電友下越 55号(H22.10)                電友下越へ戻る

 

 

 

 

「退職」して思うこと

                                              新潟市秋葉区 松田正志

 今年3月、テルウェル東日本を退職しました松田正志と申します。在職中は、電友会の皆さまには

一方ならぬお世話になりました。誌上をお借りし、厚く御礼申し上げます。

 電友会会員としては10年が経ちましたが、実質「会員1年生」です。どうぞ、宜しくお願いいたし

ます。

 在職中、ある上司から「在職時はライフステージに関わる手続き等は会社や労組が面倒を見てくれ

たが、退職とともに全て自分で行わねばならない。よって、早くから自立することが肝要だ」とご示

唆を頂いておったにもかかわらず準備を怠り、「4月1日」を迎えた始末です。7月末で漸く各種手続

きを終え、「今後のこと」について思案を巡らしています。

                                

 私の住まいは紡潟市秋葉区小口というところで、新津・秋葉丘陵の奥まった五泉市との境です。子

供の頃、畑を耕す時よく石鏃や土器片等が出土しましたし、縄文中期・後期の遺跡も発掘されました。

また、永久の乱で佐渡に配流された順徳上皇を追慕した第二皇子が北条氏の追っ手に襲われ自害した

地でもあります。その順徳天皇の第二皇子・顕成王を葬っている観音山・観音堂が集落の中心軸とな

って各季の祭礼や行事が行われます。昭和の30年代までは石油の採掘(帝国石油)やお茶の栽培等が

盛んで140戸の集落に活気が漲っていましたが、今日では、ご多分に漏れず高齢化・少子化・過疎化

が進み、手入れの行き届いていた山林も今は荒れ放題で寂しい限りです。

 この現象を食い止め何とかせねばと、4年前、「元気づくり・人づくり・夢づくり」をテーマに掲げ、

「町づくり委員会」が立ち上がり、里山の復活・地域(集落)の活性化に向け手探りの活動を始めま

した。例えば、1、集落内にある5ヵ所の公園の枝打ちや下草刈り等、各種ボランティア活動の展開

2、集落の共有林の間伐や植栽を通じ里山再生を図る「遊林クラブ」の活動     

3、夏祭り行事や運動会の運営方法の見直しや工夫等コミュニティー活動の充実

等など、様々な活動を模索しています。

 そんな中で取り合えず、集落を流れる能代川に何十年振りかで鮭が戻ってきたように、集落の心の

拠り所である観音山(里山)の再生と私有林の竹藪を竹林に蘇らせ、竹の子や竹炭の活用を図りたい

と思っています。能代川や観音山には約50種の野鳥が飛び交い私たちを癒してくれています。この恵

まれた自然環境の保全を次代の子供達に繋げていきたいとも思っています。

 このような活動にあたっては、多彩なメンバーと、無理せず「楽しく」をモットーに、先の夢を語

り合いながらやっています。そのメンバーからは色んなことを学びます。と同時に、在職中、会社や

諸先輩から学んだことが多々役立つこと、他のメンバーとの比較で、恵まれた環境で仕事をさせて頂

いたことの有り難さを覚えることです。 NTTに諸先輩に、感謝・感謝です。

 8月20日、「買収でシステム事業世界展開」「NTTが世界に向ける顔を変える」という新聞記事(日

経)が目に飛び込んできました。在職時、時代錯誤とも言えるNTTへの法規制に、何とかならないも

のかとヤキモキしていましたが、久しぶりに嬉しさを覚え、是非とも成功して欲しいと念じた次第で

す。退職してもやはりNTTのことが気になります。6月のことですが、自宅前で東北電力が光ケーブ

ルを架設していました。都市圈であれば理解出来ますがこんな片田舎にまで参入してくるのかとビッ

クリ。我が集落には2年前NTT東日本の光ケーブルを架設してもらい既にサービス開始されています。

また、原口総務大臣の「光の道」構想については、困ったものだと危惧しています。年金のことも気

になりますが、お世話になったNTTおよびグループの発展を願わずにはいられません。

 退職という大きな節目を超えた今日、地域での活動に生活の軸をおき、「楽しさ」と「やり甲斐」を

見出していければと思っています。

  (次回は新潟市中央区の 田部芳子さん にお願いします。)