スタークルーザー
MD/メサイヤ

1:家庭ゲーム機初のポリゴン使用ゲーム
2:システムか世界観か
3:僕が見た「宇宙」
4:どうしてこんなに安いのか
5:パソコンのスタークルーザー

こんな人におすすめ


スタークルーザーの思い出


94年、マイコンBASICマガジンの「俺を信じてコレを買え」というコーナーでこのゲームを知る。

95年11月、この記事の筆者を信じて、ゲームショップで中古で500円で買う。箱説つき。
筆者の言う通りストーリーにはまってしまう。人生で大切なテストの勉強を忘れてこのゲームに没頭する日が続く。

約10日後、ゲームをクリアする。エンディングはオープニング同様に感動のあまり涙を流した。その後音楽の聴きたさと、「ワープを使わずにクリアする」という目標にもう一度はじめからプレイし、オーディオテープに全ての曲を録音して聞いていた。

人生で大切なテストの当日も、僕は前日眠れずに鼻血を出すほどであった。そんなテストの帰りもこのゲームの音楽(曲名は「プロテクター」(Arsys Best Collectionより))が脳裏で鳴っていた。

クラスの友たちがばらばらになっていくこの日も、このゲームのエンディングテーマが流れていた。

96年4月、このゲームの影響で「宇宙地球科学第一」という授業を受ける。
またこのゲームのBGMを収録した「Arsys Best Selection」というCDを中古で購入し、その音楽に再び感動する。

96年7月、新しい友達がパソコン版のファンだったことが分かる。彼はメガドライブ版ではライトに鳴ってしまって残念といっていた。

97年2月、ソフトベンダー「TAKERU」というソフト自動販売機が撤廃されるというので、X68000版のスタークルーザーを購入する。後にX68000を8万円で先輩から譲ってもらう。スタークルーザーのために8万円払ったと言っても過言ではない。

その後、PC98版スタークルーザーIIを購入する。

97年7月、夏の暑い日にX68000版のスタークルーザーをプレイする。ハードボイルドな世界に少し感動を覚えながら、7月4日の夜明けにクリアする。この日もテストの前日だった。

そして96年8月、スタークルーザーIIをプレイする。仕事依頼のシステムは面白いが確かにX68000版の方がストーリー・ビジュアル的に優れていると思う。

そして、このゲームを制作した「サイバーヘッド」の安否が気になる。

98年10月、サイバーヘッドの方から問題指摘のメールを受け取る。ゲームを会社(開発者)で選ぶ僕にとって、「このゲームの評価が反転するかもしれない」という不安が発生した反面、会社が存続していて嬉しかった。

98年11月、CD−ROMのスタークルーザーIIを中古で購入する。486時代のゲームなのでうちのCanbeではきちんと動作せずに苦戦する。

1:家庭ゲーム機初のポリゴン使用ゲーム

僕が読んだマイコンBASICマガジンの記事には、このゲームは家庭ゲーム機初のポリゴン使用ゲームであるとありました。
少し知っているゲーマーでは、家庭ゲーム機初のポリゴン使用ゲームは「スターフォックス」という人が多いのですがこのゲームはなんと、その2年前ぐらいの1990年に発売していたのです。しかもメガドライブで。

このゲームはパソコン版でもポリゴンを使用していました。会話やデモ以外ではポリゴンによる3D処理が使われ、従来のゲームと比べて自機・障害物の距離や向きなどの情報が正確かつ視的に分かるようになりました。さらにX68000版では(他の機種では分かりませんが)向きによって面の明暗が変わるという技術も使っていました。
メガドライブ版ではそれを再現し、その特性を十分に発揮しています。

2:システムかストーリーか

このゲームを面白いと言う人にはどうやら2通りのタイプがあるようです。それは、
  • システム(ポリゴン技術や戦闘・移動など)が気に入った人
  • 世界観(ストーリーや登場人物の魅力・音楽や雰囲気など)が気に入った人 です。全般的にそうとは言えないのですが、結構このパターンが当てはまるようです。

    まずシステムが気に入った人は、ゲームシステム、その高度なポリゴン技術、3次元の特性を駆使した移動方式と戦闘方式などを評価するようです。
    これはメガドライブ版とパソコン版では違いがありますが、その違いは5:パソコンのスタークルーザーで説明し、ここでは共通する項目を挙げていきます。

