考査問題集

JIAの会員の方で考査問題に回答される方は、専用報告用紙に回答をお書き下さい。

【Q1】いわゆるシックハウス症候群の患者は、新改築後の住居に入居後どのような 症状が出たときに疑われますか、該当する症状を含むものを1つ選びなさい。

    A.眼、鼻やのどの刺激感

    B.喘息・アトピー性皮膚炎などの発症、増悪

    C.めまい感

    D.全身倦怠感

1.AとB   2.AとBとC   3.AからDすべて

【Q2】いわゆるシックハウス症候群はいろいろな症状が発症し、他疾患との鑑別診断が困難と言われています。次のうち類似した症状を呈するのはどのような疾患でしょうか、該当するものを1つ選びなさい。

1.骨折などの外傷性疾患

2.アレルギー性疾患

3.循環器疾患

【Q3】室内空気環境に関して、誤っているものを1つ選びなさい。

1. シックハウス対策としての改正建築基準法を遵守しておれば、健全な空気環境を保持しているといえる。

2. 室内空気汚染はホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどの微量・多種の複合汚染であるが、住宅の空気汚染としてホルムアルデヒドが最も顕著な汚染物質であるとして、規制対象物質となった。

3.シックハウス症候群の主な原因は住宅の気密性の向上や冷暖房の普及による換気不足と建材・家具などからの放散汚染物質の増大である。

【Q4】シックハウス防止対策に関する記述で、正しいものを1つ選びなさい。

1. 換気すれば、暖冷房熱負荷が増大するので、在室時のみ換気すればよい。

2. 空気清浄機を使用しても、換気しなければ、良好な空気環境は得られない。

3. 建物完成後、ベイクアゥトを施せば、ホルムアルデヒドの放散量が急激に低下し、良好な空気環境状態を保つことができる。

【Q5】シックハウスにならないように注意をはらった住宅設計を依頼された時に、建築士の取るべきスタンスでもっとも正しいものを1つ選びなさい。

1. 建築基準法のシックハウス対策の内容を説明して、メーカーの対応も十分に進んでいることを理解してもらい安心してもらう。

2. 家族の健康状態をヒアリングして、喘息やアトピーなどの症状のある人について、建材について施工前に確認をしてもらう。

3. 自然素材のみ(無垢材や自然系の塗料)を使用しているので、その旨を説明して絶対に安全であることを理解してもらう。

【Q6】設計監理を行った住宅について、竣工後に測定を行ったところ、一部の化学物質が厚労省の指針値を超えていることが分かった。その場合に設計者が取るべき対応について、もっとも不適切なものを1つ選びなさい。

1. 依頼者に指針値を超えた物質があったことを報告し、原因を解明するために設計者が中心になって建材・施工材の再調査を行った。

2. 設計者より施工者の方が現場の施工中の状態を把握しているので、指針値を超えた原因の調査やその対策を立案させた。

3. 依頼者から特に健康上のクレームが出ていない場合でも、どの建材・施工材料から指針値を超える化学物質が放散しているかを把握しておく必要があると考え調査を行った。

【Q7】建築士の責任に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1. 建築士法は建築士の資格などを定めるにすぎないものであるから、建築士法に定める義務違反があったとしても、建築士は民事上の責任を問われることはない。

2. 建築士が工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときには、建築士が民事上の責任を問われることがある。

3. 建築士個人が民事上の責任を問われる場合でも、建築士事務所は民事上の責任を問われることはない。

【Q8】シックハウス対策を盛り込んだ改正建築基準法に関して、誤っているものを1つ選びなさい。

1. 改正建築基準法はホルムアルデヒドやクロルピリホスを規制したに過ぎないから、室内濃度指針値を超えるトルエンやキシレンが発生したとしても建築基準法違反となるわけではない。

2. 建築基準法改正までは法的規制がなかったわけであるが、それでも建築基準法改正以前に施工された建物につき施工業者や建築士が民事上の責任追及をされる余地はある。

3. 建築基準法改正後は、建築基準法を遵守さえしていれば、施工業者や建築士が民事上の責任追及をされることはなくなる。

【Q9】建材選びの基本的な考え方で適切なものを1つ選びなさい。

1.材料から放散されるVOCに関し「その毒性×揮発性」を考えて選ぶ。

2.材料中に含まれる化学物質の毒性だけを考えて選ぶ。

3.F☆☆☆☆であれば安全なので、それを選ぶ。

【Q10】建材情報を集めるときに適切な態度を1つ選びなさい。

1.カタログを持っていれば十分と考える。

2.MSDSですべてのことがわかるのでそれを集める。

3.カタログやMSDSだけではなく、含まれる化学物質の名前をつかむことに努力する。

【Q11】換気に関する次の記述のうち誤っているものを1つ選びなさい。

1. 第1種換気は、給気、排気とも送風機を使用するもので、室内を正圧に保つために設計する。

2. 第2種換気は、給気を送風機、排気を自然に押し出しするもので、燃焼空気を必要とする部屋に適している。

3.第3種換気は、排気を送風機、給気を自然に取り入れるもので、便所等に適している。

【Q12】室内環境に関する記述のうち、不適当なものを1つ選びなさい。

1. 貸ビルの換気量を設計するにあたり、1人当たり30?/h、居室の面積当たり1人/5m2(平方メートル)として計算した。

2. シックビルシンドロームとは、在室者が建物内において感じる頭痛、吐き気、めまい、呼吸器系の諸症状をいう。

3. 集合住宅を設計するにあたり、換気能力のあるエアコンを採用するので、換気扇を無視した。

【Q13】ホルムアルデヒドの厚生労働省のガイドラインとして適当なものを1つ選びなさい。

1.0.07ppm(0.26mg/m3)以下

2.0.08ppm(0.1mg/m3)以下

3.0.03ppm(0.048mg/m3)以下  

【Q14】ホルムアルデヒドの標準測定法のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.DNPH誘導体化固相吸着―溶媒抽出―高速液体クロマトグラフ法

2.検知管法

3.固相吸着―加熱脱着―ガスクロマトグラフ質量分析法

【Q15】建材に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1. F☆☆☆☆建材を使用すればホルムアルデヒドだけでなくトルエン・キシレンの濃度も低くなる。

2. F☆☆☆☆建材はホルムアルデヒド放散速度の値は小さいがトルエン・キシレン放散速度の値が小さいとは限らない。

3. トルエン・キシレンに関してもホルムアルデヒドと同様な放散速度等級の規格が既に制定されている。

【Q16】施工中に行うトルエン・キシレン濃度低減対策として誤っているものを1つ選びなさい。

1.施工中は窓を締め切った状態とする。

2.MSDSを参照してトルエン・キシレンを含有していない建材・接着剤・塗装を選定する。

3.建材・接着剤・塗装以外の副資材(清掃用シンナー等)についてもトルエン・キシレンの含有しない物を使用する。