの画面写真を見て、「何で変な顔してドライヤーかけてるの」「この選択肢は何」とか疑問に思い、いざ実際にやって見ると、 絵柄やアニメーションよりも、話の内容や独特のジョークが面白く感じました。

以下にどうして僕がはまったのかを考えて見ることにします。
まだまだ未整理です。
・ペリーローダンとか色々知らないものが出てきて、妙に知的だなと思いました。そして作者の知識を分けてもらいたい、新しいことを知りたいとおもったからかもしれません。
・何故かボケに対し突っ込みが入らなかったり、ワンテンポ遅れて突っ込みが入ったりする所がかなり独特で、かつほのぼのとして面白く感じました。
・普通とはちょっと違う弓美の思考回路が、「何でそれが思いつくんだ」「そこまで考えるか」ということまで妄想していて、「この作者って面白いところに目をつけているな」と感じました。
・どのキャラクターも好き嫌いの優越がつけにいほど個性的だと感じました。
・時々現れる不思議な創造物や可笑しな現象が「もしも〜」的で、月並みだけど面白いとかんじました。。

どうしてもほのぼのしているということが決定打です。その理由をちょっとだけ次の章で示します。


どうしてほのぼのするか? このゲームにはヒーリング効果があるとか、プレイしていて心があったまるとかいった体験談を多く聞くことができます。これは以下のような要因が考えられます。
・話自体が平和である。
・不思議なキャラクタの登場による、好奇心の増大
・色数の少ない画面による、ある種の安堵感
・たとえ殴る蹴るの場面があり選択肢で攻撃が選べるようになっても、一本道で大差がない。
あと、よく花や草木が背景としてでてきます。草木の背景は他の竹本泉のマンガ・ゲームでもよくあります。これもひょっとするとあるかもしれません。

結局のところは作者の持ち味ということですね。


グラフィックとアニメーション

作者の世界観を支える太い柱は話の内容にあると僕は考えていますが、もちろん絵柄も柱になっています。普通はこっちの方が太いと思います。

確かにグラフィックは色数が少ないですが、アニメーションは良く動いています。


ゲームとしては物足りない

このゲームはアニメーションを見ることばかりで、時折現れる選択肢で、次の行動を選ぶぐらいしかプレイヤーのできることは有りません。
遊び方としては。
・全てのアニメーションを見る(逆に言えば、全て見たら終わり)
・自分でベストなリプレイデータを作成する(そこまで難しくない)
ぐらいでしょうか。
確かにゲームはそんなに何度も遊べるようなものではなく、飽きて売ってしまうのもよく分かります。
このゲームはもはやゲームとは呼べないといわれてもしかたないです。


パソコンでのゆみみみっくす

ゆみみみっくすはFM-TOWNSとWindows95の動作するパソコンにも移植されました。移植はCRIで、技術力のある会社です。ですが、ゆみみみっくすは会社の意図する以外の方向に発展していきました。
FM-TOWNS版はプレイしていませんが、あまり有名ではなかったようです。代わりに僕も持ってるライバル機、X68000ユーザーの間で流行ったようです。
それは、「ゆみみえっくす(たぶんこれだと思う)」の存在です。
これはX68000上でゆみみみっくすのアニメーションを再生するプログラムで、ある種のエミュレータ的なものを感じさせます。X68000とCD-ROMドライブを使って、MEGA-CDのアニメーションをよりきれいに(そしてそれ以外にも…)見ることができたようです。このプログラムはX68000のCD-ROMドライブの売上を増大させたと、当時のX68000専門誌Oh!Xという雑誌でもそのような記事がありました。
そして、パソコン版は98年春に発売されました。ですが一週間後に中古が出回るといった状況でした。これは
・期待ハズレ
・マウスパッドだけほしかった
・ファンとしての義理
などが考えられます。
しかし、このソフトが発売される以前に、ゆみみみっくすはパソコン上で再生できました。さらにセガサターン版にも拡張されていました。
こういったソフトはさすがにゲーム部分まではプレイできませんが、選択肢はあっても無い物、そんなに分岐もひどくないので別にゲーム部をする必要はないです。
動画としてみても、こっちのほうはDirectXを使わない、部分部分でコマをキャプチャできる、フリーということで、僕的にはこっちのほうが上です。
「どうしてこれがあるのに今更パソコン版を出すんだ」という声は多かったはずです。
これは、おそらく本来これをスクリーンセーバーや壁紙集ということで出そうと思ったからだと思います。確かに「竹本泉スクリーンセーバーVol.1ゆみみみっくす」とかがマイコンBASICマガジンのソフト情報に乗っていたはずです。
ちなみに壁紙はともかくとして、スクリーンセーバーはあまり融通の利かないものでした。好きな画像をいろいろなエフェクトで順番・ランダム表示するというやつですが、これはフリーソフトでVectorあたりにいけばありそうです。それにBGMもつけられるのですが詳細の設定はおろかサンプルBGMすらありません。BGMは単純に繰り返すので、通常では作るのが難しいのです。
僕は入れて一週間で別のスクリーンセーバーに乗り換えました。