    まず、ゲームシステムですが、大まかな流れは

    という感じです。だいたいRPGと同じです。目的には敵の討伐やアイテムの取得などがあります。
    自機は、宇宙空間では戦闘機、地上では戦車を使います。これらは装備を強化することもできます。 自機は移動・ワープ・ビーム発射・物質変換などでエネルギーを消費し、戦闘でダメージを受けるとシールドが減ります。シールドはエネルギーを消費して回復することができます。 ダメージが許容量を越えたりエネルギーがなくなるとゲームオーバーになります。
    次のポリゴン技術は少し上で説明しましたが、
    などがあげられます。
    次に移動と戦闘の方式をを説明します。
    これには、宇宙空間と地上があります。

    前者は主に惑星間移動のことで、通常の平面「X/Y座標」の他に地図には高さを示す値「Z座標」があり、レーダーや星系図にも具体的な数値・大きさでそれらが示されています。自機の移動も3次元的な向きと速さで制御することになります。
    また、宇宙空間には惑星だけでなく、敵や隕石があります。
    敵や隕石を武器で撃つとダメージを与え、破壊したり採取することができます。この宇宙空間ではそれらも3次元で行います。比較的攻撃が当たりにくいです。
    地上よりも物体数は少なく、小さな星が流れているような画面を見ることになります。

    後者は地表に降りた後の惑星上の移動のことです。このゲームではこちらのほうがメインになっています。
    こちらは高さの概念はなく、四角のブロックで区切られたマップになります。移動の仕方は上下が前進後退で左右が向きの変更になります。まるで3Dダンジョンのようですが、自機が向く方向が4方向でなくいろいろな方向に進むことが出切るのが特徴です。
    また戦闘は機種によって差異はありますが基本的に2次元フィールドの戦闘です。

    そして世界観が気に入った人は、ぐいぐいと引き込むストーリー、登場人物の魅力、場面と一致した音楽などを評価するようです。
    このゲームはクリアするまでに1週間はかかるというほどのボリュームなのですが、ストーリーの展開が次から次へと展開していくので中断する余裕を与えません。登場人物もパソコンとメガドライブではかなり違うのですが、これも魅力的でいい味を出しています。
    音楽もいいです。オープニングの音楽は宇宙を想像させますし、敵要塞内ではすこし緊張したシブイ音楽が雰囲気を盛り上げますし、宇宙空間の移動の音楽も人類の希望とか無の悲しみなどを感じさせてくれます。

    3:僕が見た「宇宙」

    僕は思い出の通り、このゲーム(メガドライブ版)は世界観がとても気に入りました。オープニングで涙し、主人公がしゃべらずに彼のロボットがしゃべるところが気に入ったり、ゲームセンターやハンバーガーショップなどの事件に笑ったり、最後のどんでん返しにうなずいたり、エンディングでまた涙したことは思い出に鳴っています。また、音楽がとても印象的で、今でもオープニングやエンディングを聞くと宇宙を想像したり涙を浮かべたり鳥肌をたてたりします。
    このゲームは主に地表がメインとなっているものの、やはり宇宙を強く表現しています。 このゲームは宇宙は(おそらく)無限に広がっており、どんな遠くでも行けるので「宇宙の広がり」と言うものを感じます。また、様々な形状の惑星を見ると「宇宙のふしぎ」を感じますし、最後の星系の音楽や延々と放射線状に流れていく星を見ると「宇宙の寂しさ」を感じます。
    なによりも、スタークルーザーには座標の数値により「ああ、こんなに遠くに来てしまったんだ」といったような感じを与えてくれるのが好きです。

    4:どうしてこんなに安いのか

    僕はこのゲームの値段はとても安すぎると思いました。 どうして安いのかを考えました。 1:時代を先取りしすぎた。 2:解いたらもう終わり。 3:同じ事の繰り返し。 特に3番は、うちの弟に薦めてやらせてみたところ返って来た感想です。その点は僕は納得しました。 僕が面白いと言うのはやはり「その単調さをストーリーの面白さでカバーした」というのでしょうか。他にもコのようなゲームはたくさんあります。

