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契約書のチェックポイント (注文住宅=請負契約)  下の方にリフォームの契約についても追加しました。


最初に
工事に先立って、契約の内容を明確にした請負契約をつくります。
契約は口頭でも有効ですが、住宅建築に関しては、
1件ずつ施主の要望に応じた、何万点にも及ぶ部品を使った大きな金額のものを
数ヶ月の間に渡って契約履行するわけですし、また保証期間や瑕疵担保期間も長期に及びます。
トラブルを未然に防ぐ為にも、各種の必要事項を網羅して、
分からないことや不安なことは説明を求めてから契約するようにしましょう。

契約書の構成は
次のものを一冊に製本したもので契約書は構成されています。
これから建てていく住宅に関して
工事内容、請負代金の額、工期、代金支払方法や
変更があった際の処理の仕方、違約の処理の仕方など
複雑な内容のものを取り決めたものが契約書です。
書面1枚では言った言わないのトラブルの元。
約束した内容を詳細に表した設計図・仕様書や工事費の明細も大事な契約付属書類です。

契約書の構成(もっと詳しく知りたい方は:奈良県作成の「なら住まいカルテ」へ

工事請負契約書
契約金額・工期・代金支払方法などを文書化します。契約書締結までに約束した事項がその通り記載されているかチェックした上で、施工者と施主が双方押印し、1通ずつ保管します。
工事請負契約約款 変更の処理・違約の処理・瑕疵担保期間等を取り決めます。
民間(旧四会)連合協定や住宅金融公庫監修の標準契約約款は施主と施工者の中間的な立場で取り決められたものですが、施工業者が独自に定めた契約約款は施主に不利な条項がないか確認する必要があります。
判らないことは相手に説明を求め、納得した上で契約しましょう。

工事内訳明細書

細かい明細を
要求し説明を
求める

工事代金の内訳を材料・数量・単価を明確にした見積書です。
おおざっぱな見積書では
工事金額が適正かどうか判断もつきませんし、
変更があった際の金額の増減についても計算できません。
必ず細かい見積書を要求しましょう。
また見積書に含まれていない項目がないかも確認しておきましょう。

設計図

平面図だけでは
トラブルの元

配置図・平面図・立面図・断面図といった建物の概要をあらわした一般図の他に、
特定の部分や特殊な部分をあらわした詳細図
基礎・柱・床などの耐力上の大事な部分を表した構造図及び
電気や設備の設計図、
建物各部の仕上材の質を表した仕上表のことをいいます。
図面の見方が分からなければ、きっちり説明を求め、希望や注文が正確に反映されているか確認しておきましょう。
仕様書 図面では表すことができない品質や施工方法、メーカーなどを文書などで表したもの。
工事工程表 突貫工事は高くつく上、できあがりもあまりよくないことがあります。無理のない工期を設定しましょう。また工事費の支払も工事工程表を参考にしながら、工事の進行に合わせて3−4回に分けて支払いましょう。(月日で決めず、契約時・着工時・上棟時・完成時などの工事工程で決めるのが普通)

なお、建築家に設計を依頼された場合は、設計図書(設計図や仕様書)の作成はもちろん
請負契約書や工事工程表のチェックや支払の時期や金額についてもアドバイスします。


■リフォーム工事の契約について

契約書を取り交わしていない、または契約書があっても曖昧な内容であったり、
契約後の変更等によるトラブルが多いことから
(財)住宅リフォ−ム紛争処理センターが、契約関係書類のひな形を作成されています。
契約書や約款の他に、打ち合わせシート、工事見積書、仕上げ表、工事内容変更合意書などがあります。
契約の前にモデル書式に沿った詳細な説明をしてもらうことをお奨めします。
詳しくは
http://www.j-reform.com/shosiki/shosiki.html

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