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建築家の選び方

質問/建築家に住宅の設計を依頼したいのですがどうして選べばいいでしょうか。

回答/

◇建築家の選び方には

1.特命方式

2.面接(ヒアリング)方式

3.資質評価方式

4.プロポーザル方式

5.設計競技(コンペ)方式 等があります。

1.については今までの作品や評判によって、建築主(設計依頼者)が依頼する建築家を決める方法です。
建築主に建築家の情報があり、惚れ込んだ作風などが見つけられるのであれば、一番手間のかからない方法といえます。

2.は数名の建築家を何人か面接して、設計に対する考え方や仕事の進め方をヒアリングして、
その建築家の仕事の混み具合や相性なども考慮しながら、建築家を選ぶ方法です。
住宅設計ではこの方法が一番多くとられています。

3-5は、官公庁などが建築家を選ぶ際にとる方法で、募集要項の作成や選定基準の作成なども必要で、
住宅レベルでは少し困難な方法といえます。
(詳しくはJIAのホームページの入札に代わる設計者選定方式に関する提言をお読み下さい http://www.jia.or.jpのトピックスとコラム<業務>の項)

 特に設計競技方式については、(実施中のインターネットホームページもあるようですが、)
素人である建築主に評価ができるのかどうかが疑問で、「奇抜なプラン」を選んでしまって、
完成後に住みにくくて困っているといった相談もあります。

いずれ方法を取るにしても、
建築主の趣味や嗜好までを反映するため何度も打ち合せが必要ですし、
建物完成後も補修等への対応も必要です。
相性なども考慮してきっちり選んでください。

また、設計に必要な期間は住宅の場合で3-6ケ月が通常で、
(設計完了後に確認申請や施工者選定及び工事契約をしてから着工)
時間的に十分余裕を見て計画的に住宅づくりを進めてください。

なお、建築家の情報は当協会で建築家カタログを発刊していますので、ご参照下さい。

◇面接方式の場合のアドバイス

●まず電話で会う日時を約束してください。

●普段着で気軽に訪問しましょう。

●事務所の大小で判断しないこと。

●一人でやっている建築家もたくさんいます。事務所の経営などにわずらわされずに、自分が納得した仕事がしたいからです。

●住宅設計のキャリアの少ない人でもそれだけで判断しないこと。
すばらしい住まいを設計する可能性を秘めています。
あなたがこの人と思えば、それにかけてみるのも、ひとつの見識です。

◇あなたが建築家を初めて訪れたとき

 初めての訪問は、お互いにじっくり時間をとり、いろんなことを話し合いましょう。

●その建築家が住まいにどんな考え方をしているのか、どんな住まいをつくろうとしているのか、
どういうことに関心をもっているのか。仕事の進め方や設計期間など。

●設計報酬。これも大事なことです。遠慮なく開いてみましょう。

●設計契約について、内容、仕事の範囲、いつごろ契約するのか、どういう形式か。

◇事務所訪問は

 電話よりも詳しく話しが聞けます。ゆっくり時間をかけて話し合いましょう。
世間話、趣味の話、住宅設計と直接関係のないことでもお互いを知り合う材料になるでしょう。

また、事務所を訪問すれば、いろいろな資料が見られます。

・建築関係の図書類・写真集・作品集

・作品写真や模型

・設計図面

・建築材料のカタログ類・サンプル類