    5:パソコンのスタークルーザー

    僕が現在プレイしているものはX68000版のスタークルーザーと、PC9801版のスタークルーザーIIです。 これらとメガドライブ版の違いを表にしてみました。
    項目 メガドライブ版 X68000版 PC98版〜II
    メディアによる読みこみの違い ROMカートリッジなので殆ど読みこみのストレスは感じない フロッピーディスク3枚(ユーザーディスク含む) フロッピーディスク4枚(ユーザーディスク含む)。ただハードディスクにインストールできる。
    マニュアル 薄めでオールカラー。フレンドリーな調子で書かれている。 TAKERUで印刷されたマニュアルは文章ばかりで分かりにくい。 訂正部分が多すぎて改訂版を貰わないとよく分からない。
    ポリゴンのゲーム画面 色数が少なく雑な感じを受けるが、背景はきれい。 色が多くて背景、物体ともにきれい。 98の芸術とか言われるグラデーションや中間色処理も、今となっては汚く感じる。
    インターフェース 3ボタンのジョイスティックで操作するので特に問題はないが、斜め移動ができずに困ることがある。 キーボードとアナログスティック、ジョイパッドでできる。ジョイパッドがやりやすいが、同時押しでメニューを開く為平行移動しながら攻撃ということができない。 キーボードとジョイスティックに加え、マウスも使用可能に。ただジョイスティックがやはり使いやすい。
    ハードウェアの制限 ワンダーメガでも大丈夫だったので全てのメガドライブ互換機で使用できると思う。 特にX68000の機種の制限はない。TAKERU版ではX68030シリーズにも対応。 98はとにかく幅が広いので制限を受けやすい。特にサウンドボード関係。
    キャラクターの顔 ややアニメっぽい。だがクセはあまりない。 やや人物のスケッチっぽい。かなりクセがある。 左の二つの中間くらい。
    戦闘のシステム そのフィールドでのアクション。 敵に接触すると別の戦闘領域でアクション。 リアルタイムかコマンドが選べる。
    ゲームバランス 金銭がないので敵を倒さなくても先に進める。 特に武器によるエネルギー消費が大きい。またダンジョンも複雑。 上の二つを組み合わせ、バランスがよくなった。
    音楽 FM3音、PSG5音、PCM1音。スマートになった感じで新たに作られた曲も多い。 FM8音、PCM1音。独特のFM音源臭い音色で好みが分かれる。 MIDIか内蔵音源が選べ、さらに内蔵音源によって3つのバランスを選べる。内蔵音源は基本的にFM3音、SSG3音で、他の機種と比べると劣る点はある。
    ストーリー X68000版よりもマイルドに。 ハードボイルドっぽいSF。 前作より神秘的な感じになった。
    笑ったところ ゲームセンター 起動時のグラフィックと、オープニングの一枚絵が雰囲気をぶち壊してくれて笑った。あとカラーテスト。 ヘンな軍団名の敵

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    スタークルーザーは、まるで宇宙にいるような雰囲気が味わえる3Dアドベンチャーゲームです。 家庭用ゲーム機初のポリゴン使用により、だれもが夢見た宇宙空間・だれもが興奮した宇宙戦闘をより三次元的に表現しています。 このカートリッジに含まれた小宇宙には、宇宙の持つ無限の広がりと神秘・静寂があり、壮大な物語と個性に富んだ多くの仲間達があなたを待っています。 あなたも、スタークルーザーで宇宙を駆ってみませんか。 こんなひとにおすすめ
    • 手応えのあるゲームをやりたい人
    • 音楽でゲームを選んじゃう人
    • 宇宙にあこがれを持つ人
    • ポリゴンジャンキー
    • 3Dゲームが好きな人

    ゲームの入手について
    メガドライブ版は原価8800円ですが、現在は新品は難しいです。中古なら980円ぐらいで手に入ると思います。
    また、文中でパソコン版として紹介しているX68000のほかにもX1・PC98等でもあります。製造も販売も「アルシスソフトウェア」もしくは「サイバーヘッド」のはずです。また3.5インチ版と5インチ版がありますので注意してください。昔はソフトベンダー「TAKERU」でPC98・X68000版は3000ぐらいで購入できましたが、現在廃止になったので探すのは難しいです。
    ちなみにIIは98版とFM-TOWNS版があります。開発はアルシスソフトウェア・販売はジャパンホームビデオで、5インチ、3.5インチ、CD-ROM版があり、CD-ROMのほうはFM-TOWNSでも使用できます。これはIよりは探しやすいと思いますが、やはり難しいです。


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