(社)日本建築家協会近畿支部建築相談室   ホームページに戻る

建築家との家づくりガイド
 建築家に依頼するメリット
 家を建てようとしているなら、まず建築家に相談して下さい。建築家は不動産業者や建設業者と利害関係の無い独立した立場の専門家として、土地探し、資金計画から設計,工事まで計画全体にわたってあなたのために夢を実現するお手伝いをします。計画の大小にかかわらず、私たち建築家が提供できる4つの特質は、
1.自由な立場:どこからも制約をうけません
  建築家には枠はありません。ハウスメーカーや工務店などの都合ではなく、
あなたの住まい方にふさわしい
建物の構造、工法、仕上げ材料やメーカー、グレード、色彩などを制約なしに、あなたと決めることができます。
2.創造性:あなただけのオーダーメード
  あなたが求めているものが、伝統的、革新的、大胆で力強いもの、あるいは控えめなものであっても、より優れたものへ高めていきます。
誰にでも家はつくれますが、センス良く、創造性豊かに、上品にまとめるには建築家が必要です。
3.投資に見合う以上の価値が得られます
  あなたが想像もしなかったような価値あるアイデアやスペースを提案し、
間違いのない建設業者選びと適正な工事費へと導きます。
あなたは、より小さな投資でより大きな価値を手に入れることができるのです。
4. 心配事から解放されます
  私たち建築家はたんにデザインするだけではありません。プロジェクトのまとめ役でもあります。
複雑な法規への解決策を考え、申請手続きを代行し、工事契約に立ち会い、設計通り工事が行われているか独立した立場から監理します。
プロジェクトの期間を通して、あなたは建築家の専門的な知識のもとで安心が得られます。
建築家の仕事 

私たちはあなたと取り交わす業務委託契約にもとづいて、アイデアの芽生えから建物の完成まで、充分な協議と合意によって一歩一歩計画を進めていきます。
ですから建築家が個人的な好みを押しつけ、自分の作品を勝手につくるのではという懸念は要りません。
1. 設計
  住まいづくりの語らいを通じて、あなたの人生観や家族像を汲み取り、
あなたにもっともふさわしい暮らし方を一緒に考えます。
そして敷地や周辺環境、予算、法的規制などの条件の中で、
あなたの夢をかなえるための最良の解答を模索します。適切な規模と構造、工法を考え、
さまざまなプランを練って、あなたに提案をしていきます。
何度も膝をつきあわせた打ち合わせを繰り返し、あなたとの二人三脚で設計は進められていきます。

2.代理人:あなたに代わって
  家を建てるにあたり、あなたがしなければならないことは多くあります。さまざまな法律や制度への
適合のチェック、役所や公的機関との事前折衝と申請・届出、近隣への計画説明など専門知識を必要とされることも多くあります。
私たち建築家は代理人としてあなたに代わってこれらをすることができます。
専門家による良くできた計画は、あなたの時間と労力を省き成功への近道となります。

3.建設業者選定への協力
  住まいづくりの集大成である設計図や仕様書。これらがあってはじめて裏付けのある見積もりができます。
あなたは建築家が作成した図面等を使って建設業者を選定することができます。
見積書の価格が適正なものかどうかは建築家に査定してもらえます。
価格に加えて建設業者の技術があなたの家をつくるのに適切かどうかの助言も受けられます。
工事契約に立ち会ってもらい安心して工事に取りかかれます。

4.工事の監理
  あなたの家が設計通り正しく工事が行われるように建築家は監理をします。
  設計の内容が工事担当者に正確に伝わるよう打ち合わせを重ね、何度も現場に足を運び
その都度出来上がりをチェックしていきます。

5.完成その後
  完成後に不具合が生じたとき、それに対する適切な対策を考え、あなたに代わって工事業者に指示します。
その後の改装や増築の相談や設計依頼を受けることもできます。
あなたの建築家との間に結ばれた1対1のつながりは、あなたにとって一生の財産になることでしょう。

あなたの利益を守る立場

建築家とは、工事から独立して設計と監理を行い、それに対して建築主からのみ報酬をもらう立場の人です。
ですから、設計を行っていても建設会社やハウスメーカーに所属している人は、工事からの独立性という点では建築家とは異なります。
もちろん建設会社等に所属してすばらしい設計をしている人たちは多くいます。
しかし、設計者が建築主のために仕事をするためには工事からの独立性が不可欠なのです。
設計と監理を任されることは、何千万という大金の使い道を託されていると考えることもできます。

建築主の利益を守れる立場にいるのは建築家をおいてほかにいないのです。

費用はどうなるの?

建築家にすべての業務を依頼することもできれば、一部のサービスだけを受けることもできます。
一時間だけのアドバイスを受けることもできれば、計画の概要を立案してもらうことも可能です。
依頼したい事柄について費用も含めて問い合わせてみてください。きっと相談に乗ってくれるはずです。

1.建築家の業務報酬
建築家が設計や監理等をするために建築主から得る報酬で、委託契約の時に取り決めをします。
この報酬については、1979年に建築士法にもとづいて建設省告示により基準が定められました。
業務報酬は業務に要する建築家やスタッフの人件費と、それに応じた運営上の経費によって決まります。
ですから、住宅の規模や、複雑さ、構造・工法などによって総工事費に対する割合は異なり、
過去の事例では総工事費の10%以下の場合(総工事費が高い場合など)もあれば、
15%を超えるもの(総工事費が低い場合や、手の込んだ設計の場合など)もあります。

 2.建築家に依頼すると割高になる?
  割安になります。建築家が設計することで建物の付加価値が上がるだけでなく、
実際の費用も設計監理料以上の節約ができます。建築家は、あなたが家に希望することの優先順位をふまえ、
最大限に合理的な構造を考え適切な材料や仕上げを選択し、経済的な無駄を省いて
最もコストパフォーマンスの高いものに仕立てます。
さらに効率の良い設計は、長期的にはランニングコストの軽減につながります。
また、建築家が工事の見積もりや契約に関わることで、あなたに代わって
工事費をコントロールすることができるのです。

建築家と出会うには
 もしあなたの知人宅に気に入った家があったら、設計した建築家を紹介してもらえば安心でしょう。
雑誌やインターネットを見て気に入った家を探すのもひとつの方法です。
私ども建築家協会の建築家カタログを利用するのもいい方法です。
建築家を選ぶとき何より大切なことは、彼とあなたの相性が良いかという事です。
臆せず会いに行って話をしてみて下さい。
建築家は自分からあまり営業活動をしませんが、いつでも一般の人たちに開かれています。
彼は、きっと今まで手がけた家の写真を見せて説明をしてくれるでしょう。
あなたからも積極的に話しかけて、彼があなたの言葉に親身になって耳を傾けてくれるか、
お互いの意見を尊重し合えるか、そして彼の創造力と計画遂行能力に確信が持てるかが重要です。

また、近畿支部では建築家を選ぶ助言などを行う、JIA顧客支援サービス(JACSS)も実施しています。