ところで、僕がゆみみみっくすが好きな理由の一つとして、「製作者サイドが努力して(こだわって)、ムービーなどに頼ることなく、全て従来の方式でアニメーションを描画している」ということがあります。
MEGACDやサターンより高性能なパソコン版はDirectXという技術の土台を使ってその上で描画をしている(はずな)ので、なんかエミュレータとやってることが大差ないような気がします。


続編「だいなあいらん」について


シリーズとしての続編「だいなあいらん」はこのゲームをパワーアップさせたゲームです。改良点は以下のとおり。
・前作は約90分なのに対し、このゲームは約60分。しかし選択肢による分岐が大幅にアップ。
・だいなあいらん予告編を出し、その世界をアピール。 この内容は、「主人公2人による、舞台世界の案内」「設定資料」「オープニングテーマのカラオケ」で、オープニングデモも完全収録。
・アニメーションの色数の増大
・読み込みの軽減
・サターンの機能を利用した、滑らかなスクロール(一部)
・歌を増やし、ミュージカルっぽくした。
・常に音楽を鳴らすようにした。

感想として、確かにミュージカルっぽくなっています。
やはりほのぼのとしていて、何故かエンディングでは、「この世界にもっといたいのに、残念だなぁ」といった寂しさを感じました。
ですがストーリーは前よりは奇抜ではなくなっています。
また、全部のシーンを見るという目標を設定したことは確かにゲーム性の向上に役立っているでしょうが、作業を強要しているようにも思えます。

「ゆみみみっくす」が「狭く深く」に対し、このゲームは、「広く浅く」といった感じの分岐であるといえるでしょう。


ゲームの入手について


ゆみみみっくすには、メガドライブ版、FM-TOWNS版、「ゆみみみっくすREMIX」の題名のセガサターン版、「ゆみみみっくす&だいなあいらん予告編」の題名のWindows版があります。

メガドライブ版は、発売はゲームアーツで、現在中古なら千円台で買えると思います。
新品は入手困難でしょう。

FM-TOWNS版は、発売がCRIですが、入手は新品・中古とも困難です。
また、僕も持っていないので動作環境などは不明です。

セガサターン版は、発売はゲームアーツで、新古品でも千円台で入手可能です。
おそらく中古なら千円は行かないでしょう。

Windows版は、発売はCRIで、新品ならおまけでマウスパッドが付いています。
絵柄は3種類で、恐らく現在はマウスパッドの通販を終了したと思います。
他にも、セガサターン版の「だいなあいらん予告編」をカップリングしています。
僕は発売日に買ってしまったので現在の新品の状況は分かりませんが、定価は6800円だったと思います。
また、中古であれば1980円とか2980円ぐらいで手に入ると思います。
当然マウスパッドはついてこないでしょう。

ちなみにだいなあいらんはセガサターンとWindowsで出ています。
また、先行版として、「だいなあいらん予告編」があり、セガサターンでは単品で、Windowsには「ゆみみみっくす」とカップリングされてあります。

セガサターンは発売はゲームアーツで、新品は探したことがないのですが、中古であれば1980円ぐらいで買うことができます。

Windows版は、発売はCRIで、ゆみみみっくす&だいなあいらん予告編と同様にマウスパッドが3種類あります。価格も同程度です。

予告編は、セガサターン版は現在中古で千円もしないでしょう。新品であってもそんなにはしません。
Windows版は前述のとおりゆみみみっくす&だいなあいらん予告編に収録されています。